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紙の本
便利だけれど同じくらい不便なインターネット?!
2002/03/15 20:47
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投稿者:よしたか - この投稿者のレビュー一覧を見る
インターネットを使って調べものをする機会も増えてきた。とくに仕事で使うようになった。確かに便利だと思う。しかし、それと同じくらいにイライラさせられることも多くなった。インターネットを使うようになってできたプラスとマイナスを足したら、けっきょくゼロになってしまうんじゃないか、と思うくらいだ。同じように考えている人はたくさんいるのではないか。そんなことを考えていたときに、本書が刊行された。
著者は書誌学にも造詣が深い。インターネットとパソコンにも興味を持っている。特筆すべきなのは、ふつうのユーザーと違って、ライティングマシーンとしてのパソコンや、創作物の発表の場としてのインターネット、そして、DTPなど、出版の道具としてのパソコンなどに感心をもっていることだ。いわば、「超」文系ユーザーの立場から、パソコンを考えている人だ。意外とこういう人は少ないし、パソコン雑誌に取り上げられることも少ない。だから、本書のような本は貴重なものとなる。
著者は言う。これからは、小説のようなものは紙で、辞書のようなものはパソコンで、と分化するだろう、と言われている。けれども、紙の辞書はなくなることはないだろう、と。これを読んで目からウロコが落ちたような気がした。
じつは、自分も辞書・辞典はパソコンでやるようになるだろう、と思っていたし、人にも言っていたし、じっさいに百科事典や英語辞典をパソコンで使っていた。しかし、ときどき英和辞典や現代用語の基礎知識を調べたりするときは、紙のほうを使っていたのだ。言動が一致してなかった。著者から、それをはっきりと指摘されたような気がした。
著者も言っているように、マイナーな辞典によっては、デジタル化されていないのもあるし、オンライン辞書というのは貧弱なものが多い。現代用語の基礎知識なんかは、テーマごとにまとめられているから、キーワードでページを探りあてたら、その周辺を読むことも多い。まだまだ紙は便利なのだ。
それに英語の辞書なんかを使って感じることだが、くわしすぎるか、簡単すぎるかの極端な辞書が多いようだ。とくにくわしすぎる辞書は、スクロールで読むのはとても不便さを感じてしまう。紙のほうだと一覧性にすぐれているので、文字量が多くても、それほどストレスを感じないのだ。
おまけに日本語の表記はあいまいなものが多い。かなり有名なネット書店でも、村上龍が村上竜だったりして検索に引っかからないこともあった。
インターネットの本を読んで、こんなことを言うのも変な話かもしれないが、本書を読んで、あんまりインターネットやパソコンで全部やろうとしないで、まだまだ紙メディアと両方を上手く使っていこう、と考えればよいのだ、と少し肩の荷がおりたような気がする。
本書は、インターネットと紙メディアをバランスよく使っていこう、と教えてくれているのだ。インターネットやパソコンがいまひとつ知的生産に結びつかない、と悩んでいる人にはオススメだ。
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