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紙の本
2002/05/05朝刊
2002/05/24 22:16
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国のプロレスでは一時期、日本人レスラーの位置づけが、卑劣で執念深い悪役(ヒール)に固定していた。それと同じように、この三十年間の捕鯨論争では、日本はまるで邪悪な自然破壊者のごとく描き出されてきた。この本は、偏見と誤解と悪意への、水産庁担当官自身が発した公開リベンジ宣言といえる。
基本的なルールは国際捕鯨取締条約、合理的な判断の根拠は国際捕鯨委員会(IWC)の科学委員会の結論。捕鯨論争はこの二つを共通の基盤にしなければ、そもそも成り立たないと著者はいう。
ルールも根拠もなく、文化的偏見のにおいを放ちながら振りまかれる反捕鯨キャンペーンと、厳密な資源管理の下で捕鯨再開を求める主張をごっちゃにして、不毛な論争などと片づけてほしくない。そんな思いが詰まっている。
本書は一部の反捕鯨国や過激な反捕鯨団体が、意図的に流してきた日本の「不正」や「不法」が、実は十分な国際法上の根拠と科学的な妥当性を持っていることを、具体的な例を示して立証してゆく。
たたかれても表だって反撃せず、すり抜ける便法を考える日本的な交渉が、事態をここまで悪化させてきた。科学的には破たん寸前の反捕鯨論だが、政治的にはまだ強力だ。著者には骨太の論理に細心の交渉術を期待したい。
タイトルのなぜクジラは座礁するのかの答えに、捕鯨再開に向けた重要な論拠が隠されている。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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