紙の本
何回読んでも色あせない、富安作品の中で一番好きな本。
2015/10/04 17:10
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山姥と、山姥の娘のまゆ、啓太をメインとして、やまんば山の日常が豊かな想像力で描かれる。雪女、河童、寒立馬、精霊、動物たち…魅力的な登場人物(人ではないが)が本当にたくさん出てくるし、次々起こる出来事がなんと魅力たっぷりなことか。こんなに素晴らしい山の世界、いいなあと憧れずにはいられない。啓太は、まゆと友達になったことでこの山の世界を味わえて本当に幸運な男の子だと思う。
どの話がいいか、絞り切れないほどどれもおもしろいのだが、私が一番好きなのは「やまんば餅」。カヤの木をまゆと啓太で揺らせて実を落とすところから始まり、カヤの実を洗って、炒めて、生地に混ぜ合わせて…もちろん、その途中では味見をしたりして。その様が何とも生き生きと、楽しそうに描かれる。三人がつくる餅の形が個性的なのもおもしろい。読んでいて自然に笑顔になってくる。
他の話も、もちろんいい。この本を読み直すと、富安さん、こんなに素敵な物語を書いてくれてありがとう、という気持ちになる。
紙の本
あこがれの山姥お母さん。
2001/09/04 00:55
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投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
背高のっぽの山姥のお母さんと、一人娘のまゆ。そして、河童、天狗、雪女、鬼、名も知れぬモッコたち。まゆが生まれて、1歳の誕生日を迎えるまでの一年を、描いた物語。
この本は20年前、まだ大学生だった富安さんが、月刊誌に連載し、その後、初めての単行本として刊行された、同タイトルの本の改訂版です。
初版時の原稿を加筆訂正した上、今回、あらたに書き下ろしを加えた、全8編。挿絵の降矢奈々さんも、絵を数点、書き直されたそうです。
「自分自身がお母さんになってしまった今の私には、こういうカッコいい母親像は、ちょっと描けないだろうと思う」と、後書きに書かれている、この山姥のお母さんが、ホントにカッコ良くて、ほれぼれ〜とします。
確かに現実は、こんなお母さんはいないかもしれないけど…だからこそ、お話の中で、ひときわ輝いて見えると思うのです。
それに…このお母さんの作る料理がどれもおいしそうで…、特に、まゆの誕生会に作られる料理の数々には、思わずヨダレが…ううう。
一緒に、誕生会に遊びに行きましょう!
紙の本
やまんば山で、遊ぼうよ!
2001/01/04 12:53
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
皆さん、モッコって知っていますか?
人間でもない、動物ともちがう、変わり者の生き物たちのことなんです。
啓太の住む霜里村の北にあるやまんば山には、モッコたちが誰にもじゃまされず、今日も気ままに暮らしています。
ある冬の日、一匹のやまかがしの案内で、人間が足を踏み入れることのできないやまんば山へと分け入った啓太は、山姥のひとり娘、まゆと出会います。
雲に乗って雪女と追いかけっこをしたり、カッパのすもう大会に出たり、啓太とまゆの遊びは尽きません。
さあ、もうすぐまゆの誕生日。モッコたちが集って、楽しいパーティーの始まりです。
あなたも参加しませんか?
1986年初版の人気創作童話の改訂版。降矢奈々さんの生き生きとしたイラストが数点新たに加わり、いっそう楽しくなって新登場!
北風の吹く寒い日も、この本を読めば、きっと元気になれるはず。
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山姥山は村からはずれた、人のあまり入らないひっそりとした山。そこには、今の時代から切り離され、時代に流されない生き物たち、河童、雪女、木魂… モッコと呼ばれるものたちが、気ままに自分たちの生活を続けているのです。今日、山姥に女の子が生まれました。新しい山姥の女の子、まゆ。人間の友だち・啓太とともに、モッコたちや、山の生活の目新しいもの、美しいものに、心躍らせ、たくましく生活していきます。ぶっきらぼうのように見えて、心暖かくまゆを見まもる山姥の姿も、またほほえましくえがかれています。日本の、時間の流れから滑り落ちてしまった、日本人の生活感が、ここにあります。『しあわせやぁ…』、甘いものを食べてまゆはつぶやきます。単なるノスタルジーではなく、日本人が心の底に持っている暮らしの楽しさ、自然とのあり方を、ここに見いだすのではないでしょうか。ぜひ、今の時代の子ども達に感想を聞いてみたい本です。
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山姥とまゆの日々の生活が素敵です。
山姥の作る山姥餅、ヤマモモのお酒、揚げコロ餅、クルミの蜂蜜煮
まゆと啓太の作ったお日さまケーキ、雪女の作ったアイスクリーム
全部食べたいな。
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「あれは、溜池っていうてな。人間が作った池なんや。そういう池には、河童も、水の精も、一匹も、住んでへんのやで」
「ほっとくんや。あれは、白ボウズたちの秘密なんやから。なんでも、人の秘密を知りたがると、今に、秘密に、仕返しされるで」
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「まゆとおに」と「まゆとりゅう」を読んだあとに発見した本
なんとこれはまゆちゃんと山姥の話じゃないか!
やったーすごーい
わたし大喜び^^
山に生きてるふしぎ生物を「モッコ」っていうらしい
これは他できいたことなかったなー
まゆちゃんたちが関西弁だったけど
絵本もそうだったっけ・・??
山の暮らしがちょう楽しそう
まゆちゃんかわいくて山姥のお母ちゃんは強くてかっこいい
いっしょに遊べたりごちそう食べられる啓太がうらやましい
啓太のお母さんも、子どもが山姥と遊んだり雲に乗ったり(ひとりで乗れるんだって!すごーい!)してるのに
理解があってすごいな
食べ物がすんごいおいしそう
これはいい本だ!
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啓太は霜里村に住む小学生。村を囲む北がわの山は「山姥山」と呼ばれていて、めったに人は立ち入りません。
モッコとは人間とも動物ともちがう、変わり者の生き物たちで、小さなモッコから大きなモッコまでいろんな生き物が含まれます。山姥に河童、天狗、鬼に雪女・・・。だれにも邪魔されずに勝手気ままに暮らしています。
啓太は山姥山に入って、山姥の娘、まゆと出会います。山姥としてはまだまだ子どものまゆ。啓太と一緒の冒険がはじまります。
絵本にもマユのシリーズ有り。
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小学生の頃、大好きだった1冊。
やまんばの作る料理が、本当に美味しそうでいつか食べてみたいと思ってた(^-^) 特に、スモモがww
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小学生の頃、おばあちゃんに買ってもらった本で、高学年用だったので漢字は雰囲気で読んでいました。3回は読んだかなー。大好きでいつでもどこでも持ち歩いていました。
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こういうの好きな子は大好き。おいしそうなものがいっぱい出てきて結果として悪い人はいなくて、いい話です。
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季節の移り変わりと暮らしが丁寧に描かれていて、その時期ごとに読み聞かせたらとっても良いと思う。
まゆの誕生から物語が始まっていて絵本に馴染んでいた子達は嬉しいのでは。人間の子どもも出てくるので自分も参加できたような気持ちになれる。
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えほんのまゆと同じかなぁ?と思いながら。
(絵本の方はよんだことがあるのか、表紙を見ただけだったか、ちょっとよく覚えていなかったので……)
文字量が多い中高学年向けの児童書だけれども、絵本のようなワクワクかんと安心感。それから、山姥のお母さんが、とっても素敵!
季節をぐるっと一周する分のお話が、ぎゅぎゅっと一冊に詰まっているのがまた最高。
最後に雪女とも仲良くなれてよかったです!
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山姥山にはたくさんのモッコ(妖怪のようなもの)が住み暮らしていると言われています。
特に冬は人が立ち入れないので、モッコたちは特によく動き回ってくるということでした。
そんな山の麓に住む啓太は冬の山姥山で生まれたばかりの山姥の娘の まゆ と友達になります。
山姥の娘は生まれた日から雲に乗って空を駆け回るといいます。
こうして まゆ は、力持ちで肝っ玉が座って気風の良い山姥お母ちゃんと、人間の男の子の啓太、大きいモッコや小さいモッコたちと大自然の中を駆け回り、雲に乗り空を飛び回り、食べて遊んで幸せな子供時代を過ごしています。
絵本で「やまんばのむすめ まゆ のお話」シリーズがありますが、それに先立ち書かれたお話がまとめられている童話集です。
いじわるな雪女から寒立馬(かんだちめ)を逃がそうとしたり、河童と相撲をとったり、ダイナミックなおひさまケーキを作ったり、光を無くした星を空に返したり。
一つ一つのエピソードがダイナミックで大胆で実に自由奔放。モッコや人間や動物や違うものが共存している様子を感じられ、降矢奈々さんの挿絵も合っていて読みながらも自由な風を感じるような、実に幸せな童話集です。
1年間の出来事を書いてラストは まゆ の1歳の誕生会。実に大胆なごちそうの山や、最初の話で喧嘩した雪女とも仲良くなったり、普段は元気いっぱいの まゆ がプレゼントのお人形に目を輝かせたり、実に幸せな光景でした。
このお人形は、啓太のお母さんが啓太に「山姥のお嬢ちゃんの誕生会なら贈り物がいるやろ?」ともたせたものですが、この村では遊ぶのは子供だけではなく、大人たちもモッコたちを感じたり昔は自分も遊んだりしてつないでいってるのだなと思いました。
幸せいっぱいですが自然の掟というか、「人の秘密を知りたがると、今に、秘密に仕返しされるで」「化けるんがちょいとうまいもんで、すぐ、いんげんをからかって、うれしがりよる。あたしは、おまえに、そんな仲間に、なってもらいたないんや」「あれは、溜池っていうてな、人間が作った池なんや。そういう池には、河童も、水の精も、一匹も、住んでへんのやで」などという言葉が現れ、それぞれ相手のいる場所を侵食ぜずまさに自然そのもので生きているのだと感じます。
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先輩司書さんが「まゆとおに」シリーズを推していたものの勤務校の蔵書にはなく、代わりに蔵書にあったこちらを読んでみました。
富安陽子さんの作品はたいてい好きになりますが、その中でも上位に入れたい本。
人間の啓太が山姥の娘のまゆと友達になるなんて不思議ですが、すっとお話の世界に入れます。
降矢奈々さんの絵は、絵本だけでなく挿絵でも素敵でした。
中学年以降におすすめ。