投稿元:
レビューを見る
物語の発端は、主人公「秋間文夫」のもとに掛かってきた一本の電話。相手は「北川健」という男で、高校の同級生であり、かつて秋間文夫の親友だったと言う。しかし、秋間にはまったくそんな記憶はなかった。
数日後に、秋間は北川が書いた物語を代理人から手渡される。
躊躇しつつも読み進めるうちに・・・という感じの始まり。
設定が、最近読んだ「七回死んだ男」「ライオンハート」と似た印象を持ったなぁ。
あぁ本当にこういう題材の話ってよくあるんだと思ったけれど、やっぱり面白く読んでしまった。
こういうのが好きってことなのかも。
半分くらい読んだところで家事をするために手を止めて、食器を洗いながら今後のストーリーをあれこれ考えてみたりしてました。
ちょっと近い展開になったから何となく嬉しくなったり。
でも意外な事実もあったりしたので、最後まで楽しんで読めました。
裏表紙の説明には「時間を超えた究極のラブ・ストーリー」と書いてあったけど、それはちょっと違う気がした。
どちらかと言うと、友情とか縁とかって要素が強いかも。
ラストの後に起こる北川健の人生が気になる!
この点で、かなり余韻を残された作品でした。
投稿元:
レビューを見る
アルファベットのYという文字、何に見える?あの時、もしこうしていたら・・・と思ったことがある人は、絶対いないはず
投稿元:
レビューを見る
とある本屋さんにて見かけたポップには純愛小説とあったのだけど、私にはうーん???そうかなーと疑問の1冊。たらればを言えばキリがないよというのが率直な感想。星は2.5ってとこでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
すんごい面白かった。引き込まれた!これはオススメ。もしもあの時こうしていたら…?そうYなんですよ人生はーーー!(意味不明)
投稿元:
レビューを見る
Y
という題名に惹かれて購入しました!
すごく時間軸の書き方が・・・!文章の書き方はそんなに固くもなく男声らしい綺麗な書き方で、ちょっとあこがれました。
のちほどYの意味が明らかになるのですが読み終わってみて面白いな、不思議だな、すげーとか軽くわくわくの残った本ですよ。
投稿元:
レビューを見る
8月の雨の晩に突然かかってきた男からの電話。彼は自分を”キタガワタケシ”と名乗り、高校の同級生だったというが、私・秋間文夫には全く覚えがない。何かの勘違いだろうと思ったが、そのキタガワタケシはしつこく、「物語を読んでくれればわかる」と言い、電話を切った。そして数日後、秋間はキタガワの代理人だという加藤由梨から、貸金庫に入っていたフロッピーディスクと、現金500万円を渡されることになる。そのフロッピーに、キタガワの言う物語が入っているというのだ。
特に選んだわけでもないんだけど、これもタイムスリップものだった。頭の中を整理しながら読まないと、途中でついていけなくなるが・・・最後で全てがつながり、このストーリーのせつなさに気づく。あの時こうしていれば、というのは誰でも思うことがあるだろうけど、だからといって、彼のような行動ができる人物はなかなかいないだろう。
投稿元:
レビューを見る
「あの時あちらを選んでいたら」という過去を
みんな持っていると思います。
そんな「もし」のお話。
もしその場面に戻れたら…。
でもきっとどちらを選んでも、結局自分は
あまり変わらないのだろうな〜。
投稿元:
レビューを見る
とてもおもしろい内容だと思う。SFっぽいのにくどくない。重松清の『流星ワゴン』を思い出す。
人のつながりは偶然なんだけど、どこかで道を間違えても、結局は『縁』によって何かしらの形でつながるという話。
たとえ過去に戻っても自分で変えられたことなんてほとんどないんだと感じた。計画的偶発性に満ちているんだ世の中は。
僕は今のままでいいや。過去に後悔はない。全部が自分を作ってくれたんだから。人生の分岐点は自分の人生の全部の時間だと思う。
『無意味な発言を取り上げ、そこから意味を見出そうとする』
『かけがえのない人間の代わりなどどこにもいない』
『運命だと思えばあきらめもつく』
投稿元:
レビューを見る
ある晩、秋間文夫(私)の元に北川健という男から電話がかかってくる。彼は私の同級生で親友だったというが、私には全く覚えがなかった。
彼は私に自分の書いた物語を読めと言う。読めば全てが判ると。
彼はその物語を書いた1枚のフロッピーと現金500万。そして西里真紀の名義で作られた9桁の金額が印字された通帳を私に残し忽然と居なくなった。
彼の残した物語の中には、私も、そして彼がその死に責任を感じている人物(女性)が登場する。そしてその女性は私の良く知っている人だった。彼は物語の中の私に、時間が逆戻りをして行く事実を説明していた。
ありえないことだった。今の私はそんな物語の記憶は無い、だが彼はその物語が事実だったと言いたいらしい。そんな馬鹿げたことがあるのだろうか……。
すいません。粗筋がはっきり言って滅茶苦茶です……。書きづらい内容なんです(言い訳)
でも、この小説は個人的に絶賛します。
時空を飛ぶ話は何点か読んだことがあるが、その中で一番のお気に入りで秀作。イチオシ。
何がそもそも良いのだろう?と知人と話していたのだが、その一つの理由として、主人公が時空を飛んだ側では無くて、残された(という表現が正しいか疑問だが)側だという事。
その残された側に居ながら、時空を飛んだ彼が居るという事を認識して行き、信じてゆく。
この設定は、物凄く書きづらいんじゃ無いだろうかと、とても思った。
この小説を何に分類するか?となると凄く難しい。SFでありファンタジーであり恋愛小説。私はあえて恋愛小説と分類したい。
北川が体験した前の物語(人生)の中にも秋間は居るが、それは今、秋間が送っている物語とは異なる。だが、その秋間が送っている今の物語は、北川があえて望んだ物語でもある。だが、それを望んだにも関わらず、北川にとってそれは哀しい物語になってしまった。この物悲しさがなんとも良い。
とてもわかりづらい文だが、パラドックスが生じる話なので、こういう書き方しか出来ないです……。
でもって、冒頭の1節。
(本文抜粋)↓
【無数の雨滴は、まるでグレープフルーツの透明な果肉が散らばって窓に降りかかったように見えた。】
この比喩がたまらなく好き。宮部の【風の神様がクールミントガムを噛んでた〜】に匹敵するぐらい好きな一文です。
そして、この冒頭はスゥィーティーではなくグレープフルーツにあえてした、と、タイトルを「Y」にしたという作者のそのセンスが好きです。
ただ難点を言えば、締りが悪い。結の締りがどうも甘い感じがした。
もっといい場面で終われるのでは?と。
じゃあ、どこで終わるのが一番いいのか?と問われると――
私的には、北川が最後に残したメッセージにインパクトをもっと与えて、そこで終わるのが綺麗だと思うのですが。
最後の北川のこのメッセージに今ひとつインパクトに欠けるのが残念。
投稿元:
レビューを見る
3ヶ月ぐらい前に読んだ。
どうも印象が薄い。
確か、つまらなかったというほどでもない。
ただ、読んだ当時体調不良だったことも手伝ってか、この時空が錯綜するストーリーに十分入り込めなかった。
それに、ヒロインがだんだん魅力的じゃなくなる(フロッピーの中ではキュートな娘なんだが、こちら側の世界ではなんだかな・・・)というのは少々辛いものがある。
「ジャンプ」同様、男性より女性の方が決断力に富んでいる。なにか、佐藤正午の信念でしょうか。
投稿元:
レビューを見る
ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。北川健と名乗るその男は、かつて私=秋間文夫の親友だったというが、私には全く覚えがなかった。それから数日後、その男の秘書を通じて、貸金庫に預けられていた一枚のフロッピー・ディスクと、五百万の現金を受け取ることになった私はフロッピーに入っていた、その奇妙な物語を読むうちにやがて、彼の「人生」に引き込まれていってしまう。この物語は本当の話なのだろうか?時間を超えた究極のラブ・ストーリー。
初めての佐藤 正午作品。
投稿元:
レビューを見る
人生の中での岐路は誰にでもあります。
その時、何を選ぶか、どう選ぶか、すべて自分の選択だと思います。
選べなかった道に心を奪われ、抜けられないもどかしさが
どうしても残りました。
投稿元:
レビューを見る
何年も前に読んだ一冊を読み返してみました
文体や言葉など読みやすい作家だと思います
二度目でもあきることなく読み進みました
人生何度も分岐点にたたされます
あのとき○○を選んでいたら.....の繰り返し
タイムマシンでも発明されない限り,やり直しはきかないのですが
同時に選択肢すべての未来が見えたらなあと思うときがあります
そうしたら,今の私はあるのだろうか????????
投稿元:
レビューを見る
★SFの設定を生かした男の切なさ★佐藤正午の小説のテーマは「去りゆく女と後悔する男」なのではないか。そして僕は、こういう離れていく女の話が好きなのだろう。解説でも触れているように、同じ時間を何度も繰り返して生きるアイデアそのものはオリジナルではなくても、別の人生では前の人生での知り合いを失ってしまう切なさの描き方が著者ならでは。それも語り手である主人公を別の人間とすることで、より距離の遠さが浮かび上がる。別の人生でも同じ人々が身近にいるというのがご都合主義だなと読みながら思っていたが、「縁」という表現で最後にまとめられるとなんだか納得してしまった。
★2019/8再読
うっすらと以前に読んだ気はしたが、内容はすっかり忘れていた。2度楽しめたのだからよかった。佐藤正午の面白さとは何だろうと改めて考えてしまった。設定はそこまで奇抜ではなく、性の場面も出てこない。ミステリー感と切なさの案配、取り返しのつかない後悔に引き付けられてやまない。
投稿元:
レビューを見る
過去のある時点に戻り、人生をやり直すことが本当に幸せなのか。
以前に読んだ佐藤正午さんの作品もそうだったのだが、タイムリープできるような力をつけても人の心はわからないのね・・・。という怖い話。
時空を超えた究極のラブ・ストーリーとあるが、あまりに独りよがりなので、ラブ・ストーリーといえるのか?まあ、片思いでもラブはLoveか。
一人称の私とフロッピーディスク内の僕と君がクロスするので少し分かりづらい。それが、最後に結びついてビックリするような展開になるのかとも思ったのだが、特にそのような展開もなくて拍子抜け・・・。
でも、最後まで展開が気になるミステリーとして面白く読めた。