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「珍しい果物」のような不思議な味わいの物語。中国の「志怪」「伝奇」は、
こんなにも愉快だった。エッセイと漫画で編む中国古典文学珠玉集。
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「珍しい果物」のような不思議な味わいの物語。中国の「志怪」「伝奇」は、こんなにも愉快だった。エッセイと漫画で編む中国古典文学珠玉集。
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南伸坊氏による中国古典に題材をとったマンガとエッセイ。冒頭にある、李白が水中の月に昇っていく下りが美しい。
中国のひとびとの生み出したファンタジーがなかなか面白い。
北斗七星が豚だったり、不思議な蝶が脇腹に触れただけで絶命したり。
あるいは豚が女に化身して夜に懸想した男の元を訪れたり、変な顔を落書きされた壺が夜な夜な現れたり。
なにぶん古い物語が多いので、筋が破綻していたり、落ちらしい落ちがないのも含まれているのはご愛敬というべきだろう。
グリム童話にも、初期のものはこういった落ち着きのないものが散見するのだし。
個人的には南氏が原典不明とした「巨きな蛤」がとても気になる。
蛤から出てきた剣を携えて、「大きな蛤を開けたら中から剣が出てきて」というだけで、それを聴いた人の首がぽろりと落ちるのである。
デスノートなんか眼ではない速攻ぶりである。
南氏は椿の花の落ちるように首が落ちるさまを描いておられるが、実際は胴からも頭からも血が吹き出て大変なさまだったろうに…。などと想像するのも面白い。
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南伸坊さんは天才だ!耳中人の最後の狂ってしまった人の絵は特に!話では巨きな蛤が一番気になる。首がポロリととれたとこ。
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『落頭民』の娘さんの微妙なエロティシズムとか、他のが大変素晴らしい。
あとワクワクの国の何とか(紅海説もあり)と花魄をくっつけるかっこいい演出もにくい。
なんか好き。
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「仙人の壺」の続編。李白の話は一つだけ。テイストはそのままで、相変わらずシュールな話と解説が極上の愉しみを与えてくれる。南伸坊さんて、本当に絵が上手い、味がある。まさしくへんてこりんな中国の話にぴったりという感じだ。表紙の陶器もうーんいいねえ。
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2020.10.17市立図書館
ツイッター企画「このちくま文庫が好き総選挙」であがっていて気になったので借りてみた。「聊斎志異」「中国奇談集」などによる古代中国の摩訶ふしぎなお話を南伸坊がゆる〜いマンガに翻訳+各編にそのお話をめぐるエッセイがついている。「蛇足」と称されているが、この文章が味わい深くおもしろすぎる(むしろ真打ちか)。とりわけ、付喪神のこととか顔と人格の話とか…。
姉妹作「仙人の壺」は昔読んだかもしれない。
このマガジンハウス版も、ちくま文庫の方も手に入らないのは残念至極。
そして、芋づる式に森銃三『物いふ小箱』や小泉八雲『十六桜』などが読みたくなった。