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ことばの歴史 アリのことばからインターネットのことばまで みんなのレビュー
- スティーヴン・ロジャー・フィッシャー (著), 鈴木 晶 (訳)
- 税込価格:3,080円(28pt)
- 出版社:研究社
- 発行年月:2001.7
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紙の本
2001/09/23朝刊
2001/10/01 18:17
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間が話す言葉はもちろん、アリやミツバチのコミュニケーションからコンピューター言語まで「ことば」の歴史について詳しく教えてくれる。言語の大元を探ることは人類の進化の過程をたどることになるし、様々に分類される語族の変遷は民族の移動や文明の発生とは不可分である。本書を読むと、人類史も俯瞰(ふかん)できる。
民族的なアイデンティティーと結びつくだけに、人は言葉の問題となるとエキセントリックになりがちだが、繰り返し起こる言語の「純化」の動きはほとんど成功した試しがない。「言語は石ではなく、スポンジである。(中略)吸収力があるからこそ、言語に優れた創造性・適応性・実用性が生まれる」というのだ。言語学者でクレタ島やイースター島に残る未解読文字研究の第一人者でもある著者は、言語の変遷を冷静に記述し、真摯(しんし)に本質を伝えようとしている。
現在、英語が事実上の「世界語」となったことも自然な流れと見ている。さらに、著者の射程は、数世紀先、しかも宇宙的な広がりを持っている。将来、火星に移住した人々が「火星英語」という方言を話すようになるという予想も、荒唐無稽(むけい)とは思えない。
専門用語も使われているが、おおむね簡明な表現がとられていて、言語学の格好の入門書となっている。情報をつかさどる言語のメカニズムや本質を理解することは、情報化社会の根本を知る上でも大いに参考になろう。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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