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みんなのレビュー25件

みんなの評価4.2

評価内訳

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紙の本

疾風怒濤の展開

2002/03/28 19:40

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:死せる詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 レンズマン、とな。噂を聞くにSF——ことスペースオペラ——の古典として非常に強い影響力を持った作品らしいではないか。
 ふむ、書店で見てみると帯には「スペースオペラの金字塔」などと大仰なコピーが打たれているではないか。あたしゃSFについては門前の小僧なんで、詳しくは無い。でもそんなに凄い作品なら僕の様な末端のSFファンでも耳にしていても良さそうなものだ。にもかかわらず僕が知らなかったってことは、古きを愛するSFファンが衰退著しいSFの捲土重来を計って、大げさなに喧伝しているだけに違いない、などと思いながら読む本もないので手に取ってみた。

 確かに、もう3、40年も前の小説である。新訳になったとはいえど大時代的な表現やガジェット(正直に言うとレンズマンという単語もダサいと思う)が多いので「未来的なセンスオブワンダ」に溢れた作品ではないかもしれない。

 しかしながら、なかなかどうして面白いじゃないか。何故か?

 疾風怒濤の展開、息もつかせぬイベントの嵐、ページをめくったらもう別の惑星にいたりする。確かにスペースオペラの金字塔であるかもしれない、しかしこの作品はそれ以前に偉大な冒険小説なのだ。文武両道のヒーロー、狡猾で慎重な敵、未知の惑星、計り知れない超知的生物、次々に登場する新技術。ふむこれだけの作品が40年前にあったという事実は全く驚愕に値する。スカッと一発ホームランの様な気持ちいい物語を楽しみたいならオススメである。

 光速よりも早く移動している宇宙船がおかしい? エーテルなんて当の昔に否定されている? 君はハードSFを読みたいのか? 帯にスペースオペラと書いていなかったか? 些末な事は気にするな、面白い冒険小説があるんだぜ。黙って読めよ。

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