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紙の本
またまたやってくれました♪
2002/07/31 01:54
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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「煙か土か食い物」があまりにも衝撃的だった、舞城作品。期
待と不安でドキドキの2作目に挑戦です♪
お話は、前作で語られた「連続主婦殴打生き埋め事件」の直後から、
今回の主人公は奈津川家の三男である三郎が主人公です。奈津川家
の中では中途半端なポジションであるからこそ、語ることの出来る
これまでの奈津川家と、またもや起こる怪しげな事件。マネキンを
黙々と埋め続ける自傷癖のある美少女と、ただただ残虐にいたぶら
れた死体達。そして行方不明になってしまう奈津川家の唯一の救い
の母。例によって事件はてんこ盛りなのですが、その投げ出し方も
また舞城流(笑)。はっきり言って、これ舞城作品じゃなかったら、
怒るかもしれませんよ(笑)!
前作がものすごい豪速球のストレートとすれば、今回はものすごい
変化球で来ましたね…。もちろんテイストは「どこを切っても舞城
王太郎」なんですが、う〜ん、こう言う風な作品が来るとは思って
も見ませんでした。作品全体を通して語られている事件の犯人が、
あんな風に出てきて、しかもあんな風にあっさりとね…(笑)。しか
もラストの展開があんなだとは、一体読者の誰が想像したのでしょ
うか?いや、誰もしない(もちろん、反語(笑))これは、前作とは
違う意味で好き嫌いが激しそうな作品ですな…。いったいなんと書
いたらいいものやら、本当に困った作家です、舞城王太郎め(笑)!
しかしこれでシリーズが終わったら、ものすごく消化不良。ここは
ひとつ、一郎編、二郎編、そして丸雄編なんかも、どんどん書き継
いでいってもらって、ライフワークにしていただくことを、強く希
望します!
紙の本
えええ???
2002/05/10 23:41
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投稿者:琴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
≪注意≫この作品は、氏の前作「煙か土か食い物」を読んでいないと意味のわからないないようです。くれぐれもそちらを読んでからお読みください。
さて…。
相変わらず奈津川家はすごい…。相変わらずのこの文体! すごい嵌っちゃいます! 割合長い話ですが長さの分の読み応えはあり! 講談社ノベルスですが、エンターテイメントの枠を超え、まさにノンジャンルという感覚で読めました!
しかし、ミステリじたいはどうかというと謎が多い。不可解な犯罪が混ざり合い、記述もどこまでも真実でどこまでが嘘なのかよく分からない…。物凄く混乱。シリーズ物みたいなので、この次どうなるのかが気になります。はやくすっきりさせて欲しい…。
それから登場人物の四郎が、この作品で客観視されるため、「煙か土か食い物」の時とはちょっと印象が変わってる気がする。人間的に成長した?
紙の本
少し馴れた
2001/12/05 14:40
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投稿者:らいと - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者独特の語り口が突出。
主人公の行動の過激さ、事件の真相の突飛さにそれが相乗するというより、おしのけて前面に出てしまったという感じ。内容は二の次、文章のテンションが切れでもしたら、そっちのほうが事件。
だから遮られて登場人物の誰一人にも共感も感情移入もなかった。ぐんぐんと読み進るだけ。最後主人公が突拍子もない事態にカタルシスを得ているのにも、一分たりとも理解できなかった。
紙の本
またしても地獄をみるのか、奈津川家
2001/09/29 12:56
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投稿者:YASU - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作に続き、奈津川ファミリー・サーガ。
今回は三郎デュビデュバ(Sub-Low Dubi-Duba)ストーリーである。作家でありながらも、自分を「使えない作家」「物語たちから見捨てられた作家」と自覚。四郎には、「生きてる価値なし」と本を投げ捨てられ踏みつけられ引き裂かれ、さんざんである。
端で見ている分には、さほど他の兄弟達とも大差なく相当あれもこれも充分にやりたい放題な様な気がする。作家でもあり、塾も経営し、ラフマニノフだって自力で立派に弾けてしまう。これでも奈津川一家の中では一番のアホ、「価値無し男」になってしまうとは、ちょっと悲惨である。
そんな三郎が四郎に叱咤され挑むのは、またしても連続で起きた変死体事件。四郎に愛の鉄拳をあび、偶然に出会い救うことになった少女にぼろくそな愛され方をされながらも、どうにかこうにか三郎は事件の真相に迫っていくが……。
しかし、三郎というのはこんなにナイーブだったのだろうか? 加えて四郎も、こんな変わり方をするとは、三郎でなくてもちょっとびっくりさせられる。だが振り返ってみれば、四郎は前作の最後でそうすると決意していたのだった。決めたからにはやるというのが四郎なら、それ程驚くことではないのかもしれない。
さて、最後の場面では色々なプランが登場するが、三郎に訪れたカタルシスの物語は果たして真実を伝えているのだろうか? 言いたい真実を嘘の言葉で飾り、作り物をもってして泣き笑い苦しむことの出来る物語。その答えはたぶん次作にて知ることになるのだろう。
紙の本
サ、サブロー!?
2001/12/30 16:48
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投稿者:sayu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「サブロー存在感ないよねー」「名前がいけないよなー」「そうそう、他の兄弟は名前にもイメージがあるよねー」「サブローってなぁ、アハハハハハハ」。前作読後、我家で交わされた会話である。なのに今度はサブローが主人公!? マジで!? 舞城王太郎は末恐ろしい。
紙の本
『煙か土か食い物』の続編。驚愕のラストに注目
2001/11/06 22:16
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投稿者:海路友 - この投稿者のレビュー一覧を見る
憎めない人というのがいる。舞城王太郎の新作『暗闇の中で子供』は、憎めない本だ。
前作『煙か土か食い物』で描かれた、福井県西暁町を恐怖のどん底に叩きこんだ連続主婦殴打生き埋め事件。解決したかに見えたその事件は、まだ終わっていなかった。
マネキン人形を埋める少女、土中より発見される切断足首。
奈津川家の三男三郎は、虚ろな毎日を送りつつも、否応なく事件の渦中へと巻き込まれていく。
事件も盛り沢山だ。腹を切り開き中に札束を詰め込む猟奇事件。死体も盛り沢山。輪切り死体に串刺し死体に墜落死体。
屋敷の中に現われる顔のない幽霊。ついに現われた河路夏朗!!
さあ、どうする三郎。
第19回メフィスト賞を受賞した『煙か土か食い物』でデビューした舞城王太郎の最新作である。
続発する怪事件、そして奈津川家血みどろの闘い。地獄のごとき世界観は健在だ。
本作の主人公は前作の四郎に代わり、兄三郎が務める。
奈津川四兄弟の中でも、もっとも影の薄い三郎。彼を主人公としたことで、物語は前作とはまったく違った方向へと迷走していく。
四郎に罵倒され、「無価値」のレッテルを貼られ、幽霊に怯え、十三歳の少女に困惑する三郎。彼が迎える驚愕のラストとは。
怒濤の疾走感を抑制させながらも、まったく次元の違う扉を開いてみせる舞城王太郎。
たしかに、ええ? と思わず声をあげたくなる箇所多数。でも、憎めないから言ってしまおう。本作はやはり、期待していた通りの傑作だ。
蛇足ながら、本編中、前作『煙か土か食い物』の真相に触れている部分がある。できることなら、順番に読むことをお勧めする。
もっとも読む順番なんて、作品の持つパワーの前には些細なことかもしれないが。 (bk1ブックナビゲーター:海路友/ライター)