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丸山の思想は学問に向かっているから一般庶民、生活者の視点からするとわからない。それでも学術論文としてはわかりやすい。
理解できるようになるためには不断の努力が必要。日本を代表する知性なんだから当たり前のことです。
丸山は行動する大学教授だ。
ナチスには独裁者がいて、日本にはいなかった。どちらが良い悪いとは一概には言えない。ナチスではユダヤ人迫害があり、日本は南京虐殺があった。そんなことは百も承知で丸山は、独裁者の不在、独裁観念の欠如をもって、ナチスに対する軍国日本の意識の遅れをいう。独裁の前提となる「自由なる主体意識」の存在が丸山にとってどんなに大きな意味を持っているか象徴している。
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2009/11/1ジュンク堂で購入
丸山眞男の著作は未だ読んだことはない(2009/11/1現在)
しかし、とても興味がある。
竹内好や長谷川如是閑や村上一郎と付き合いがあった。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~MARUYAMA/
http://t-job.vis.ne.jp/base/maruyama.html
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「丸山眞男における具体的な民衆像の欠如」という一文、そしてそれをもたらす丸山の「民衆の生活への異和感」を指摘したのは、本著者の質実な生活が可能にした極めて重大な、決定的な指摘。それだけで十分価値ある一本。
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烏兎の庭 第一部 書評 2.20.04
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto//uto01/yoko/hasegaway.html
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丸山眞男の思想を読み解きながら、その思想がふつうの人びとの生活のなかで生きるものとなりうるのかという観点から批判的に考察をおこなっている本です。
著者は、丸山の日本思想史研究のなかでとくに重要な位置があたえられている荻生徂徠と福沢諭吉についての議論を検討し、丸山が近代的な個人の萌芽を日本の歴史のなかに見いだそうとしていたことを明らかにします。つづいて、いわゆる「古層」論がとりあげられ、とくに仏教や武士のエートスのうちに、「古層」的な発想をはねのける普遍的な思考をさぐろうとしていたことを概観しています。こうして著者は、丸山の日本思想史研究を簡潔に整理しつつ、丸山がふつうの人びとの生活のなかにまで降りていくことを怠り、むしろそうした人びとを近代的な個人へと引き上げようとしていたのではないかと指摘します。
塾で子どもたちの指導をおこないつつ、ヘーゲルの著作のわかりやすい翻訳などをおこなってきた著者の実感を踏まえて、丸山の思想に欠如していたものはなにかという問題に取り組んでいます。ただ、こうした「実感」に依拠することの危険を十分に知っていたのが丸山ではなかったか、という気がします。また、著者の議論が、「大衆の現像を繰り込む」立場から丸山を批判した吉本隆明のそれとどのような関係にあるのかということがよく理解できず、もやもやした気分がのこります。著者は「あとがき」で吉本隆明の丸山批判に触れて、「吉本隆明の批判は、内容からするとそんなに納得できるものではなかったが、自分が丸山眞男にたいしてまったく批判的視点をもてていないことをしたたかに思いしらされて、足元が大きくゆらいだ」と述べていますが、吉本についてそれ以上のことは書かれておらず、どの点に著者の丸山批判のオリジナリティがあるのか正直なところよくわかりませんでした。