紙の本
入念に張り巡らせた仕掛けは、巧妙かつ大胆。ユニークな「空想本格推理」
2001/10/03 22:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:海路友 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かって、怪獣が跋扈し超兵器が活躍する映画を「空想特撮映画」と呼んだ。『ゲッベルスの贈り物』には、空想本格推理とでも言うべき懐かしさのようなものがある。
ビデオのみの露出ながら、爆発的な人気を誇るアイドル「ドミノ」。彼女を探し出すため、プロデューサーの「おれ」は街を奔走する。
一方、著名人を自殺に見せかけ殺害していく、殺し屋「わたし」。
二人の距離は少しづつ縮まっていく。やがて明らかとなる驚くべき「ゲッベルスの贈り物」の正体!
昨年徳間文庫より刊行され、(ごく一部にではあるが)話題となった『六色(りくしき)金神殺人事件』。その著者藤岡真が1993年に発表した長編ミステリー第一作が、この『ゲッベルスの贈り物』である(著者についてより詳しく知りたい方は、千街晶之氏による本書解説参照)。
一見、単純に見える物語。だがその実態は、蜘蛛の巣のように入り組んでいる。
「おれ」と「わたし」、それぞれの視点で語られる数々の事件。その中心にかいま見える「ドミノ」の存在。そして、「ゲッベルス」。
入念に張り巡らせた仕掛けは、巧妙かつ大胆。読者は「焦躁」のツボを小気味よく刺激され、ページをめくる手は止まらなくなる。
「全く思いもしなかった意外性」を求めるという著者の読書嗜好は、自作においてもきちんと実践されている。7年という沈黙があったものの、創作意欲は旺盛とのこと。藤岡真という作家。今後、要注目である。 (bk1ブックナビゲーター:海路友/ライター 2001.10.04)
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第二次世界大戦中に開発された最終兵器と謎のアイドル・ドミノ、そして殺し屋の「わたし」。この三つがどう交わるのか―が話の本筋なのですが、探偵役の藤岡が、話の邪魔にならない程度に笑わせてくれます。でも決して藤岡が情けないキャラと言うわけではないんです(と、私は思うんだけど)。しっかりした大人がちゃんと頭を使って、緊迫させておいて、落とす。これが楽しい。中盤に差し掛かってくるとなんとなく事件の全貌とオチが分かってくるのですが、エピローグが・・・!そうか、その手があったか、と悔しかったです。藤岡と鉄馬の友情は羨ましいですね〜。あんな風に好きな分野を持ち、それについて議論できるような友達に出会えること。いいなぁって思います。
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本屋の派手な広告に読んだものの…うーん、楽しかったような無茶苦茶すぎて面白くなかったような…まぁ、一気読みした事はしたので、楽しかったんでしょうけど…
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ハードボイルドかと思いきや、実は割とトンデモ系?なミステリ。それでも語り口の軽妙さもあってとても楽しめました。特に地の文の面白さでは文句なし。(20060915)
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最後のミスリードには完全にだまされた
取りあえず読者をミスリードさせる気が満々で
好き嫌い別れる小説
あと架空のCGアイドルなんていう設定もすでに現実になり(そしてすでに消えた)というのも時代を感じて趣深い
暇つぶしには上質、ハッピーエンドを愛する人に…
作者が広告代理店のせいか、若干二流映画の様でもある
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【紹介】謎のアイドル“ドミノ”を捜して、狂躁の夏に翻弄される羽目に陥ったプロデューサーの「おれ」。人気俳優や国際的数学者など、著名人を次々手にかけてゆく殺し屋の「わたし」。五里霧中の展開の果てに「おれ」と「わたし」が出会った時、『ゲッベルスの贈り物』に関する恐るべき真相が浮かび上がる―第十回小説新潮新人賞を受賞した鬼才による、アクロバティックな第一長編。―――――【感想】とても有名な作品ですね。なるほど、するする読めるのはいいですね。・・・・・・・・・・・まぁ、なんというんでしょうか、ミステリを沢山読んでる方から見れば、少し緊張感というか「ミステリらしさ」がないですね。途中でオチがわかっちゃいました。名探偵コナン読んでると分かっちゃうかも・・。そして謎がわかったとき私はハッキリ思いました!「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから何?」
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これまた初読の藤岡作品。確かにクッチャクチャで
壮大なスケールなストーリーなのに、何故か重くない。
ある意味シュールな世界観ですらある作品。
いや、面白かったけどね。
読み終えてみてミスディレクションにまんまとしてやられたり、
各所に配置された引っ掛けにむざむざと騙されました。
が...その感覚がミステリーの醍醐味でもあり、
なかなかにして痛快な作品でしたねー。
タイトルと物語のプロローグからは想像のつかない
展開とストーリー。すでにそこからして...騙されました(笑)。
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書店で見かけて衝動買い。帯にあなたは見破れるか?などと書いてあるものだから、半分犯人当てクイズを読んでいるような感覚でページをくった。読み終わって、先に引用したあらすじに既にトリックが仕掛けてあるのに気がつく。ただ残念ながら予想の範疇だったのがもったいない。見破れたのかと聞かれると全てではないので、いいえと答えるしかないが。最近ではCGを使っている画像を見ない日はないと言ってもいいだろう。作中では遠い未来のように書かれていたCGで作ったアイドルが実際デビューしている。そういった意味で、先見性という意味で、あとがきに作者が書いているように怪作である。
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結構評価がわかれるみたいですが・・自分はおもしろかったです。ストーリー上のミスリードが読み終えてみると結構ベタですが、それもまたよし。逆にベタすぎて「あえて」みんな気付かなかったりとかするんじゃないだろうか?と思ったり。
そのベタさが評価の分かれるところなんでしょうね。
ストーリーよりも「ひっかけ」メインみたいなところもあるし。
でもこの作者はもうちょっと評価されてもいいと思った。おもしろいと思うんだけどねえ・・・華があるか?っていうと・・まあアレだけどもw
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面白いわ、コレ。事件・謎・事件・謎…と、読者全くを飽きさせない。 読者は必ず、最低3つは騙される。 ラストでの「世界の入れ替わり」は、悔しさより爽快感が勝る。仕事の都合で、あんまりまとめて読めなかったのが残念。でもしっかり面白かったのが凄い。
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単純に面白かった。
というか、完全に騙された。
いい意味で(笑)
最後の1ページで「やられた~」と思う爽快さは好き。
自分はあまり深読みせずに、流れに任せて物語を楽しむタイプの読み方をするもので。
そういう方にはオススメの一冊と言ってもよいと思う。
すごく読みやすいのも好感が持てる。
だいぶ読者を選ぶタイプの小説であることは間違いないですが、自分は好きです。
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4
いくつもの仕掛けを巧みに配し、サスペンス、ハードボイルド、謀略小説等カメレオンの様に表情を変えながら勢い良く突っ走る。タイトルや冒頭の印象からあまり期待していなかったが、なかなか面白かった。仕掛けが多過ぎて雑然となった印象もあるが、最後に明かされる仕掛けが、事件とあまり関係のない小ネタなのに、完全にノーマークだったせいでやられた感はある。だが、あのタネ明かしのお陰で後味の良い結末になった。
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ゲッベルスの贈り物ってなんだろう?謎のアイドル、「ドミノ」を探す「おれ」と殺し屋の「わたし」は、どう関わってくるのか?
終戦時から現代へ、架空と現実と、すべてを網の目のように張り巡らせて進んでいく話。
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謎のアイドル「ドミノ」捜す話だったのにとんでもない方向へそれてしまいました。期待していたものとは違ったので、やや残念な気分でした。
ミスディレクションと伏線はテクニカルでしたが、仕掛けはそれほど目新しいものではありませんでした。
ただ、お話自体は面白いですし、「どうにかして読者を騙したい」という作者の意欲が感じられたので、そこは評価したいです。
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サスペンス。ミステリー。
主人公は、謎のアイドルを探すプロデューサーと殺し屋。
ゲッベルスの贈り物とは何なのか?
ユーモアがあり、安っぽい印象のサスペンスでした。