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紙の本

昭和30年代、貸本屋がどの街にもあった。貸本屋にしか置かれなかったB級娯楽小説の爆笑ワールド。

2001/11/13 18:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:花田紀凱 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 そういえば昭和30年代の半ば、たしかに貸本屋というものがあった。実際にそこで本を借りたという記憶はないけれど、よく街で看板を見かけた。
 城戸禮、宮本幹也、陣出達朗、風巻紘一、竹森一男、鳴山草平、三橋一夫、なぜか彼らの名前は全部知っているけれど、彼らの作品は一度も読んだことがない。
 城戸禮は自分たちの小説、いわゆる“貸本小説”についてこう語っている。
「楽しんで、あとは忘れてぐっすり眠ってもらう」
 人間性を高めるとか、教養とかとは無縁な小説だから、読者を楽しませるためならなんでもあり、それが貸本小説だ、と。

 その書き手である“貸本作家”は文壇からは無視され、大手出版社からは相手にされず、しかし、一方で大衆の心をがっちり掴んでいた。彼らはどんな経歴の人物で、彼らの小説はどんな内容なのか。

 多くは焼却処分にされたそれらの小説を丹念に収集し、読み込み、末永さんはこの本で「ウラ大衆文学の仰天ワールド」(帯より)を垣間見せてくれる。

 たとえば宮本幹也の『シスター君とブラザー娘』はこんなストーリー。

 主人公トンコこと刀山屯光は渋谷の待合で女の子として育てられた。そのトンコが男装の麗人に恋をしたが、その正体を知って“同性愛”に悩む。
 男と女が入れ替って起こるありとあらゆる不都合が次々と描かれ、最後は男と女に戻って二重橋の前でハダカで抱き合う。
〈「アダムとイヴ」 これ以上の美しい結婚式場、広大な清々しい結婚式場が他にあろうか。〉
 そこへ皇宮警察のオートバイがやってきて二人は逮捕されてしまう。
〈「僕らは神聖だぞ! 不潔だと思うのは君らだけじゃないかッ!」
 留置場の中でもトンコはそう言って叫んでいた〉

 一冊読まされるのはちょっと辛いかもしれない。
 貸本小説風の造本、紙も時間が経つと貸本そっくりに変色する紙を選んでいるという、末永さんの思いのあふれた本である。
 ついでだが帯の「全読書人、必読。」はぼくなら「全読書人、末読!」にする。 (bk1ブックナビゲーター:花田紀凱/「編集会議」「映画館へ!」編集長 2001.11.14)

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