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紙の本
対戦につぐ対戦、見せ場満載。おそらく大乗仏典中、最高の傑作。
2002/11/09 00:44
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くるぶし - この投稿者のレビュー一覧を見る
おそらくは大乗仏典中、最高の傑作。
効力は、般若経に劣るかも知れないが(なにしろ今昔物語には、「般若経、くそったれ」と罵ったのに、それでもその経典の名前を口にしたんだからと、地獄に堕ちずに済んだおばあさんの話がある)、おもしろさは随一である。
まずは出家してない在家の人、維摩居士さんが、有名なブッダの十代弟子を、それぞれの得意分野で、コテンパンにやっつける。
それどころか、弥勒菩薩をやっつけ、光厳童子菩薩をやっつけ、持世菩薩をやっつけ、善徳菩薩をやっつける。
痛快でドラマティックであるだけでなくて、反語的でかつクリティークな「法」の定義、「菩薩」の定義が、やさしくまくし立てる維摩のセリフ中にリストアップされていたりして、きちんとマニフェストにもなっている。
そのあとも、維摩居士V.S.文殊菩薩という見逃せないカード(対戦)に、宇宙中から神様をはじめいろんな存在がうじゃうじゃ集まってくる。
それまでの説法についてのテスト(笑)、これには各31菩薩がいろいろ述べたてるのだが、最後に文殊菩薩が「一切は無言、無説、無示、無識だよ」とそれら諸問答を一蹴する優等生な解答を示し、さらには維摩居士が、《なにもこたえない》ことで、文殊菩薩の答えの正しさといたらなさ、を同時にあばいてしまう超有名な入不二法門の下り。さらに、そこから十万世界を飛び回るは、神通力(サイキック!)を使いまくる、……と、ド派手な展開が続き、見せ場が絶えない。
何でこんなに面白いのかと考えるに、演劇的な構成よりもむしろ、全編にちりばめられたクリティシズム(批評性)が、キラキラしているせいだろう(ここらへんがとっても大乗仏典だ)。「仏教なんてこんなもの」とタカをくくっている読み手を、これでもかこれでもか、とばかりに投げ倒す。
こんなにおもしろいお経も、「○○経はすばらしい」と自身を褒めちぎるだけのお経たちに隠れて、あまり省みられなくなった。日本人はバカになったんじゃあるまいか?
紙の本
愛読書
2023/04/01 18:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aki_aug - この投稿者のレビュー一覧を見る
1巻から読んでいるけど、この巻が一番興味深い。どの巻も注釈が丁寧で文章も読みやすい。表紙も手触り、見た目が結構気に入っている。
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