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第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。
題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。
あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
本当に何でもあり。
オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。
暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。
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本書は四分冊の三冊目になる。長い物語なので、中弛みのようなものを感じてしまうのを否めないが、それでも第二次世界大戦と現代とがリンクしてきて、最終巻の大団円に向かう準備ができてきたように思える。また、現代のパートでは、ビットコインを予言するかのような電子通貨が登場する。作品が書かれた頃は、電子マネーはあったと思うけれど、政府が信用を担保しない電子マネーなんて、少なくとも一般的ではない。よくそんな時代に想像できたなと思う。暗号技術は電子マネーと関係が深いので、作者がよく調査した結果なのだろうな。脇のエピソードであるが、個人的に最も驚いた部分だ。
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長いが面白い、どこがSFか分からない作品
表紙 4点佐伯 経多 中原 尚哉訳
展開 6点1999年著作
文章 7点
内容 660点
合計 677点