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紙の本
捨てたつもりの諦めきれない夢を隠している人たちへ贈りたい
2005/08/13 16:40
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
青春の季節を経て、大人たちが過ごしている人生の季節。それはきっと夏。大人たちは汗をかきかき(涼しい部屋にいる恵まれた人たちを横目に)、時には夕立に遭い、汗と雨、たまに涙をぬぐいながら頑張っています。そんな大人なら、捨てたつもりの諦めきれない夢がある、はず。
その夢を打ち上げたら、ホントの世界は宇宙のように限りなく広く、いままで自分のいた世界は宇宙飛行士が見た地球のようにちっぽけで、でも、奇跡で出来た場所と思えるのかもしれない。昨日の失敗、明日の不安。そんな下へ下へと引っ張る力から解放される無重力状態を味わえるのかもしれない。『夏のロケット』を読んで、そんなことを思った。
子供には無限の可能性がある、という。じゃあ、大人には無限の可能性はないのかなぁ、と考えた。残念ながら、大人には無限の可能性はないのだろう。仕事もあるし、家族もいるし、夢と同じくらい大切なものは厄介なほどある。夢ばかり追ってはいられない。でも、有限の可能性はちゃんとある。きっとどこかに宇宙の果てはあるけれど、どこまでいっても見つかりそうにない。同じように大人の可能性の限界だって、きっとどこかにある。どこか遠くに。宇宙のように広い可能性を信じてもいいじゃない。
打ち上げろ、夢を。ロケットのように、高く、遠く。
この本は、夏の大人の課題図書。
紙の本
民間企業主導のロケット開発への夢
2004/03/16 16:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:san - この投稿者のレビュー一覧を見る
『夏の〜』から想像できるようなフレーズってなんでしょう?
泡沫の夢とか希望とか言う言葉ではないでしょうか。
そのフレーズの替わりが、本作品では『ロケット』です。
高校生時代からロケット打ち上げを夢見るグループが社会人となり、
新聞記者として活躍(?)している主人公が、過激派系のちょっと
した事故事件に昔の友人の影を見つけ、追及するうちにそのグルー
プに引き込まれ、民間でのロケット打ち上げを計画・達成してしまう
という『夢』物語…
本書が魅せている『夢』は、単純にあきらめるべき『夢』ではありま
せん。現実にロケットを民間主導で飛ばそうという大きな夢に繋がっ
ていくことができる点がすばらしいと思うのです。
現在の宇宙開発の99%は、日本も含む全ての国々において官需でいと
なわれています。本当の意味での民需というものは、ほとんど存在
しません。
強いて云うなら、千葉工業大の鯨センサ衛星とJPLの学術衛星の一部
が私立学校による実費公募において、一部民需と言える部分がある
と言うことぐらいではないでしょうか。
本書がみせている夢を出来れば現実世界に広げ、多くの人間が関わる
事のできる本当のプロジェクトの姿にしたいと思うのです。
そういった意味で、星空を見るのが楽しくなるすばらしい1冊です。