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約束された場所で underground 2 みんなのレビュー
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紙の本
オウム真理教
2023/06/27 14:58
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
オウムの信徒だった7人の男女へのインタビュー集です。世間では、オウム真理教に関わっていた人間にろくな奴はいない、というイメージが先行していますが、これを読むと、そういう安易な一般論がいかに危険かがわかります。
紙の本
真剣に社会を考えている人たち
2004/06/17 17:53
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投稿者:ねむの木 - この投稿者のレビュー一覧を見る
信者に対する村上春樹の意見が、かなり鋭いということに感心させられる。
しかもただ突っ込むだけではなく、広がりを持たせている。
小説家である村上春樹でなければできないと思う。
それ程信者が多くを語り、人柄がはっきりと見えてくる。
信者たちは何かしら偏った考えを持っていたり、
理解できない体験をしているが、「オウムだから」なのだろうか。
それはまた自分も当たり前のように偏った考えを
持っていることに気づくこととなった。
それでも社会がオウムに対して持っているこちら側が正しいというモノサシと、
オウムが社会に対して持っているこちら側が正しいというモノサシがある。
読んだ後で、頭の中は読む前よりいっそう混乱している。
紙の本
矛盾だらけの信者の声、でも自分から遠い場所にいるとは思えない
2021/10/09 22:49
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題にアンダーグラウンド2とあるように「アンダーグラウンド」と対をなすノンフィクション。
前作が地下鉄サリン事件の被害者の声に、村上春樹氏がひたすら耳を傾けたものであるのに対し、こちらは加害者であるオウム真理教の信者の声を聞いている。
ただ、前作と違い(被害者の声を聞いた後の連載と言うこともあり)村上氏はかなり突っ込んだ質問や疑問を投げかけていることが興味深い。
実際、インタビューに答えているのは当然逮捕された幹部とは違う一信者たち。内部にいて疑問を感じていた(いる)ことやそれでもも真理教を信じてしまうような気持ちなどが正直に語られている。
事件後、マスコミは信者たちは皆真面目なエリートみたいな報じ方をしたが、このインタビューを読んでいると、真面目でエリートというより、みな幼い頃から物事を突き詰めて考えてしまう気質の人が多いようだ。
科学や理屈で証明できなければ納得できないというような。
それが、なんで宗教に?!と、理論としては破綻しているのだけど、彼らの言っていることも分からなくもないというか、まぁそういう状況に置かれたら自分もそうなってしまうかもしれないと思わせる。
事件は許さず、一方で事件を起こしたのは自分と関係のない極悪人の話ではないのだと、考えさせられた。
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現代日本人の弱点
2016/10/14 02:22
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投稿者:uske - この投稿者のレビュー一覧を見る
オウム信者の語りを通して、日本人が共有できる神話が現代日本では失われており、多くの人がその欠落を埋める稚拙な物語に囚われていく様子が描かれている。1Q84ではこの問題に対するひとつの答えが提案されている。
紙の本
約束された場所で
2001/10/29 23:42
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投稿者:333 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当の題名は「ポストアンダーグラウンド」だったらしいが、村上春樹氏が気に入った詩の一部に、変更したらしい。そして、それが「約束された場所で」である。
前回のアンダーグラウンドとは違い、今回は元オウム真理教の方々の取材をもとに作品が構成されている。
そのことにより、いままでとは違った視点でオウム真理教というものを垣間見ることが出来る。
紙の本
何が彼らをそこまでさせてしまったのか
2001/08/28 13:59
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投稿者:佐倉統 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼく(1960年生まれ)は「オウム世代」である。この、村上春樹によるオウム信者/元信者への出色のインタビュー集でも、だいたい同じ世代から少し下ぐらいの人が対象になっている。ちょうど同じ1960年生まれの人もいる。けれども、この世代的な近さにもかかわらず、今までぼくはオウム問題を自分の心に響くものとして引き受けることが、どうしてもできなかった。ほかのカルト宗教に入信してしまった友人もいるし、彼らから勧誘を受けた経験もある。でも、ぼく自身はそういったものにまるっきり興味を持てなかったし、持つ人たちの気持ちが全然理解できなかった。今でもそうである。だが、それは単にぼくが運が良かったからなのだ。たまたま「あちら」に転ばずに、「こちら」に転んできただけだったのだ。インタビュアーの発言の中には、ぼくも同じようなことを考えていたなあ、という部分がたくさんある。オウムだけが特別なのではない。読後、「何が彼らをそこまでさせてしまったのか」について、好むと好まざるとにかかわらず、これからも考えていかざるをえまい、という予兆めいたものが去来する。オウム問題を大所高所から定位するのに欠かせない本だ。(佐倉統/進化学者 2001.8.14)