紙の本
愛のひだりがわには何がある?
2002/04/17 10:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さとか - この投稿者のレビュー一覧を見る
あなたがもし12歳の女の子で,無一文で,しかも片手が不自由な状態で,恐ろしく治安の悪い世界にひとりで放り出されたらどうするだろうか?
この物語の主人公,月岡愛はそんな困難な状況にくじけることなく立ち向かってゆく賢い女の子。父を探す旅の道中,いろんな人物と遭遇する。
ロリータ野郎に暴走族,悪徳業者に暴力男…。こういう輩と渡り合いながらも,主人公は強く生きてゆく。
その生き残りをかけた闘いの部分が素晴らしく面白い。つぎはどうなるんだろう…?と思いながら一気に読み終えた。
途中,素晴らしい人物たちとの出会いや悲しみ。
決してあきらめない強い意志と,物語を通して主人公が学ぶ優しさに胸が熱くなった。
物語のベースに,つねに「強く生きろ」というメッセージが込められてて,読んでいる間ずっと励まされているような気がした。
とにかく面白いです。読み終ったあと元気になります。
ぜひ一度読んでみてください。
投稿元:
レビューを見る
荒廃した世界を過酷な中にも楽天的に歩き始めた少女が、善意と好意と残酷さの中で現実を知りつつ成長する物語。荒唐無稽な状況設定の中、最後まで引き付けて離さない物語の力に感服。最後の一行に、少女時代に決別することで失うものの大きさを知り、泣けた。子供が読むべきか迷うジュブナイル小説。
投稿元:
レビューを見る
左手の不自由な少女が父親探しに一人で旅に出る。その左側にはいつも少女「愛」を守るものがいた。犬だったり、人だったり。ちょっと過激な暴力シーンが気になったが、劇画風に一気に読める。筒井康隆著。
投稿元:
レビューを見る
筒井康隆作品って何気にこれしか読んだことないような気がします。不思議なお話で、途中社会の陰の部分なども出てきますが、全体を通してあたたかい雰囲気漂う作品だと思います。
投稿元:
レビューを見る
犬と会話が出来る少女愛の左手は動かない。しかしいつも誰かがその左側に沿ってくれる。旅を通して少女は大人になっていく。
投稿元:
レビューを見る
いい。よしよし。好き好き。近未来?大人になると、空色の髪が黒くなり、犬と会話が出来なくなる、というのがせつない。
投稿元:
レビューを見る
09/06/10
筒井康隆のジュベナイルは一味違う。
自然な感じで始まって、現実とはちょっと
違った世界を描き出す。
純粋さが失われていく中で超能力的な
力が失われていくようなありがちな展開も
あるが、話の中に一本貫かれた「やさしさ」も
感じられる。
投稿元:
レビューを見る
犬の言葉がわかる愛の、大人になるまでのお話。
愛を取り囲む人たちは、親族以外は最高に楽しくていい人たち。東京で落ち着いた店の人たちが、嫌な人たちだったらどうしようってドキドキしたけど、そこの人たちも、そこそこいい人たちでよかった。
それにしても、じーちゃん達超かっこいい! 愛のために皆で会社のっとりするとこなんて、めっちゃ楽しかった!
それでも、最後は胸にじんわり・・・。
普段の筒井節とはちょっと違うと思うのですが(きいにとっての筒井節は「オレに関する噂」とか「日本以外全部沈没」とか)ちょっと切なくて暖かくなるお話です。
わりとさらっと読める~~。
投稿元:
レビューを見る
すごく久しぶりに筒井康隆さんの作品を読んだ。
こんな感じだったかなぁ。
主人公の愛ちゃんの不思議な能力と、冒険の物語。
こんなに強くないので、決して出来ないと思いますが、
たくさんの人に支えられ、助けられて、進んで行きます。
自分で考えて、自分で決める。見習いたいですね。
ラストシーンは、不思議な能力の喪失がたんたんと
語られていて、自分にはしっくりくるような、こないような
感じです。
投稿元:
レビューを見る
ぽろぽろ泣いた。やさしい気持ちになれた。
短編は食事中には読めないほどのグロさなのにたまに出すコレ系は何だ。
このギャップがまた好き。
投稿元:
レビューを見る
本の帯には以下のあらすじが書いてある。
「幼いとき犬にかまれて片腕が不自由な小学六年生の少女、月岡愛。母を亡くして居場所を失った愛は、仲よしの大型犬を連れ、行方不明の父をさがす旅に出た。思いがけない事件につぎつぎとまきこまれながらも、少女は危機をのりこえてゆく。(以下略)」
児童文学ゆえのひらがなの多さや、昔ながらの言葉使い、地の文が小学生向けの?言葉で書かれているので、最初は読みにくかった。
でも次第に引き込まれていった。
愛ちゃんはすごいなあ。
たくましい。
最後の犬と話せなくなる場面は悲しい。
投稿元:
レビューを見る
微妙…
ラストはえ〜⁈って思った。
児童文学の内容にしてはちょっと黒すぎて子供には読ませたくないなぁ。
投稿元:
レビューを見る
犬と話ができる愛は、父親を探して旅に出る。ジュブナイルですが、最後の最後に筒井ワールドだな、って感じさせられた。キレイなことばかり言ってない、人生には楽しいものと同じくらい汚くてつらいこともある。けれどくじけずに前向いて歩こうよ。うまくいけばいいしうまくいかなくても人生。大人になるって寂しいことでもあるよね
投稿元:
レビューを見る
2021/1/11読了 星★★★3.3
筒井さんの作品にしては、エロもグロもなく少し物足りない位だったけど、話は回りくどいところが無く読みやすかった。
amazonの商品説明によると、【本書は、SFやブラックユーモアなど幅広いジャンルにわたる筒井作品の中で、『時をかける少女』や『わたしのグランパ』などの少年少女小説に分類される】だそう。
だからエログロ無いのか…でも『私のグランパ』は結構エロもあった気がするけど。
投稿元:
レビューを見る
タイトルそのまま、ヒロインの左側にはガーディアンが付き従う。
帯カバーに「マジック・リアリズムで描く、愛の冒険」とある。イヌ語を解するヒロイン、空色の髪のボーイフレンドがマジックなのか。
『伊豆の踊子』のように、何度となく映像化される『時をかける少女』より、ジュブナイルとして上だと感じた。
ただ、82頁2行目「サトルや自警団が追ってはこないと、安心していたのかもしれない」は間違いであろう。サトルはガーディアン側だ。