電子書籍
書かないことで生まれる世界
2020/02/27 22:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shiroyagi3 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実に松本清張らしい短編集。
松本清張の真骨頂は、あえてその全てを書かないことだと思う。たとえば「鬼畜」では、一貫して主人公の視点から事件が描かれるものの、警察が真相を突き止めた後のことは書かれていない。それが読者の想像力を掻き立て、松本清張の世界をより豊かにする。
時代が変わっても変わらない面白さ。
投稿元:
レビューを見る
短編集です。松本清張さんの作品は初めて読みました。もう本当に熟考された推理小説だと思います。最後には必ず納得させられます。特にそう思ったのは、「一年半待て」でした。最後のオチの印象強さに感服。
投稿元:
レビューを見る
表題の「張り込み」を含む全8編を収録した短編集。私のお気に入りは「地方紙を買う女」だ。
甲信新聞の購読を申し込んだ一人の女性。この新聞に小説を連載している作家の存在。そして、臨雲峡の山林で発見された男女の腐爛死体・・・。これら一つ一つの点が、ふとしたことをキッカケに一本の線に繋がっていく。作者の用意周到な伏線の敷き方に、ぐいぐい引き込まれてしまう。ラストが遺書で締めくくられているのも巧みな演出といえよう。他の作品は好き嫌いがあるので、全体としては星3つ。
投稿元:
レビューを見る
松本清張氏の作品は短編の方が好きです。無駄がなくシンプルなのに、読むたびに違った見方ができて。さらに自分の想像で膨らませていくのも楽しい。ミステリだからトリックがある。社会派といわれるだけに当時の世相も反映されてる。だけどこの方の本当の魅力は行間を読ませる文章力だと思います。「一年半待て」のラストも、「顔」の二転三転する状況も、大筋では同じことを書いても、同じだけのインパクトを与える表現の仕方ができる作家さんはいないでしょう。
投稿元:
レビューを見る
面白い。
およそ45年ほど前に書かれた小説。時代は感じさせるものの、人間の悲しさ・体制的なものに対する熱い思い等など、さまざまなエッセンスが入ってる。
今は亡き松本清張氏が現代の推理小説を書いたら、どんな風になるんだろ?
投稿元:
レビューを見る
映画を先に見ました。
これだけの短編を2時間に引き伸ばすのは無理がありました。
それなのに何度もドラマ化されているというのはすごいです。
投稿元:
レビューを見る
今年は清張生誕100年なので30数年ぶりに新潮文庫の傑作短編集を読み返えしている。
張込み 顔 声 地方紙を買う女 鬼畜 一年半待て 投影 カルネアデスの船板
2009年10月18日比叡山延暦寺に行く。その日は疲れたので夜の読書はせず、翌日19日夜に「顔」を読んでいたら「顔」の殺害予定現場が偶然、延暦寺東塔から西塔には驚愕。
投稿元:
レビューを見る
一年半待てまで一気に読みました。
短編だけどどれも読み応えがあって面白い。
で、どれも松本清張作品の代表作
タイトルは知っているのばかり。
松本清張作品は裏切らないですね。
投稿元:
レビューを見る
8編短編集。
表題作の「張込み」から順に、「顔」「声」「地方紙を買う女」「鬼畜」「一年半待て」「投影」「カルネアデスの舟板」
投稿元:
レビューを見る
トリックよりも犯罪を犯す心理の描写に重きを置いた短編集。
表題作の「張込み」は犯人ではなく、犯人のかつての恋人で今は後妻に入っている女性を張り込む刑事の姿が描かれている。
犯罪現場があるわけでなし、大層な逃亡劇があるわけでなし、一見平坦な話のように思わせて、その実濃密な物語になっている。
その他、「鬼畜」に描かれた男の情けなさ、「1年半待て」の女の強かさが印象に残った。
時代を超えてなお、良作だと思う。
投稿元:
レビューを見る
松本清張の推理小説は安心して読める。
推理小説というかミステリ?
表題作はあっさり終わって微妙…
「顔」はやっぱり良い。
「声」と「地方紙を買う女」も設定がよくできてて好き。
投稿元:
レビューを見る
推理小説と呼ぶには文学的だが文学というにはあんまり面白い。入門演習のテキストとして買ったけれど、ほかの本も読んでみたいと思った!一つ一つ面白いんだがタイトルのつけ方が微妙かな…タイトル聴いて内容がぱっと思い出せるのは「一年半待て」くらい…私の記憶力が悪いだけか知らん…orz
投稿元:
レビューを見る
十数年ぶりの再読。短編だが名作ばかり。読んでいて胸が締め付けられるような息苦しさがあって、時々読みたいと思っても読後感を考えるとつい後回しにしてしまっていた。でもそれはもったいないことだったと思う。表題作の「張込み」が特に私には印象深い。
投稿元:
レビューを見る
この中の『声』は、随分前にテレビで見たこともあったが、改めて読むと思い出す。国電というの懐かしいなとか、電話交換手は若い人わかるのかしらなど、昭和の好きな時を思い出した。
清張は、本当短編も素晴らしいからいつ読んでも楽しい。
投稿元:
レビューを見る
再読了。名作『張り込み』と『鬼畜』を収録。
社会派推理といわれた松本清張作品だが、全短編に共通するのはどちらかというと男女のドロドロした愛憎劇。