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紙の本

限界と人間らしさ

2003/05/31 17:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

気楽に楽しく読めた一冊だった。本書は、人間の耐え得る環境とその説明、更には、生命の耐え得る環境とその説明が分かり易く、興味深く書かれていた。
 人間の耐え得る環境とは、高度、深さ、暑さ、寒さであり、更に早く走る限界、宇宙空間、最後に生命(始原菌含む)の耐え得る環境まで言及している。
 私は、登山が趣味である為、最も興味を引いたのは、最初の章の「高度」の章である。ここで面白い記述があった。以前から私も感じていたのだが、「人間の耐え得る最高高度と現実の世界の最高高度が同一なのは、不思議な偶然である」という事である。まるで、神が人類に挑戦の機会を与えたかのように。(これは、本書に記述は無く、私の感想)
 本書を読んで、極限に挑戦する人間は、また、人間の科学的追及による多くの知識の助けを借りているという事が良く分かった。人間のいかなる挑戦も、人間の知識無くしては、無謀な挑戦となってしまうのである。ここで改めて、人間の知能というものに関心を持った次第である。
 最後の「生命」の章も面白かった。想像を絶する環境、「酸」「アルカリ」「高温」「低温」「無酸素」「高圧」どんな環境でさえ、地球上いや宇宙空間でさえ、生命は適応するのである。生命の神秘というか、生き延びる「力強さ」を感じた。
 本書は、特に深く考える事も無く、楽しく読めた一冊であった。

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