紙の本
次世代への責務とは?
2004/12/13 10:10
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投稿者:KOMSA - この投稿者のレビュー一覧を見る
「亡国のイージス」の前段とも言うべき、
壮大なポリティカル・フィクションである。
この作品で福井晴俊が描いたのは、
大国のエゴと、それに付き合い全ての結論を先送りにした
亡国・日本の責任の取り方だ。
アメリカ国防総省を手玉にとるテロリスト「12(トゥエルブ)」の名は
マッカーサーが「日本は12歳の子どもだ」と評した事に由来する。
日本は戦後復興期からその成長を止めた。
アメリカ庇護を得て(アメリカはそう考えているのか?)
自分で答えを導けない政治家と国民に対し、
「12」は私怨を契機として戦いを挑んでいく。
「12」を逆さにすると「21」。
未だに戦争を続けようとしている我々の生きている世紀だ。
生きること、そしてその意味を考えること。
福井は読者の眼前にその真実を突きつける。
それは次世代に引き継ぐべき我々の責務でもあるのだ。
紙の本
なんだかんだ言っても「生きたモン勝ち」だよ!
2004/12/02 22:31
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投稿者:うさしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンピューターウイルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」を使い、沖縄からアメリカ海兵隊を撤退させたテロリスト「12」。しかし目的を達成した後もテロは続く。
日本とアメリカから狙われながらも何故テロを止めないのか。
また「BB文書」とは何なのか。
全ての謎が解けたとき、読者はそこに何を見るのだろう。
自分は何処から来たのだろう。
何故ここにいるのだろう。
どうして生きているのだろう。等等
誰でもちらりと考えた事があるのではないでしょうか。
しかし日々の生活の中でこんな事ばかり考えてはいられません。
そんな事をしていたら生きてなんていられない。
でも物語では、自分のルーツが枷となってしまい、それ故そういった事を意識しながら生きる人々が描かれます。
その姿は厳しく、つらく、そして寂しい。
生きること。
その意味をどこに見出すのか、それはとても難しい問いかけであって、なかなか答えは出せないが、
死んではいけない。
まずは生きること。
なのだと、それをこの物語は訴えかけてくる。
電子書籍
残念…
2015/01/13 01:39
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投稿者:トス子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「終戦のローレライ」に魅せられ 福井ファンになったつもりで、「亡国のイージス」「川の深さは」といき まぁ満足感、で次に この作品 う~ん…イマイチかなぁ…
国家の政治や体制批判の類いの 独特の長文が多すぎ。
読む順番変えれば良かったのかな。でも先にこの作品読んでたら 多分「ローレライ」も「亡国」も読んでなかったと思う。
紙の本
2001/07/01朝刊
2001/08/03 22:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンピューターウイルスを駆使し、米国防総省に戦いを挑んだ日本人テロリスト「12(トゥエルブ)」。彼は日米両国の情報機関を巻き込み、沖縄からの米海兵隊撤退を要求する。元米大統領の過去や、秘密裏に開発された化学兵器が絡んだ展開は壮大だ。
国際的な謀略とともに意地や誇りといった感情の機微も丁寧に描かれる。一九九八年の江戸川乱歩賞受賞作。著者は、続く『亡国のイージス』で大薮春彦賞など三つの賞を獲得し、今、最も注目される冒険小説の書き手だ。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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最強のコンピュータウィルス「アポトーシス?」を駆使し、在沖米海兵隊を撤退に追いやったテロリスト「12(Twelve)」。彼がたった一人でペンタゴンと自衛隊を敵に回す、その目的、そして「12」とは一体、何者なのか…?。
「自衛隊」はこの国を守ってくれるものなのか、そもそも「自衛隊」の存在の意味とは…を、「12」の孤独な戦いを通して鋭く追及している。
その一方で「誰かに愛されたい」人たちが、人を思うこと、人から思われることの喜びを模索する物語にもなっている。
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生の意義を見失い、
日々をただ過ごしていただけの自衛官募集員・平貫太郎は、
かつての命の恩人・東馬修一に偶然出会ったことから、
想像もつかない日本の地下組織の闇に呑み込まれてゆく。
最強のコンピュータ・ウィルス「アポトーシスII」と
謎の兵器「ウルマ」を使って、
米国防総省を相手にたった1人で脅迫劇を仕掛け続ける
電子テロリスト・トゥエルブとは何者か・・・
ダイスシリーズの2作目で川の〜の続編です
出版としてはこの作品がデビュー作ですね
手に汗握るシーン盛りだくさんです
この作品辺りからテーマを明確にもつようになります
『日本』
米国による戦後GHQ施策にからこの国は再生〜経済大国へ変貌しました
しかし、この国家は成長をしているのでしょうか?
愛国心、自衛隊の存在、米軍のありかた、国家のあるべき姿・・・
その言葉達の本当の意味を問い掛けてます
「12YO」これがテーマの全てです
第44回江戸川乱歩賞受賞作品
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『亡国』では気にならなかったのに、こちらではやけに饒舌な作者の主張が鼻についた。言っていることは『亡国』と変わらないのだが、登場人物の話として昇華されず、作者が前面に見えてしまっている。戦闘シーンなども、やけにごちゃごちゃしていて読み難い。分量的には『亡国』より少ないのに、読み終える時間はこちらの方が長かった気さえする。
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これは、ノーコメント。正直言うと「亡国のイージス」の方がはるかに良かった、、、だけど、私の気持ちがこもっていなかった。なにしろ「クロスファイア」を手に入れたために、気が焦って読んでしまったのです。さあ、今からクロスファイアを読みます。
2002.9.17
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コンピュータウィルスと兵器「ウルマ」、「12」と名乗るテロリスト。キーワードの元、繰り広げられる展開はスピード感が有ります。
このあとに「川の深さ」を読んだら、インパクト的には薄いかな…と思う。読み直さないと。
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7年前に、このサイバーテロの話を書いているのはすごいと思うし、展開としても面白いと思う。でも、話の流れが「川の深さは」と同じに思えて仕方ない・・・。読むのはどちらかだけでいいと思う。
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意味のある死を迎える為に生きる。そんな主人公が毎回出てきます。強固な意志と強靭な肉体、ものすごい戦闘能力を兼ね備えた子供と人生に意味を見出せなくなっているオジサン。両者が出会ったらどうなるか…。みたいな流れが福井さんの小説のセオリーみたいです。
そこまで肩肘を張って、自分の理想の為に生きられるものなんでしょうか、人間って。みんなどっかで諦めたり、長いものに巻かれたり、無関心を装って生きてるのに、熱いです。生き方が。国の体制や腐りきったお役所に、痛みをもって改革を促そうとする行き方がすごいです。私にはまねできない。
久しぶりに、ドキドキしながら最後まで読み切ってしまいました〜>_<9
あと、この人主人公格の男の子に一文字の名前をつけるのが好きみたいです。
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なかなかに読み応えのある小説。軍事物でもあるので出てくる用語がわかりにくい。でもここまで理解させてイメージさせれるのはこの人の力量なのかなぁ。もうすこし日本とアメリカの軍事、外交などに関し知識と意見を持ち合わせていればより面白かったのかなと思いました。ローレライとかも読んでみたいなぁ
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亡国のイージスと比べると舞台設定、世界観ともに劣るが、それでもなかなか壮大で、ハリウッドや韓国映画のような作品。題名もなかなか考えられていてウイットに富んでいる。
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「亡國のイージス」でこの作者を知つた。
日本と云ふ捕へ所のない國のカタチを考へさせられた。
そしてこの「Twelve Y.O.」。
題名からして考へさせられてしまふ。
日本はいつまでたつても12歳の子供で良いのだらうか?
胸に突き刺さる言葉。
「(略)國の形も人の形も見失つて、主權とエゴの區別さへ出來なくなつた日本人全員がさせたことよ!(中略)イヤなことから目を背けて、都合のいい平和主義を唱へて、傷つくことを恐れ續けたこの國が、小さな輪の中の平穩を守るためにしたことよ・・・!」
登場人物たちのひたむきな姿にこころ惹かれてしまつた。
スケール豐かな冒險小説である。
掛け値なしに面白い。
ただ事件の中核にある謎の「BB文書」は、いささか龍頭蛇尾の觀あり。
2003年9月9日讀了
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デビュー作らしいが、すでにかなりのエンタメ性を感じる。福井さんの描く人物はとても魅力的で物語りに入り易い。