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痩せようと思ってもどうしてももりもり食べてしまったり、
貯金しようと思ってもついつい浪費してしまったり、人間
とはかくも弱い生き物か…と落ち込むこともしばしばなの
ですが。
遺伝子レベルでそれが盛り込まれているとしたら…そうな
らないように対策を打つことは可能である。
人間はなぜ誘惑に負けてしまうのか、解明してくれる本に
なっている。
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2011年の本、28冊目。
世の中の様々な抗えないもの、金銭欲、食欲、性欲、などを、
遺伝子の観点から考えてみましょうよ、という、
竹内久美子の、アメリカ人版、といったところ。
とりたてて目新しい発見はないけど、
(まあそれだけ竹内久美子を読んでるってことだと思うけど)
言い回しとか、例えとか、
ただ解説するだけではなくその解決法を必ず書いてるとことか、
いかにもアメリカ人といった感じで面白かった。
(まあ…解決法が実現可能かどうかは一旦別にして)
最近の話題とあわせて読むと面白いところがあったので、
ちょっと抜粋。
「すべての動物は、自分の遺伝子を首尾よく子どもに受け継がせることをめざし、そのために役に立つ相手と交尾しようとする。動物が“魅力的”と感じるのは、この繁殖の戦いに役立つ資質であり、人間の女性は高い地位を持つ男性の力にあやかることで、自身の利益を追求しようとする。」
地位に固執する人と、
自分がその地位になりたくて、ワイワイ言う人と、
マスコミ内での自らの地位をあげたくて、そんな政局をワイワイ言う人、
最近やたら目についてなんだかイヤんなっちゃうよね。
…と、↑ こんな風に偉い人を批評することで、
相対的に自分の地位を向上させたい誰かさんも、
みんなみんな女にモテたいんだよね!ははーん、男ってあはれ。
「女性は男性の地位に価値をおくのと同じ理由で、男性の富を重視する。 (中略) こうした女性の嗜好は結婚に関するデータに反映されている。富を得るには時間が必要であり、ために男性の魅力は年齢とともに増すことになる。二十世紀におけるアメリカ人の平均的な夫婦は、夫が妻より3歳年長であり、十七世紀のオランダでも状況は全く同じだ。」
これに加えて、男は男のほうで、
自分の子どもを産んでもらうために
若くて健康な女を選びたがるのが、遺伝子の力ってやつで、
かくして、ロリコンが世にあふれ、援交は決してなくならず、
島耕作は大町さんと寝るわけでありますよ。
今年で26歳になる誰かさんに彼女ができない理由を、
地位も富もないということに求めるならば、
3歳年下の新入社員が入ってくる今年から、
先輩風を吹かせたり、入ったばかりのボーナスを使ったりすることで、
チャンスが生まれるんじゃない?!いよいよ!?
…なーんて思ったところで、今の部署に新入社員は入ってこず、
震災の影響で東北の人事が凍結して次部署に行くこともできず、
今日も今日とてぢつとてをみるわけですよ。ははーん、岩手の男ってあはれ。
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進化によって獲得してきた性質の中には、「現代」の人間には不利なものも多く含まれる。たとえば、食べ物の取得が難しい環境の中に長年いるうえで、できるだけ高カロリーの食事を詰め込み、脂肪を蓄えるのは、生き残る上では有利であった。このような視点で、人間の行動の多くを解説する。
生物学者と経済学者の書いたものとしては、とてもわかりやすく、読みやすい。軽く読めてしまうので、この手の本をさらっと読みたい人にはうってつけかもしれない。また、トピックスは身近でわかりやすい物ながら、裏付ける根拠をきちんと示しているし、影響についても、細かい説明がある。
ただ、新しい内容はほとんど無かった。筆者は、リチャード・ドーキンス(「利己的な遺伝子」の作者)に傾倒しているようだが、理論の中で、ドーキンスが示した事象を超えるところが見られない。また、引用されている心理学実験についても、さまざまな本で引用されているもので、新鮮味はなかった。
特に、アドバイスが陳腐すぎる。食欲を抑えるためには、パーティの前に前もって何か食べていくこと、機内食のブラウニーには、マヨネーズをかけて食欲を減退させること、など、ひねりが無い。結局のところ意志だけで立ち向かうことは難しいのだから、意志で戦わなくてもいいようにする知恵が必要ということなのだろうが、こんなアドバイスなら、無いほうが良かったのでは・・・などと思ってしまった。
でも、簡単に読めて、面白い本だったので、遺伝子に興味が少しある人は、読んでみても良いと思う。
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ドーキンスの利己的な遺伝子のパロディ版かとおもったらとてもちゃんとした遺伝子による行動心理学の本でした。おおくはすでに話題になっている内容ですが、全体を概観するにはいい本だと思いました。
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分かりやすく、特に他の生物の紹介、対比は興味深かった。副題であおる欲望は、アメリカらしい。自分自身、あるいは日本人とは違うこともまた、進化と文化の道筋が違って面白い。生物の進化のスピードと人類の文化発達のスピードとのスケールが違いすぎることがギャップを生じさせてる。人間はこの先どんな進化をたどるのか、みてみたい。
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人が原始人を10万年もやっていたのに、現代人はせいぜい200年ぐらいしかやってない、だから体の一部である脳も実は原始人のスペックで現代を生きていて そのゆえ現代社会に合わない(原始時代には十分合理的な)行動を取ってしまう ということを例を交えながら説明
・人がダイエットできないのは、原始時代は食べ物がすぐ腐って貯蔵できないから 目の前にあるものはすぐ食べて脂肪として体に蓄えることが合理的だった
・お金を散財してしまうの同じ理由 目の前から消えてしまう前に使ってしまうのが合理的だった原始時代の行動原理を現代人が引きずっているから
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遺伝子(生物進化)の観点から人間の行動や欲望について解説。肥満が飢餓を予防するという理由で遺伝子としては「正しい」行動であることなど、興味深い内容が多い。具体的な対策も提案されている。
欲望には限りがないという動物としての本能は、人口問題や環境問題などの根本原因といえるだろう。「足るを知る」との教えは、遺伝子や神経伝達物質の働きの観点からも正しいと言えそうだ。
肥満
・事前に何を食べるかを決めること。何を食べたかを記録すること。
ドラッグ
・ドーパミンは強烈な快感をもたらすが、すぐに消えてしまうため、同じ行為を繰り返したくなる。カフェインやコカイン、抗うつ剤は、ドーパミンやセロトニンの再取り込みをブロックすることで、高い濃度を維持させる。
・エンドルフィンは、全身からの痛みのメッセージをブロックしてストレスを和らげる。麻酔薬やヘロインは、エンドルフィンを模倣したもの。
・ニコチンはアセチルコリンの模倣をして、アドレナリンを放出し、ドーパミンを大量に放出する。
・アルコールは、興奮性神経伝達物質のレセプターをブロックしてリラックスさせ、ドーパミンの再取り込みを妨げて幸せな気分をもたらし、エンドルフィンの放出を促進して痛みを和らげ、セロトニンのレセプターに作用して気分を明るくさせる。
リスク
・危険な行動はドーパミンの報奨システムを刺激する。このシステムに不全のある人は、極端な行動に走りたがり、危険な行為、リスクの高い行動、辛い食べ物を好む。
欲望
・人間の本能は過去の成果によらず、つねに最大限の努力を求める。欲望は小さくして幸せを味わう。大きな仕事を消化可能な仕事量に分けて、小さな目標を達成し続ける。不幸や逆境の直後は大きな決断をせず、時間が経って落ち着くのを待つ。他人には過大な期待を与えず、控えめに伝える。
・幸福感を得られるのは目標達成であり、怠惰ではない。大きな幸福を感じるのは、自分の技術をフルに生かしながら、達成可能な目標に向けて邁進しているとき。
性
・性的二型が大きい種ほど、小さい方の性が子育てを担う割合が大きい。
・テストステロンは寿命を短くする効果がある。
美しさ
・人間は自分と異なる免疫システム(MHC、HLA)を持つ相手に強く惹かれる。元気で健康な子供が生まれやすい。
浮気
・人間の精子の99%は、別の男性の精子を攻撃したり、子宮に近付くのを阻むブロッカーとして機能する。カップルがしばらく離れた後は、ブロッカーの役目をする精子の割合は高くなる。
・離婚の原因となるのは、生殖能力(子供の有無)、貞操(浮気)、金銭、セックスの4つ。
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言い訳にしちゃいけないしそういう下品な本ではないんだけど「私がダメな理由は私のせいじゃありませんから」という私の背中を賢い人が支えてくれてるような。とにかくこういう本好き。