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紙の本
時効前なら大変な問題になっていた
2004/02/21 14:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:茶太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一橋文哉シリーズの中でもこの作品は異彩を放っている。迷宮入りとなった「朝日新聞阪神支局襲撃事件」。時効に際しての記者会見で朝日の記者が怒りのコメントを発表した一方で、事件当時同新聞社は警察の捜査には非協力的で緘口令が敷かれているかのようだったと言う。これは一体何を意味するのか??
事件の背後に見え隠れするエセ同和団体。バブルの時代に被差別民を語り、多額の補償金を国や企業から騙し取ろうとする団体だ。殺害された新聞記者は殺される直前に知り合いのルポライターに「凄い事実をつかんだ」と電話をし、会う約束をしている。そしてその内容とは右翼との関わりが強かったとされる総理大臣の金脈に関わる問題だった可能性が高い。すでに総理自身も秘書も鬼籍に入っており真相は分からないが、朝日新聞の記者はその問題に関わる右翼団体が送ったヒットマンに殺された可能性を否定できない。当時それが明らかになっていれば政界を揺るがす大変な疑獄事件となっていただろう。ルポライターも自分の身に危険が及ぶことを恐れて、多くは語らない。
巨額の金がいとも簡単に動いていたバブル時代、甘い汁を吸っていた政治家や闇の紳士たちの底知れない欲望と心の闇を感じた。景気の低迷する今なら有り得ない事件だと思う。実行犯も事実が発覚する直前に変死したとされ、おそらく真相は永遠に究明されないだろう。私は本書を通じて、政治家が絡んだ時に及び腰になる警察の無力さを感じた。そして圧力に屈する新聞社も決して正義の味方ではないことが分かった。新聞社から見放され、むざむざとその死を無駄にされた記者は浮かばれない。
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