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みんなの評価3.6

評価内訳

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  • 星 1 (0件)
10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本

両性具有の美

2008/04/30 01:29

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アルカンジョ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品は、文句なし、問答無用、両手放しで、大絶賛の言葉を掲げたい。
実は、この書評を書き直している時点で、この本を読み終わって数年がたっているのだが、いまだにあの震える読後感を忘れられないでいる。

津原泰水という名前を、今の文学界に浸透たらしめるに至った、衝撃的な一冊である。

物語は、現代の東京から始まる。
超人気バンドの退廃的な美貌のボーカル、そのボーカルの双子の妹を中心に個性的な登場人物たちが織り成す、幻想的なゴシックホラー小説である。

この小説のキーワードは、両性具有。
その言葉の意味するところのすべてが、この小説には含まれている。
文章は癖がなく読みやすいのに、読者への恐怖感をまざまざと煽り立てるその手腕は、素晴らしいものがある。
また、本作はホラー一辺倒ではなく美的なものも極まりすぎると恐怖に変わるということを、教えてくれる。
ただ、ホラーなのではなくミステリの要素も兼ね備え、津原のこれ以後の作風の予見をもさせてくれる一冊だ。

キャラクター同士の物語がリンクしあい、一番最後に物語の結末を知る時に、読者は混沌と賞賛と恐怖の渦にさらされるであろう。
活字を読むということ、その酩酊感を何よりも楽しみたい一冊である。

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紙の本

死者の物語

2002/05/21 22:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:狩野涼子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

CRISISの美しいヴォーカリスト、チェシャと雛子の関係。
そして、両性具有者であったチェシャ。雛子は「雛」、そして「ヒナ」である。難解なパズルを読み解くようなte
複雑に絡まりあった死者と生者との関係。多数の神話が出てくる。その神話の女神たちまで絡まりあい、死者と生者を結びつけ絡み付けていく。全ての意図を解けたとは思っていない。
だが、読み進めて行く中で、糸は確実に解けていくのだ。
死者の見える少女は「少女」らしくない。というか、「女」の性別を感じないのだ。彼女は両性具有ではない。「どちらでもない」のだ。どちらの性別にも傾いていない、中性のなのだ。いまだ、咲かない、花開く前の固く閉じた蕾のような少女。回帰したがる彼の兄。
近親相姦と自己完結。
絡まった意図は解くことが困難だった。

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2006/09/12 11:54

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2008/08/28 07:25

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2011/11/07 23:31

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2011/11/10 15:45

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2015/03/23 17:05

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2019/09/29 19:12

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