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紙の本

奇想小説といっても、山田風太郎や椎名誠のそれとは明らかに違う。不条理が生み出す、躊躇いがちな微苦笑、そうとしかいいようのない北野ワールド、不思議な火星開発の世界にようこそ

2004/08/16 21:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「火星開発のために考えだされたのは、アメフラシに人間の記憶を移植することだった」奇想小説。

連作小説で、じつは要約することが殆ど意味をなさない、不思議なという言葉がピッタリの小説である。全てを読み終わっても、浮かび上がるのは、緩やかな連帯とでも表現するしかない朧気な世界像。それは『かめくん』にもいえる、断言を躊躇わせる奇妙な世界である。

火星を開発するには、先ず大気を作らなければならない。そのためには、水が必要である。運河の一部に覆いを掛け、一種のシェルターを作る。そこで水を発生させる。ここまでは、いい。そのために選ばれたのが、海にいるアメフラシである、となると、「おいおい駄洒落かよ」と言いたくなる。しかし、ここにはオヤジギャグに見られる品の悪さは微塵も無い。

いや、そのアメフラシの話が続くのかと思うと、荷物の運搬をする人口知熊の話になる。人口知「能」ではない、知「熊」である。内部に人間が入り込み、脳神経と直結することで初めて作業をするという不思議な機械。なぜ、熊という形態を取らなければならないかは、誰にも分らない。作業とはいうものの、それは普通のフォークリフトでも充分可能なものなのである。

それだけではない。記憶を移植されたアメフラシ、記憶に手を加えられた男、消去されそこなった記憶の断片から生まれる新たな記憶というように、脳の内部の話と火星や異星人、人類の破滅に怯える女性の研究、月夜に踊る熊、ゲームを介した、閉ざされた世界への侵入、脳だけの存在となった経営者の変容など、常識的な読み方をしていては混乱するだけなのだ。

中に落語「あたま山」が出てくる。あたまに桜の木が生えてしまい、見物人がうるさくて、その木を抜いてしまう。その時出来た穴に雨が溜まり池となり、悲観した男は、自分の頭の池に飛び込んで死ぬという、古いかもしれないが不条理という言葉がぴったりの噺である。この連作小説もそれに近い部分を持っている。本当の話し手が、誰であるか混乱し、主体と客体が分らなくなった向こうに北野の笑顔が見える気がする。

「子供の頃から、穴や穴のあいたものが好きだった」で始まるあとがきを読むと、この作品は北野が10年以上前に書いた小説がもとになっているらしい。コンテストで参考作品となったものの、そのまま本などに掲載されることなく、作者が何度か世に出そうとしたが、編集者の眼鏡に適うことがなかったという。

今回、やっとそれにふさわしい形になったのではないか、と自信なげに言うあたりは『かめくん』の作者ならではのもの。北野ワールドにようこそ、とは、ありふれてはいてもピッタリのキャッチである。

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紙の本

北野ワールドを堪能できる「元祖」のような1冊♪

2002/12/21 00:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 百貨店の屋上で待っていた子供の話」「熊のぬいぐるみを来た作業員の話」「火星に雨を降らせようとした女の話」…というタイトルからして「なんだ?」って感じですが、読み終わってもまだ夢の中にいるような…あいかわらず、独特の世界が広がっていて、わかったような、わからないような…説明が難しい作品でした。
 でも、なんとなく北野ワールドって、どこかなごんじゃう感じがして私は大好きです。

 10個の物語は、それぞれに独立した作品としても読めて、なおかつ全体でひとつの物語であり、さらに今まで書かれてきた作品と共通する世界を描いてる…のかな。
 この作品は、なんとデビュー作以前に「SFマガジン」のコンテストに応募した短編が元になっているそうです。十何年かの間、何度も書き直しながら今まで抱えてきたという、ある意味、北野ワールドの元祖のような物語なのです。

「かめくん」が日本SF大賞を受賞した時も、すご〜〜く嬉しかったんですよね。
 だって…第一回小松左京賞の最終選考作の中にこの作品があったときから
「読んでみた〜〜い」と思ってて、徳間から出版されたときには「デュアル文庫、ありがとう!!」って思った私なのですから。

 そんなこんなで、北野ワールドは、これからもまったりと増えて行ってほしいなあ…。

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2007/05/31 10:45

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2011/10/30 00:34

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2010/07/04 10:53

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2011/10/01 19:32

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2013/02/01 11:59

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2016/12/26 21:59

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