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紙の本
達人が料理する感動オカルト物語
2011/12/30 18:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがである。超有名人であるこの作家、数多いその話題作の中で、本書もその年のベストミステリーと評され、かつ広末涼子で映画化もされていっそう注目を浴びた小説だったので読んでみた。事故死した妻と娘のうち、肉体的に助かった娘に妻が乗る移る、というオカルト的な設定が嫌で敬遠していたが、やはりちょっと読み出せば、あとは何しろこの作家の筆力でどんどん読める。
物語だけでなく、人間を描く力も確かなものだと思う。異様な、あり得ない設定に盛って、人間のさまざまな問題を扱ってみせる。その中心にあるのは、家族という枠をも超えたところでの、人と人との関わり方、という問題だ。
繰り返すとこうした設定は個人的には好きではないのだが、背景には死という厳しい現実があり、かつ、その死によって肉体が否定された文脈の中で、魂の問題こそが前景化されるから、そこは一種純粋な心のドラマを描くのに都合がいいのだろう。しばしばこうした幽霊話が深い感動を生むゆえんである。映画の『ゴースト』や『いま会いに行きます』もそうなのだろう。というわけで設定だけみればちょっと安易な気もしないでもないが、力量がそれをまともなものにしている。
タイトルになっている「秘密」とは、何よりも生き残ったはずの娘はその魂において妻なのだ、ということである。物語の状況においては秘密だが、読者に対しては秘密でも何でもない出発点で、だからネタばれしているわけではない。そういう秘密をめぐる話というのは、普通の意味では推理小説ではないが、そうした不思議があり、また、この後どうなるのだという謎があって、さらにサブプロット的に加害者の運転手をめぐる話が謎としてあるので、十分にミステリーである。最後は泣けそうだということは予想がつくが、どう泣けるのか、というのはもうミステリーである。もちろんさらにひねりとか、演出とかあって、「秘密」の意味も単純ではなく、この作家らしい創意に満ちている。
設定だけでなく、終わりの展開にも好き好きは分かれるかもしれない。が、一方で作者はあえてしてこういう終わりを選び、そこに踏み込んだのだというのはわかる。
紙の本
切ない
2007/07/15 19:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔観た映画「秘密」が忘れられず、買いました。
やはりとても良かったです。読んでいて、映画の場面を思い出しました。
広末涼子のドキドキの演技。ラストの場面。
秘密に気付いた時に、とても切ない気持ちになります。
紙の本
泣きました
2013/02/18 23:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はだかの王様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
事故で、娘の体に乗り移った妻。
家では妻として接するが体の関係はなく、外では娘として過ごす。
次第にすれ違うなかで出した最後の結論。
タイトルの意味とは。
紙の本
巧みな心情描写
2002/12/15 09:02
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投稿者:すみれ - この投稿者のレビュー一覧を見る
そうまでしてしまう旦那を、
「最低」と思う反面、共感したり、
そんな行動に出る妻を、
「酷い」と思う反面、やはり共感したり。
三者三様の立場が巧みに描かれており、
とても考えさせられる作品でした。
わりと一気に読めたが、淡々としすぎている点や、
先の読める展開は中だるみを誘った。
しかし、クライマックス以降の静かな感動は涙腺の緩むものでもあった。
ベストセラーの名に恥じない秀作。
個人的には「私が彼を殺した」の方が断然面白かったけど、
東野氏の作品は全て読んでみたいと思う。
紙の本
描写の丁寧さ
2020/06/09 19:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさがき - この投稿者のレビュー一覧を見る
終盤の衝撃的な展開も印象的ですが、ひとつひとつの描写が丁寧で、とにかく秀逸です。
ふたりの生活など、まるで目の前にありありと浮かんでくるようでした。
キャラクターもすごく良いです。楽しめました。
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ファンタジーです
2019/05/11 16:07
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投稿者:てくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな事が現実に自分の身に怒ってしまったらどうしてよい事やら、切ないやらで疲れてしまいます。
紙の本
女の愛は上書き保存
2018/07/13 11:12
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投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後の感想は男と女とで違うんだろうな
男の自分としては何とも哀しい気分
男の愛は別名保存、女の愛は上書き保存・・・
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最後はやりきれない気持ち!
2018/06/13 23:33
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
平介と直子の秘密はもちろんのこと、出てくる登場人物にも秘密があり、もう秘密だらけ。平介と直子を通して、夫婦愛、夫婦の絆というのが何かというのを学んだ気がしました。淡々と読み進んで、間延びした感じがしましたが、ラストにしてやられた。呆然として、ただ涙が流れました。
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秘密感想
2017/07/02 23:01
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投稿者:右ソルデ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夫婦、親子の一途で深い愛を目の当たりにして落ち込みました。
この作品は、これからの私の人生の行き先を少しだけ暖かい所に軌道修正してくれたようか気がします。
紙の本
秘密はひみつのままで
2016/03/29 16:03
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投稿者:しまんちゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
悲しい物語だがエンディングのまとめかたがあとくされのないハートフルなものだったので、読了後に受け入れることができた
人格が残り、娘の体に宿るのだが、年月を経るにつれきしみが生じ、最後には自分を消して娘になりきる。それ自体が秘密だということをお互いに理解してしまうことが切ないです。
紙の本
大切なものって何?と考えさせられる感動作。
2001/07/10 17:38
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投稿者:チャミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ女性の立場ながら、直子の行動にはちょっとずるいな、と思ったのが最初の感想。同時に主人公平介には同情してしまった。
しかし、直子の立場になって考えてみると、やはり、彼女の選択が正しかったのかもしれない。人生をもう一度やり直せるチャンスに恵まれ、若さも取り戻した妻は、それでもなお夫との人生を今まで通り歩もうとするだろうか? 自分だったら…。
SF仕立ての物語ながらも、自分だったらどうするだろうと、考えさせられる部分が多く、ラストシーンをどう解釈すればいいのだろうと今でも悩む。
夫平介の妻直子への深い愛情が、満ち溢れて感動した作品。が、男性が読むと複雑な心境になると思います。