サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

偶景 新装 みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー4件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

エクリチュールの絶えざる冒険を生きたバルト晩年の佳作が復刊

2001/09/07 15:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:井上真希 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1989年刊の幻の佳作が12年ぶりに新装になって復刊された。原著がフランスで刊行されたのは、1980年にバルトが自動車事故で亡くなった2年後で、哲学者フランソワ・ヴァールが、バルトの《小説的な(ロマネスク)》4作品——「南西部の光」(1977年、「ユマニテ」)、「偶景」(1969年執筆)、「パラス座にて、今夜……」(1978年、「ヴォーグ・オム」)、「パリの夜」(1979年執筆)——を1冊に編んだものである。断章形式の「偶景」にしろ、日記形式の「パリの夜」にしろ、『彼自身によるロラン・バルト』(みすず書房刊)と同様、自らの伝記的事実を綴っていながらも、あくまでフィクションとして書かれたものだ。とはいえ、どちらも同性愛者の横顔が描かれたこれらの未発表作品を、当時の読者はどんなふうに迎えたのだろう。フィリップ・ソレルスがバルトを髣髴とさせる〈老いた同性愛者ヴェルト〉の登場する小説『女たち』を上梓する前年のことである。

 大変遅まきながら、今回の復刊で日本語で読むことのできた本書は、バルトが晩年まで、エクリチュールの絶えざる冒険を生きたことを示していた。
 花輪光氏が「小説家バルト?——解題に代えて」で述べているように、バルトは「あらゆるものに意味を見出してしまう記号人間(ホモ・シグニフィカンス)」で、「どのように些細なことでも、『それが何を意味しているのか』を問わずにはいられない」「『意味の病い』にかかっ」た人間だったのだ。そこで、「意味の免除」を可能にすべく、バルトが試みているのは、偶景(アンシダン)という、木の葉が舞い落ちてくるように偶発的な些細な出来事の断片的な記述であり、いわゆる告白ではない、「別の言説」としての日記だった。
 幼少期を過ごし、亡き母が暮らしていた故郷の町を愛した男。欲望を噴出させたモロッコでの漂流の日々を想い、《夢見る》ことのできる場所に魅せられた男。そして、男友達との距離を測り、特定の青年との新たな恋が難しくなった現実を前にした初老の男。ここで出会うのは、小説のなかの哀感あふれる男たちである。 (bk1ブックナビゲーター:井上真希/翻訳・評論 2001.09.08)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2006/03/25 12:48

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2006/05/19 02:50

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2016/03/08 18:32

投稿元:ブクログ

レビューを見る

4 件中 1 件~ 4 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。