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ノーベル賞受賞者をそろえたドリームチームの投資手法が何故破綻したのかを栄光から転落までスリリングに展開されております。
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せめてもう一度、利益がだせないものだろうか―
best and brightestな集団LTCMの破綻劇を描いた本。
かの有名なノーベル賞を獲得した経済学者、ショールズやマートン、名だたるトレーダーが集まり数学的理論をもとに世界中に散らばるスプレッドを狙いレバレッジを利かせ利益をあげる。それもおそろしい額、スピードで。
彼らの理論の根底は価格変動は常に正規分布に従っているということ。だからスプレッドの異常値は必ず収斂するはずだった…
ヒューマンファクターを見逃した結果の破綻。
金融を志すにあたって極端な成功から失敗へのストーリーを知っておいても損はないと思う。
歴史は繰り返すのだから!
※アービトラージの基礎とデリバティブの基本知識がわかれば難なく読めると思います
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ノーベル経済学者を擁し、「ドリームチームの運用」と呼ばれた史上最強のヘッジファンド“LTCM”の崩壊を描いたノンフィクション。
彼らは金融工学の先駆者だった。
高度な数学理論を駆使したシステムトレードで、今までの投資のスタイルを根本から変えた。
世界中のマーケットを俯瞰し、同じものが異なる価格で売られていることを発見すると安いほうを買って高い方を売るというポジションをつくり、一物二価の価格差を無リスクで抜く。
この手法で莫大な富を築く。
しかし、アジア通貨危機をきっかけにLTCMの経営は深刻な状態となっていく。
結果的にレバレッジのかけすぎで破綻するのだが、今回の金融危機とまったく同様のケースであることに驚く。
歴史は繰り返すのか。
IQ170の天才達でも予測できなかったマーケットの怖さを知るうえにおいても勉強になった。
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伝説的トレーダーのメリウェザーとその部下、およびノーベル経済学賞受賞者2人(ショールズとマートン)で立ち上げられたヘッジファンドLTCM。凄まじい勢いで利益を上げた後、ロシア危機により、これまた凄まじい勢いで破綻への道を歩んでいった。
これでもかというほどに尖がったファンドの趨勢は、示唆に富む。これを、恐らく想像の部分が多いのだろうが、「あんた、その場にいたのか?」と思わずにはいられないほど細かな登場人物の描写により、臨場感たっぷりに紡ぐ。
LTCMが残した教訓は、下記の3つ:
①市場は常に合理的な(つまり期待リターン&分散のみを考慮して動く)わけではない(金融危機発生時など、状況が著しく不透明になると、期待リターンを無視してとにかくリスク最小化に走る)
⇒LTCMは、スプレッドがやがて縮小する方向に、巨大なレバレッジを賭けていたが、ロシア危機が発生したせいで皆極端にリスク回避的になり、スプレッドはむしろ拡大していき、追証を払えなくなり破綻。
②モデルは現実を説明するために存在することを忘れると、酷い目に会う
⇒研究者は合理的で数学的に美しい世界を夢見る。が、しかし、現実は非合理的で、数学的にきれいでもなかったり。にも関わらず、破綻により痛い目見た後も「モデルに適合しない現実がおかしい!」と思ってしまっては、「僕がモデルを作るのは僕自身が気持ち良いからであって、現実を説明するためではない」と告白してしまっているようなもの。
研究者たるもの、こう言うときは、モデルを変えるか、現実を変えるか、どちらかを選択すべきだと思う。
③経済学は科学たりえない
⇒LTCMが破綻した要因の一つが、最新数理ファイナンスに基づいた投資手法が、他のヘッジファンドや投資銀行に広まってしまったため(利ざやが薄くなったので巨額のレバレッジを賭けるようになった)。
つまり、人を相手にする経済というフィールドにおいては、数理モデルの公表が、説明対象の性質そのものを変えてしまうのである。物理学に例えると、量子力学の理論が発表された途端に、量子が振る舞いを変えるようなもの。より理論の説明能力が高まる方向にいってくれればまだいいが、場合によっては逆方向に振れる。
原理的に、説明能力を漸近的に上げていくという科学の性質を満たしえない。
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非常に面白かった!けど何せ15年前のことだからなあ。もう少し早く読めば良かった。
驚異的なリターン、ノーベル賞、そして転落劇。ノンフィクションとは思えないー。映画のような展開だね。
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友人が2人とも証券に行くので、ちょっと勉強。
寝る前に読むと血の気が増えて、しまう。
くらいのドキュメントがぎっしり。