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里山を歩こう カラー版 みんなのレビュー
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紙の本
いつも新鮮な驚きを与えてくれる仰木というこの土地が愛される里山であり続けることとを願って書いています
2002/08/06 16:43
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投稿者:わくわくどきどき - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも新鮮な驚きを与えてくれる仰木というこの土地が、愛される里山であり続けることとを、願って、書いています。
里山とは、山や森林だけでなく、田んぼや人家など、生きものと人とがともに暮らしているすべての土地のことをいうのだと、著者は思っています。この本では、そんな里山の一例として、いつも通っている滋賀県大津市仰木を紹介しています。仰木とのそもそもの出合いは、学生時代に、琵琶湖から比叡山のほうにむかっていたつもりが、ある集落に迷い込んだのです。目の前にすばらしい棚田が開けていました。その夏、著者はインドネシアを旅していました。学生時代のはじめての海外での長旅で、スラウェシ島で、田んぼの海原を見ていました。それとほとんど変わらない風景に出合ったのです。自分が住んでいる町からこんなに近いところに、棚田があることに感動して通いだしました。ちょうど、写真に興味をもちはじめた頃で、生物を撮るフィールドとしてここを使うようになり、28年以上も、見たり、撮影したりしてきました。
棚田、雑木林、溜池、川の風景と、そこに棲む生物たち。古い集落に残る伝統の食や祭り。押し寄せる開発の波など。写真家今森さんが、透明感のあるすばらしいカラー写真でみせながら、案内してくれます。最後に、インドネシアを旅して出合った島々の田んぼのある風景がでてきますが、その姿が仰木とよく似ていて、そっくりなのに驚かせられます。そして、日本の里山で見られる雑木林という人口の森と、人間が人工的につくりだした水田とのネットワークはすばらしいもので、そういうネットワークが東南アジアの里山には見られないように思うといいます。日本の里山の風景がいかに複雑で多様かということがわかります。
著者はいいます。里山の風景は、将来なくなっていく風景ではなく、未来の風景だろう。むしろ、積極的につくっていく、再生していくべき風景だろう。里山の維持や再生は、多様な自然と文化がいりまじって、不思議な調和をかもしだしているこの土地が、日本人にとってかけがえのない場所であることを、自覚することからはじまるでしょう。
いつも新鮮な驚きを与えてくれる仰木というこの土地が、愛される里山であり続けることとを、願って、書いている著者の気持ちが伝わってきます。
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