紙の本
残酷と切なさと愛を抱いて
2001/07/14 14:43
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投稿者:miho_tokeshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
『過敏症』の表紙がカッコ良かった。それが私の「魚住君シリーズ」を読みだしたきっかけである。良い評判は以前から聞いていたのだが、直接の購入動機はこれ。
銜えタバコのこの男が、どうも気になって仕方なかった。そしてなんとなーく、1巻にあたる『夏の塩』を購入。翌日、一気に残りの3巻を購入。
結論。
1.最高に面白い&行間を読ませる文章。
決して言葉に出来ないもの(空気や感情etc)を
言葉で表現してしまっている。
矛盾しているようだが、本当。これは凄い。
じっくり何度も読んでしまう。
2.世界観が、現実に近いと感じる。リアルに近い。
キャラクターが話に都合良く動いたり
(ピンチに突然助けが来る、すぐにトラウマを克服)しないので、
そう感じるのかも。
サラリーマンや大学院生という現実っぽい設定のせいもある…?
3.挿絵が合っている。作品の魅力倍増。
小説の挿絵というのはかなり重要な要素なので、
「絵が合わなくて魅力半減」なんてこともある。
その点では最高級。特に3・4巻の表紙。たまらない。
4.主役カップルの2人。特に久留米充。
主人公魚住の痛み、悲しみ、喜びなどの全てを力づくで包み込む包容力が、
1人の男としてカッコ良く、惚れます。
すかしたエリート男性キャラが多いボーイズラブにおいて、
その存在は異色ながら独自の地位を確立。
おそらく唯一無二の存在でしょう。
長々と書いてきて、結局言いたいのは「オススメ。読むべき」ということだけでした。皆さん、読んでみましょう。それほど価値のある作品だと思いますので。
紙の本
ようやく。
2001/06/27 00:08
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投稿者:九月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回の「メッセージ」では小説を読んで久しぶりに号泣させられ、今回の「過敏症」では小説を読んでて初めて爆笑しました。
同じシリーズでこれだけ色んな感情を持たせてもらえるのは、キャラクターが生きているからでしょうか。
そして、ゆっくりと恋人へとなった二人がとうとう……です。
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<あらすじ 裏表紙から抜粋>
ひととき心を通わせた少女・さちのの喪失の痛みから回復しつつある魚住。ある朝彼は微妙な関係を保っていた久留米に突然キスをされ、その意味を図りかねて大混乱。しかもそれを相談した相手が魚住に一目惚れした男だったから久留米は大慌て!ついに一線を越えちゃった魚住と久留米の人気シリーズ第4弾!
</あらすじ>
一作目から読んでいるという条件付で星五つ!
好き…これぞボーイズラブ。これをシリーズ一作目から読んでいると、この巻を読んで感動すら覚えます。うん、感動。すっごい感動した…おおおとうとう…!!と打ち震えた。笑。あの二人すき…。笑
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よかった!でれ。魚住が乗り越えたもの、乗り越えてくもの、たくさんあるけど。とりあえずよかった!!この辺から、情景描写が増えてきて、魚住たちが成長して周りがみえてきたのかなぁ、と感じました。
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ひととき心を通わせた少女・さちのの喪失の痛みから回復しつつある魚住。ある朝彼は微妙な関係を保っていた久留米に突然キスをされ、その意味を図りかねて大混乱。しかもそれを相談した相手が魚住に一目惚れした男だったから久留米は大慌て!ついに一線を越えちゃった魚住と久留米の人気シリーズ第4弾!
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榎田さんの小説は単なるBLの枠を超えていると思います。
ギャグもシリアスも今のところはずれがありません。
これは少し重いですが、しっかりとした読み応え。
多少なりともBL耐性があるならばぜひお勧めします。
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やっと…くっつきました(笑)
二人のやりとりはボケとつっこみで相変らずなのが楽しいです。
脇の皆さんもそれぞれ大活躍。
出てくるご飯がいつもおいしそうで困ります(笑)
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【あらすじ:ひととき心を通わせた少女・さちの喪失の痛みから回復しつつある魚住。ある朝彼は微妙な関係を保っていた久留米に突然キスをされ、その意味を図りかねて大混乱。しかもそれを相談した相手が魚住に一目惚れした男だったから久留米は大慌て!ついに一線を越えちゃった魚住と久留米の人気シリーズ第4弾。】
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2010.02. やっと、ふたりがくっつく(笑。松阪牛を犠牲にして。ここでBL要素発揮という感じだけど、それを越えてももっと読まれたらいいのになぁと思う。「過敏症」というタイトルがぴったりすぎ。
2005.10.07. ううーん、魚住くんえっち。想像して、こんな男の子(もう20代後半ですが)いたら、ほんと周りが大変だよなぁと思う。ファイト久留米。っして、夏目。あんた気持ち悪すぎ、病気だよ、こわいよー。マリちゃんと安岐さんは、きっとうまくいくと思うわ♪
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鮮やかな人物描写、巧妙なストーリー展開、深く刺さる言葉たち。
これが処女作だというのだから、榎田尤利という人間は、実に才能に溢れ、罪深く、そして不器用だ。
何故なら、この作品を超えることは、きっとご本人にだってできやしない。他のBL作家には、到底。
もうちょっと力を抜いて、死ぬ直前に最高傑作として発表するべきじゃないのか。もったいない。ハードルが高すぎる。それくらいの名作なのだ。
渾身の力を込めて、生み出した作品だと思う。生み出した、子どもたちだと思う。母って偉大、呆然。
という訳で、4巻です。
キャラクターたちの状況や心情が、絡まって、解けて、また絡まって、縒り合う。寄り添う。
そうしてやっと、久留米と魚住はお互いの気持ちに向き合えた。4巻。
・・・拙者、本懐を遂げ申した!!!
3巻までを読んでいて、「このふたりの関係が変わってしまうを見るのは、ちょっと怖い」と思っていた。
つかず離れず、いい意味で自分と相手の気持ちに無関心。そうでなければ、ふたりはバランスを失うだろう。
ふたりは友人関係のまま、変わらずにいてくれた方が、いい。濡れ場なんてなくていい。(・・・BL作品を読んでいてこんな気持ちになるなんて、ちょっと異常ですらある。)
そう、思っていたのだ、4巻を読むまでは。
魚住を抱く久留米の強引さに、背筋がぞわぞわと粟立った。はっきりいって発情した。魚住が羨ましくてたまらなかった。
久留米の同僚の女の子たちは、「久留米のセックスなんて想像できない」と言っていたが、それは絶対に嘘だ。
あんなに魅力的な男が、どうやって愛しい人を大切に扱うのか、どんな声を出すのか。そのとき匂い立つ色気を胸いっぱいに吸い込みたい。
久留米を知って、そう思わない女はいない。一方的に知るだけの私だって思うのだから、毎日同じ職場で顔を合わせているなら、最早不可避の感情のはずだ。
(実際には文字だけで描かれた人物なのに変だ、ということすら忘れて惹きつけられてしまう。)
自らに与えられないのなら、もっともっと見たい。魚住を甘やかす久留米を見たい。ラブの部分をもっともっともっと描いてほしい!
我ながら現金だなァと苦笑しながらも、やっぱりそれを望んでしまった。
他のエピソードももちろん面白いのだが、もう久留米しか見えない。
久留米は本当にいい男。
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魚住くんシリーズの最終巻です。
人は生きているんだ。死んだ振りをしたって死にたくったって生きている。
人間の振りをしていても死んでしまう人もいる。人間って複雑なようでシンプルでもあるんだなぁと思わせてしまう。
そういう「死」というものが過去から振りまかれている人間が主人公である魚住真澄。
そのお相手は(笑)、そんなことがどうでもいい、と言うかあんまし気にしても意味がない。生きていることがいいのだ。そういうことを言う(かも知れない)男、久留米充。
彼らを中心にほのぼの(じゃないことのほうが多いけど)話は進みます。
周りの人たちもいい味出してます。時にはものすごく悲しいですが。
響子ちゃん好きです。マリさんも好き。サリームも。
そういうシリーズの4巻です。くっつく巻です(笑)
身も蓋もないけど待ってた甲斐がありました。
最終的に結局、久留米さんが負けました。負けたとは久留米さんは絶対言わないのだろうけど(笑)
とにかく。彼らは彼らなのです。いつまでも自分の行く道を探していく人々。でもあの二人が近くにいたら遠目に見てそうです。だって目立つから…。
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魚住は恋愛以前の問題で、子供の頃から、どんなに必要な人も、大切にしていた人も失い続けて来た。孤児という生まれ自体、最初から親という存在を喪失しているのだ。そのあとも、養子先の家族を失い、さちのを失い……乾きすぎた両手で、幾度も砂を掬っては零すような人生だ。
内容紹介です。
ひととき心を通わせた少女・さちの喪失の痛みから回復しつつある魚住。ある朝彼は微妙な関係を保っていた久留米に突然キスをされ、その意味を図りかねて大混乱。しかもそれを相談した相手が魚住に一目惚れした男だったから久留米は大慌て!ついに一線を越えちゃった魚住と久留米の人気シリーズ第4弾!
残すところ後1冊で、恋愛関係になりました。
ここまで、長かった。そして実はこれからも長い。
後1冊なのにね!
上記の引用は、久留米から見た魚住です。
確かにそんな人生だったんだろうなぁと思います。
乾いた手で砂を掬っても、指の間からさらさらと流れてしまい、ほんの僅かな時間しか手にはないんですよね。
何度も何度もやるけれど、その度にあっという間に零れ落ちてしまう。
心寒くなるような光景なんだろう。
好きだった人と想いが通じ合って、抱き合ったその直後に失うことを考える魚住が哀しいです。
そうやって予防線を張ってないときっと心が耐えられないんでしょうけれど。
この巻の最後のお話に、魚住をかつて強姦した男が出てくるんですけれど、この男がまた、腹立つ。
何が憎んでほしい、よ。忘れないでほしい、よ。
自分勝手にもほどがある。
けれど、この男を魚住が殴ったことで彼自身、いろいろなことと決別したんじゃないかな、と思います。
もちろんこれから先、いろんな問題があるんですけど、魚住には。
世界が広がることによって、辛さや苦しみなんかは増えるだろうけれど、でもきっとそれ以上に、喜びや幸せなんかも増えていくものなんでしょう。
魚住はもちろん、彼の周りの人にも幸せになってもらいたいと思います。
あ、この巻。マリちゃんが可愛いです。
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魚住と久留米の少しずつあるいは一気に近づく距離が微笑ましい。この巻はマリさんの番外編?という感じ。でも、ホントいい女!
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とあるバーでのシーンで「あ~あ~あ~wwww」ってなったり、マリと馨の繋がりを知ったりして、案外ホントの(小説の中でない)人生も知らないうちに色々どっかで絡んでるのかもしれないなぁなんて思った。