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私は映画の『24』を見たことはないけれども、これはきっとそんな小説でしょう。へこんだとき、ネガテイブなときに読むときっと元気がでるはずです。主人公がいろいろな事件を突破しながら前に進んでいきます。SFのようです。でも時代設定は世界大戦中。とにかく、ありえないことがたくさんおきます。おもしろい。
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佐藤亜紀さんのは何冊か読んだけど、私はこれが一番好き。難解過ぎない難解。書いたのが女の人だとは夢にも思わなかった。女の作家を見直した一冊です。
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これでもなるべく5つ☆評価を減らそうと厳選しようとしてるのではあるがしかし。読書中にこの本が与えてくれた、なんとも言えない美味しさと、実にイイ快楽には白旗を揚げて敬服を。この選び抜かれたバランスを保ち続けられるなんて素晴らしい。久々に虚構の人物相手に本気で恋におちかけました。ああ、あぶなかった。やわなのに誇り高く滅びゆく貴族のくせに下種な面がのぞくバルタザールがもう…!
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数奇な運命を辿る特異な兄弟の物語。これがファンタジーでありミステリーなのかと唸らせる程真実味に迫った君主制支持の残る語り口調に、漂う独逸の古き良き時代の残り香に酔う。
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流転する場所と時間と歴史と政治。
二人の自我。
どこでどうなろうと、どう感じ、どう考えようと、
自分のどこかがどこかと矛盾しようと、
ワタシという総合体は、結果として生きる。
結果、
生きるのです。
それって強い。
あくまで、喜ばしい。
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第3回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。2つの人格を持った1つの肉体。彼は第2次世界大戦を舞台に、ナチスから逃れるための旅に出る。好みの話です(笑)
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この本大好きなのだ。新潮社から出てた時から。本がぼろぼろになるまで読んだ。こういうのが真の小説なのだと思う。なんで売れないのかなぁ。
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文体や世界観になれるのに時間がかかったものの後半から楽しめた。前半の伏線が見事に生かされていた。耽美な世界を堪能。
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コレもファンタジーノベル大賞を取ったらしいですね…。
近代のヨーロッパで、妙な具合で生まれてきた貴族の双子が、巻き込まれたり利用されたり復讐したりしつつ堕落して行く物語?(←何かが違う)登場人物の誰一人として、感情移入の出来そうな対象がいない(主人公からしてかなりアレ)のと、文体が見事に翻訳文学風になっているので、独特な読後感でゴザイマス。この作者の本は、ハマる人は熱狂的にハマるぽいです。
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とてもじゃない。
私のような程度の低い知識しか持ち得ない人間には細かなレビューは無理でした・・・。汗
メルヒオーレとバルタザール。
二人の関係が非常に上手く描写されていて、一気にその世界に引き込まれます。
傍から見ていると一人だけど、実際は二人でやりとりをして、二人の人間が日記を書くモノと酒を飲むモノと分かれていたりする。
その辺の描写がどういう物事を見てれば思いつくのか本当に不思議なくらい上手い!!
そして何より時代設定が好きです!!
「天使」と近い時代。
第一次世界大戦をまたぐ形で物語が綴られているわけですが、とてもリアル(史実もあるから当然と言えば当然ですが・・・)に描写されています。
その時代の風俗なんかも上手く描写されているのが、魅力の一つ。
(どうしてこの人の作品の主人公は堕落しているのにプレイボーイなんだろう・・・と言う疑問が。。。)
兎に角、素晴らしい!!に尽きる一冊です。
筆者が蓄えた知識と妄想がフル動員されているんだろうなぁなんて思うくらい詰まっています。
今まであまり例をみないのでは?と思う形式の話・構成・綴りにかなり驚かされながらもズラズラと呼んでしまいます。
かなりオススメ!!
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一つの肉体を共有する双子、バルタザールとメルヒオール。ナチス台頭のウィーンを逃れ、めくるめく享楽と頽廃の道行きを辿る。
重厚な構成と圧倒的な世界。デビュー作でこれって天才としか思えない。万人受けは難しいが嵌るとクセになる大蟻喰先生です。
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「天使」で挫折しそうになったけど、がんばって読んでよかった…!
文章に慣れるのに時間がかかったけど、だんだんとおもしろくなっていって、このざくざくとした切れのいい文章が気持ちよくなってきた。
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近代欧州を深くえぐる宗教と政治と戦争に対する知識の精通度を測定。
私の様な怠け者は、その香りだけを楽しみました。(それだけでも十分楽しめる)
とても馨しい一冊。良い意味で己の知的探求心を疑う。
もっと勉強しなくては
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一つの肉体を共有する魂の双子の物語。大好きです。バルタザールに心をわしづかみされました。容姿の描写はほとんどないのですが、それでも脳裏に映像があふれてくるのは、その端整なセリフと行動ゆえかと。展開も骨太で申し分ない。読み終えてから何年もたちますが、いまだに「彼等」の世界に酔ってます。
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この著者の驚くべきは、ストーリーでも文体でも設定でもありません。それは、歴史的背景を自分の内側に取り込み、吸収し、それを幻想(ファンタジー)として創成させる発想力にあるのではないかと思います。
あの後宮小説と同じく、日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。感情語ですが……これは、「すごい。」