紙の本
伝えられる
2002/08/27 11:15
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投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「目を閉じて耳を澄ませば桜の木が呼吸しているのが聞こえる」
その言葉を見て、思わず桜の木を探しに行って確かめてみたいという誘惑に駆られました。桜だって生きているんだから 本当に聞こえるかもしれませんよね。
大好きだったおじいちゃんの言葉はぼくの胸に大切にしまわれている。そしてその大切な言葉は 妹にそして 後にその子ともにと伝わっていくんですよね。永遠の命なんてありえないけど、偉人じゃなくても その人が生きた痕跡はいたる所に残っている。
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いなかのおじいちゃんとおばあちゃんからいろんなことを教えてもらったトリーノ。
おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなってからも田舎が大好きだったトリーノは、おじいちゃんの土地が取られそうになった時、お母さんと同じ年でおじいちゃんが大事に育てた桜の木を一生懸命守ろうとする。
大切な祖父母の老いと死。
小さいながらに子どもの目線でしっかりと家族の在り方を見つめる。
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いいはなしだった~
父方のおじいちゃんおばあちゃんはつまんない町のひとだけど
母方のいなかのおじいちゃんおばあちゃんは最高なんだ!
って話
年とるのはやっぱかなしいな~
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植物の物語を読みたくて、借りた。
「いなかのおじいちゃんは、
ぼくにいろいろなことを教えてくれた。
木登り、目をとじても耳をすませばものが見えること、
桜の木が呼吸していること……。」(カバーそでより)
イタリアのチェント賞・バンカレッリーノ賞受賞作。
本を読んで、久々に泣いた。
オッタビアーノおじいちゃんと、テオドリンダおばあちゃん。
楽しい思い出と、あらがえない死、むしばまれる心、親心と子ども心。
そんな色々なものが、ぎゅうっと詰まったおはなしだ。
明るくはないのだけれど、じいんと、心があたたかくなる。
桜だからといって、個人的には、春におすすめしたくはないかな。
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大好きなあばあちゃん、おじいちゃんの思い出
そのなかでも、おじいちゃんと木登りするのが楽しみの1つ
おじいちゃんが大切な木を守ろうとする孫
いつか、その木に妹と登り、おじいちゃんから教わった事を伝えて行きたいと思ってる
我が家の孫と、危険をおかしてでも守りたいものってある?なんて話してみたけど私も孫も
考え込んでしまいました
とりあえず、物を大切にしていけたらいいねと
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少年の目から見た、家族、大人の様に、ちょっと呆れる。
三組の夫婦のあり方が、それぞれに違っていて面白い。
蚊帳の外にされている、理解が追いついていない子供から見た理不尽な出来事の数々。
でも、大人には大人のルールで動いているのだろうなと思わせるモノがあって切ない。
母を思い、祖父母を思い、そして自分として行動する少年トニーノを応援したくなるし、その成長に嬉しくなる。
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イタリア女性作家による児童文学。
2003年度の読書感想文課題図書。
トニーノ少年が語るおじいちゃんの思い出。
四歳の頃、トニーノには二組のおじいちゃんとおばあちゃんがいた。
町のルイージおじいちゃんとアントニエッタおばあちゃん。
田舎のオッタビアーノおじいちゃんとテオドリンダおばあちゃん。そして田舎の二人の庭にはママが生まれた時に植えた桜の木の「フェリーチェ」がある。
トニーノは、町にいるよりも、田舎のおじいちゃんおばあちゃんのところに行くことが楽しくて仕方がない。オッタビアーノおじいちゃんとテオドリンダおばあちゃんは色々なことを教えてくれる。目をつぶっても周りの様子を感じること、桜の木は呼吸していること、気に登ること、美味しいザバイオーネの作り方、ガチョウの〆る方、そしてガチョウと友だちになること。
しかしテオドリンダおばあちゃんの病気、おじいちゃんの畑が道路開発に掛かったことから、オッタビアーノおじいちゃんはだんだん弱っていく。
強引な道路工事に勝ち気なママは黙っていない。トニーノ少年も子供なりに抵抗を見せて、それは人々の心を動かすのだった…。
===
田舎の生活の生き生きした様子、田舎のおじいちゃんおばあちゃんの愉快さ、自然との一体感などの心が澄むような場面もあるが、どんどん弱っていくおじいちゃんの姿や、トニーノ少年の両親の不和など気持ちが落ち着かないところもある(´;ω;`)
オッタビアーノおじいちゃんは、ガチョウをお友達にして、冗談を飛ばし、子供にもちょびっとのお酒を飲ませ、老齢なのに木に登り、町の人から見るとほとんど変人なのだが、目ではなく心で世界を感じることができる。前半のおじいちゃんの爽やかさと、後半の痴呆らしき状態になっていく様相は心が痛む(´;ω;`)
トニーノ一家の暮らし方はまさに現代イタリアの家庭の姿なのだろう。パパとママの生まれ育ちの違いや性格の違い(エンジニアで理性的なパパと、感情的で行動的で黙っちゃいないママ)、共働き家庭の揉め事、老人介護問題、義理の父母への不満。この小説は六歳のトニーノ少年の語りなのだが、その少年の目にも両親不和が見えている。これはもう読んでいてヒリヒリすると言うか…いや、よく結婚したなこの二人って思ったよ(-_-;)
そんな祖父母や両親を見ているトニーノは、基本的に穏やかだけれども自分の好き嫌いははっきりしていて(それを人にぶつけることはしない)、周りからどう思われても気にしない。おじいちゃんとおばあちゃんの桜の木を守るためのトニーの少年の行動はかなり大胆であり、これを叱りつけずに良い方向に持っていった両親の姿は格好よかった。
ラストは穏やかな大団円で安心しました。