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ファシズム時代のシオニズム みんなのレビュー
- レニ・ブレンナー (著), 芝 健介 (訳)
- 税込価格:5,280円(48pt)
- 出版社:法政大学出版局
- 発売日:2001/07/01
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高い評価の役に立ったレビュー
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/04/18 00:37
画一化されない見方。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
反シオニズムの立場から書かれたヘルツルから第二次世界大戦までの主にシオニズム運動批判の立場で書かれた本。ユダヤ人は3人集まると2つの党が出来る、というが、この本で書かれた見方はなかなかお目にかかれない視点がある。特にシオニストとナチスの関係について。
ただ、当時の視点ではなく、現代の視点から当時のシオニスト達を批判しているのが気になるが。当時のユダヤ人達で信仰心が厚い人々やキリスト教社会に同化された人々にはシオニズムは人気がなかったはずなので。いわば神が再建するはずの国を、社会主義の影響を受けたシオニスト達によって世俗化された約束の地をイスラエルの地に作り出す、という運動だから。
ついでに戦後のドイツとイスラエルの関係も触れてもほしいところだ。
この本を翻訳された芝健介氏は武装SSを銘打った著書の表紙に陸軍の兵士の写真を掲載する程、恐ろしい程単純化されたSSや武装SS像を書かれるが、文章力はあるので、翻訳家に転身された方が良さそうだ。
低い評価の役に立ったレビュー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/09/06 22:16
この複雑で「陰謀」に満ちた世界を読む
投稿者:海野弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このところ陰謀史観というのに興味を持っている。この世界はユダヤやフリーメーソンに操られている、といった考えである。たとえば、私たちは国連は世界平和のための機関だと習ったのであるが、国連こそ陰謀の元凶なのだという。
国連に対する攻撃が激しくなったのは、一九七五年ごろからだったらしい。この年に、国連は、シオニズムは人種主義だ、という決議を採決した。これはイスラエルとそれを支持するアメリカへの批判であったから、アメリカで国連に対する不満が高まったのである。
ユダヤ人はヒトラーのドイツでホロコースト(大量虐殺)の犠牲になった。しかし第二次大戦後、シオニズム運動の高まりの中でイスラエル建国が認められる。イスラエルはアメリカによって軍事的に守られる。イスラエルとアラブ諸国の対立においては、ユダヤ人は一方的な被害者とはいえなくなる。まことにややこしい。
この本の著者レニ・ブレンナーはニューヨーク生れのユダヤ人である。彼が強調しているようにユダヤ人がすべてシオニストではないし、彼自身もちがう。ユダヤ人の運命をシオニズムやイスラエルと一緒にしないでほしい、と彼はくりかえしいっている。
この本は、ユダヤ人がホロコーストにおびやかされていた時代に、シオニストがなにをしていたか、これまで知られなかった歴史をたどっている。おどろくべきことに、シオニストたちはひそかにナチと通じていたことが明らかにされる。ユダヤ人によるシオニズム批判なのである。
この本は、ユダヤやシオニズムなどについての私たちの常識をくつがえす。このところ歴史教科書の問題がやかましいが、歴史というのは何度でも疑い、読み直していくべきだろう。別な読み方ができるのではないか、という批判精神を養うことこそ、私たちが歴史の本を読む目的なのであるから。 (bk1ブックナビゲーター:海野弘/評論家 2001.09.07)
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紙の本
画一化されない見方。
2009/04/18 00:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
反シオニズムの立場から書かれたヘルツルから第二次世界大戦までの主にシオニズム運動批判の立場で書かれた本。ユダヤ人は3人集まると2つの党が出来る、というが、この本で書かれた見方はなかなかお目にかかれない視点がある。特にシオニストとナチスの関係について。
ただ、当時の視点ではなく、現代の視点から当時のシオニスト達を批判しているのが気になるが。当時のユダヤ人達で信仰心が厚い人々やキリスト教社会に同化された人々にはシオニズムは人気がなかったはずなので。いわば神が再建するはずの国を、社会主義の影響を受けたシオニスト達によって世俗化された約束の地をイスラエルの地に作り出す、という運動だから。
ついでに戦後のドイツとイスラエルの関係も触れてもほしいところだ。
この本を翻訳された芝健介氏は武装SSを銘打った著書の表紙に陸軍の兵士の写真を掲載する程、恐ろしい程単純化されたSSや武装SS像を書かれるが、文章力はあるので、翻訳家に転身された方が良さそうだ。
紙の本
この複雑で「陰謀」に満ちた世界を読む
2001/09/06 22:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:海野弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このところ陰謀史観というのに興味を持っている。この世界はユダヤやフリーメーソンに操られている、といった考えである。たとえば、私たちは国連は世界平和のための機関だと習ったのであるが、国連こそ陰謀の元凶なのだという。
国連に対する攻撃が激しくなったのは、一九七五年ごろからだったらしい。この年に、国連は、シオニズムは人種主義だ、という決議を採決した。これはイスラエルとそれを支持するアメリカへの批判であったから、アメリカで国連に対する不満が高まったのである。
ユダヤ人はヒトラーのドイツでホロコースト(大量虐殺)の犠牲になった。しかし第二次大戦後、シオニズム運動の高まりの中でイスラエル建国が認められる。イスラエルはアメリカによって軍事的に守られる。イスラエルとアラブ諸国の対立においては、ユダヤ人は一方的な被害者とはいえなくなる。まことにややこしい。
この本の著者レニ・ブレンナーはニューヨーク生れのユダヤ人である。彼が強調しているようにユダヤ人がすべてシオニストではないし、彼自身もちがう。ユダヤ人の運命をシオニズムやイスラエルと一緒にしないでほしい、と彼はくりかえしいっている。
この本は、ユダヤ人がホロコーストにおびやかされていた時代に、シオニストがなにをしていたか、これまで知られなかった歴史をたどっている。おどろくべきことに、シオニストたちはひそかにナチと通じていたことが明らかにされる。ユダヤ人によるシオニズム批判なのである。
この本は、ユダヤやシオニズムなどについての私たちの常識をくつがえす。このところ歴史教科書の問題がやかましいが、歴史というのは何度でも疑い、読み直していくべきだろう。別な読み方ができるのではないか、という批判精神を養うことこそ、私たちが歴史の本を読む目的なのであるから。 (bk1ブックナビゲーター:海野弘/評論家 2001.09.07)
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