紙の本
他人事ではない
2002/06/11 00:08
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投稿者:小笠原功雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る
システムに携わる者と経営陣に名を連ねる者が、みずほのシステム障害について関心を持たないでいられることが信じられない。この件について日経コンピュータ編集部が必ず本をまとめてくれると、期待していた。バブル時代、私はCOBOLプログラマだった。それが今は巡り巡って、某中小企業の社内システムの保守管理をしている。本書を読みながら1行毎にかつての経験に基づく納得の想いと、現在の仕事に照らして重要な示唆とを受けている。今も昔もどこでも、違うのは規模の大小だけで、OAシステムの問題は皆同じ、「管理」と「リーダシップ」が不可欠であるということだ。それがどんなに深刻な問題を引き起こすかイメージできない会社経営者は本書必読。
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障害発生当時はいろいろと騒がれていたのに、いつの間にか
熱が冷めたようにスッと世間の話題から消えてしまって、
結局全貌が判らなかったなぁ〜、という理由から読んでみました。
【第一部 徹底検証・みずほの悲劇】
みずほフィナンシャルグループが引き起こした
システム障害の原因と、残された問題点に迫る内容。
【第二部 システム統合奮戦記】
システム統合に(比較的)成功した他の3銀行を
取り上げて、成功した要因は何か、という検証。
【第三部 システム障害と闘う】
金融系に限らず、システム開発の際に当てはまるであろう
『「動かないコンピュータ」撲滅のための10ヵ条』
を掲げ、多くの場合に成功する要因・失敗する要因を指摘。
どの章も、それなりのシステム開発に携わった経験を
持つ人であれば、かなり読み応えもあり、肯ける箇所もあり、
ではないかと思います。
みずほの場合はシステム開発側の要因ではなく、
経営側の取り組み方が問題だった、ということが
かなり明確に打ち出されていますね。
なんだかとても納得。
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全ページにわたる「日経は後出しジャンケンなら負けたことはないんです」感がすごい。世の中のシステムダウンの原因の95%はシステム部門が日経コンピュータを定期購読しているせいだと思う。
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日本のIT史に残るであろう、みずほ銀行合併時のシステム統合の失敗の実態。
システム管理者なら目を通すべきでしょう。
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みずほ銀行2002年のシステム障害を経営陣が、システムの重要性を理解せずに無関心であったことが問題だとしている。その他、
東京三菱銀、北洋銀の成功事例、UFJ銀行の障害事例など、プロジェクトマネジメントが重要であるとの結論。
ただし、あまり深堀はされていないので、対策じみた事例の習得にまでは至らなかった。
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実際に起きたシステム統合の事故を取材の上で構成したもので、分かりやすい。
結局は、経営層がきちんと理解をして両輪として開発を進めないとダメという当たり前のことを何度も説く。古い書籍だが、未だ変わっていない会社もあるし、巨大企業化したベンチャーがシステムに注力しているのを見ると、やはりそういう違いが差を生んだのだと思えるところもある。
後半は説明がかたくて、理想論を並べているような感じで読みづらい。言ってることは正しいが。自分もそういう文章にならないように気をつけよう。
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そう言うことかと。
10年経っても何も変わってないから、またトラブル起こしたんだ。
ワンバンク制にするって言ったって、またやるんじゃないのかと言う気がするよね。
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2002年に起きたみずほ銀行のシステム障害について書かれた本。その他上手くいった銀行のシステム統合の事例などにも触れられている。問題は技術ではなく、人や経営。経営幹部の意識や関わり方が重要というのは全くその通りなのだが。
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トップダウンと思い切りが大事ということですかね。
日系の第三者的視点で書かれてるので臨場感は無いし、批判的な文調が目に付くしで、読み物としてはいまいち。技術的な部分もそんなに触れていない。
銀行系のシステムがどういう要素でできてるかやどれぐらいの処理が必要かなどはよく分かった。
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2002年4月に発生したみずほの一連のトラブルにはどのような経緯があったのかを詳細に記述してある。根本的原因は技術的な問題ではなく、経営者が情報システム構築に対して無関心であったことがあげられる。今後、情報システム構築の際には、経営者自らがリードしてくことと、全体のプロジェクトを見渡せるプロジェクトリーダが必要不可欠である。
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みずほの統合発表記者会見の時から混乱は予想された。トップのシステムに関する無知が呼んだトラブルの裏を説得力たっぷりに解説してくれます。開発の中心となった第一勧銀のシステムの後進性とシステムで優れながらも不良資産を多く抱え元気がなかった富士銀行、そしてあくまでもマイナーだった興銀、そしてみずほコーポレート銀行の分割という二重苦、三重苦に苦しみを経験した人たちは本当にご苦労様でした。一方拓銀のシステムを継承し、自らのシステムを放棄した勇断の北洋銀行は実力者がシステム責任者だった。
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(2002.08.06読了)(2002.07.27購入)
みずほの教訓
(「MARC」データベースより)
「みずほフィナンシャルグループ」が2002年4月に引き起こした情報システム障害の真の原因を探り、こうしたシステム障害を繰り返さないための教訓を引き出す。
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システムは手段だ。はじめに経営目標があって、ビジネスモデルがあって、それに合ったものをトップダウンで決めていく必要がある。
大企業のビジネスの根幹を支える基幹システムは特にそうだ。時代の流れに合わせて経営目標が変わるから、ビジネスも変わり、システムが変わるのは自明の理である。
特に日本においては、システムの老朽化と肥大化が大きな問題になっている。以前は10年に1度は作り変えていた基幹系システムも不況の煽りを受けた投資見送りを経て、ツギハギが多く、メンテナンスし辛いものへと変わってしまった。
これらが遠因となり、数々のシステム障害は日々生み出される。
今世の中にあるシステムは、広くユーザに開かれたシステムであることが多い。周りの目が光っているので、一度システム障害が露呈すると大事になる。
・商機を逃す。
・商売そのものができなくなる。
・ステークホルダーから損害賠償を求められる。
・人の命にかかわる。
あくまでもシステムは手段であるから、止まることも見据え、人や今後はロボットも含めたあるべき姿を描くことが大切であろう。
予算の枠組みにハメて、部分最適なシステムの乱立と闇雲な接続がカオスな状況を生んでいるからこそ、大きな視点で、鳥の目で、全体像を描いていくべきだ。経営トップがコミットし、自ら引っ張る必要がある。そんなことを思った。
あと1つ。シンプルに考えることの重要性。
一連の業務に合わせて情報システムは、必要な情報を処理するように作る。前提となる業務が分かっていなくても良いが、シンプルに考えることを減らすためには、業務を知り、入力パタンを限定的にしなければならない。複雑化を避けてなるべくシンプルにを基本にしていきたいものだ。
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みずほ銀行の銀行合併にともなうシステム障害の顛末。今回の障害にも当時の指摘が反映されていなかったのかな?
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2020年3月18日読了。2002年のみずほ銀行発足時のシステム障害がなぜ起きたのか・どういう問題があったのかについてのまとめ。システムに関わる端くれとして関心があり(新刊も出るというので)読んでみた。「みずほ経営陣の問題」と言いっ放すだけではなく、他の会社はどうなのか・うまくいくシステム統合はどういうケースなのか、そしてどうすればうまくいくのか(経営陣のリーダーシップ・システムへ関心を持つことと、プロジェクトマネジメントの重要性)についてもページを割いている。みずほのここがダメだダメだ、日本のSIビジネスのここがダメだダメだとあげつらうだけでも十分本は書けると思うが、「提言」という形の本にしている著者陣の誠実さを感じる。個人的に「うまくいってるシステム統合プロジェクト」を体験したことがないので、提言の内容は理想論に聞こえてしまうが、それでも理想に向けて改善の努力をすることが必要だな。