サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

3日間限定!5周年記念!5倍ポイントキャンペーン(0522-0524)

5周年記念!5倍ポイントキャンペーン(0522-0524)

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

グラン・ヴァカンス

グラン・ヴァカンス みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー23件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (10件)
  • 星 4 (7件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ヴァカンスは終わり、リンチが始まる。

2003/01/13 03:04

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:17Caesun - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初の数十ページはいい雰囲気だった。

人間が訪れなくなって一千年、バーチャル・リゾート地〈夏の区界〉では、
ホスト役のA.I.達が長い夏休み(グラン・ヴァカンス)を過ごしている。
主人公ジュールは従姉妹のジュリーと、不思議な力を秘める石、
グラス・アイを拾いに海岸へ出かけた…。

しかし、ロマンティックな夏の物語はここまで。

巨大な“蜘蛛”が現れ、世界のあらゆるものを根こそぎ消滅させる。
一匹や二匹ではない。空を埋め尽くすバッタの大群のように飛来し、
圧倒的な力を振るう。軍隊も無い、ひなびたリゾート地で、
AI達は勝算のない防衛戦に追い込まれる。

最後には、敵の目的と主人公の進む道が少しだけ
(本当に少しだけ)明かされて第二巻へ持ち越しとなるが、
それまで局地の戦いがこまごまと描かれ、希望のない展開が続く。

平たく言えば、序盤以降の280ページは
AI達がボコボコにされる様子を描写するのに費やされる。

これがゲームなら、
何度も死んではやり直し、また死んで、そのまま身動きとれなくなって
“クソゲー!”などと罵られる処だが、小説ならば、ページをめくれば
とりあえず話は進む。はまって抜けられないということはない。

読者は、AI達の痛みを共有しつつ、前へ進まなければならない。
必要なのは、望みのない展開でも先へ先へとページをめくる粘り強さ。
殴られても殴られても立ち上がる、打たれ強い人なら読み通せるだろう。

「セリヌンティウス、私を殴れ。ちから一杯頬を殴れ!」
そんな覚悟でトライする必要がある。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2006/02/12 01:03

投稿元:ブクログ

S-Fマガジン600号、実は個人的には『雪風』第3部スタートよりもさらに気になっているものがある。これの第2部もスタート。

2006/01/20 00:35

投稿元:ブクログ

SFだ。バカンスを楽しむために作られた人ではないAIのすむ世界という未来な感じ、人がこなくなって千年経つ世界というもの悲しく虚しい感じ、散りばめられた性描写と殺戮のスパイス程度のエロチシズム。大人のSFの王道だと思う。著者も「新味を出そう」と思っていないと書いている。なのに古典ではないのだ。古典的ではあるかも知れないが古典ではない。こういうのがないと亜流が本流になってしまう。だから本著は本流なのだ。

2007/04/09 23:19

投稿元:ブクログ

冷たく・残酷で・グロテスクで・官能的で・そしてどこか懐かしい。そんな、あまりにも綺麗な物語が読みたいのなら、おススメです。

2006/05/16 21:23

投稿元:ブクログ

仮想現実のリゾート空間「数値海岸」は南欧の港町の夏、懐かしく素朴な生活を体験できるという設定の世界だ。それぞれ固有の役割を与えられた大勢のAIが暮らしている。
AIの「父」や「妹」など空白にしてある役割をゲストである外の人間が購入し、世界にとけこんでヴァカンスを楽しむ仕組み。
しかし、そのゲストたちが一人も来なくなって千年の時が流れ、AIだけで変わらぬ暮らしを続けていた。
しかし、ある朝不気味な蜘蛛のプログラムが街を侵食していき、あっという間に全てを崩壊させてしまう。その目的は?

夏に読みたい1冊(略してナツイチ)。

3部作(予定)の1冊目ということで、この段階では解決されない謎が多い。あんまり難しいこと考えず、この美しく残酷でちょっと懐かしい感じの世界を楽しく味わった。
今後この謎の攻撃の目的や視体のひみつが明らかになってくんだろう。

2013/02/23 10:31

投稿元:ブクログ

ル・クレジオを思わせる美しい夏の日射しの中の少年たちの物語、かと思いきや…残酷でグロテスク。特に初盤の描写が美しいだけに余計展開が無残。一気読みしてしまった。

2010/08/22 00:02

投稿元:ブクログ

待ちに待った、飛さんの最新作。
繊細で美しい文体と、こちらの固定観念を打ち砕く力強い表現に、ぐいぐいと引き込まれる。
たくさんの謎を吐き出しながら展開するのに、謎解きよりも登場人物たちの(あるいは人間以上に人間らしい)行動や感情に関心が引っ張られた。
実は謎に首を傾げたのは読了後しばらく経ってから。
今後の作品が、本当に楽しみ。

2010/02/21 22:46

投稿元:ブクログ

文庫本を買おうと思って探しに行ったら、初版・サイン本と出会ってしまって購入したというエピソードを持つ本。アンドロイドは好きでもSFは苦手な私ですが、この本は最後まで一気に読めました。それは内容に寄るものというよりは、文章が美しく、また読みやすかったため。内容に関しては大いなる一歩といった感触を得ました。旅のはじまりの前に、主人公は、失わなければならなかった。そんな気がしました。美しく、グロテスクな、廃園の最後のものがたり。

2010/05/15 17:33

投稿元:ブクログ

面白い! この一言に尽きます。
始まりはノスタルジックな夏休み。夏の光と熱と、からりと晴れた空気と。仮想リゾート地という舞台、ゲストをもてなすための存在であるAIたちの、つかの間というには長すぎる休暇。寂しさと開放感とを持て余しながらも、繰り返される日常。
同じ夏の一日を過ごしていた町に、襲いかかる「飢え」との攻防を描く中で、すこし不便な休暇を提供する「夏の区界」の、本当の役割が少しずつ明かされていきます。ゲストのエゴに満ちた欲望の対象となるAIたち。
どんなに自我があるように見えても、所詮は情報でできている彼らは、自分のある意味もどういう風に設定されているかも知りながら、その枠から外れることはできない。
だから、特殊な役割を負わされたジュリーとジョゼが惹かれあうことは必然で、けれどそれは結局傷の舐めあいでしかないから、他に救いを求めるのも必然なのだろうと思います。
最後でジュリーがジュールを選ばず、ジョゼと同じ場所を望んだことは意外だったのですが、読み終わった後には納得しました。もう他に立つ場所はなかったのだな、と。
人と違い、情報の塊であるAIにとって、死の概念も人とは違うものなのかもしれませんが抱く恐れは同じように見えました。だとしたら、そこに見いだすものも同じなのかもしれません。

2011/06/01 23:13

投稿元:ブクログ

 ピクセルが官能素と呼ばれていること、これがこの小説を一番端的に表している。プログラム内部データへのアクセス=官能的(根源的快の)接触。

 ハック・クラック行為が詩的・叙情的なビジュアルで描かれ、まずその描写で一気に惹きこまれた。肉体的境界を透過する<鳴き砂>の交歓、バグを補修する存在を<蜘蛛>として知覚する住人たち。ガラス細工のコンパイラ<視体>(これがまた夏の風景によくなじむ)。その中でも地ならし屋、<鯨と天使>の描写は特に惹き込まれるものがあった。


 「アイデンティティ境界を解く」ことでAIたちが文字通り一つになって交わる姿が巧みな筆致でなんども描写され鮮烈に記憶に残る(性的な交わりだけではない――互いの境界を超えた「苦痛の交わり」もその筆致で繰り返し繰り返し描写される)。
 肉体を持たないAIだからこそもっとも深い場所で根源的な交歓を果たせるという事実に、逆説的なおかしみと不可侵の美しさを見る。
 逆説的といえば、自身をAIと認知しながらもロールを外れられず、それでもしっかりアイデンティファイしているAIたちの存在も面白い。


 物語のほうはと言えば、「完成された世界」に終わりを運ぶものの正体といえば当然……とメタ的な視点で見ていたら、予想を外す展開でびっくり。あの無慈悲さを持つランゴーニが斥候ですらなかったとは。

 とにかく、次巻が楽しみ。

2011/01/28 01:03

投稿元:ブクログ

AIの暮らす場所・夏の区画。ある日そこに謎の存在から攻撃が及んだ。AIと謎の存在による戦争を描いた作品。

グラスと呼ばれる武器を駆使するあたりでは安いバトルだと思っていたけど違いました。まあ、AI達の殺し方や過去の出来事にかんする記憶の描写は残酷すぎるとおもいましたが、神話のような話でした

2011/06/27 12:31

投稿元:ブクログ

1000年間も途絶した仮想空間での,AI達の死闘という設定が面白く,先が気になります。戦闘描写や世界観など,設定がなんというか,飛びぬけているように感じました

2009/11/12 09:37

投稿元:ブクログ

作者が「ノート」で書いている通り「清新で残酷で美しい」小説。こういう作品に(たまに)出会えるからSFはやめられない。

ある仮想現実が立ち上がった時、(実際には一度もそのプログラムは実行されなかった)歴史を持つ町に(実際には−以下同文)過去を持つ人間として創造されたAI達の一夜の戦いを、グロテスクに、かつ、透明に描く。

「わたし」とは「記憶」だ。埋め込まれた記憶に呪縛されるAIと現実の人間とは本質的に変わらないと言える。わたしのアイデンティティーを支えるもののいかに脆弱なことか。しかしまた、その頼りないところから引き出される苦痛や喜びはまぎれもなく現実のものとしてわたしにある。

わたしにとって優れたSFとは、本作のように人間の「意識」というものについて新しい光を投げかけてくれるものだ。また、解説者がいう通り、物語を読むという行為について深く胸をえぐるように考えさせられる小説でもある。仮想現実で自らのおぞましい欲望を解放する「ゲスト」とはとりもなおさず読者なのであり、それは他者の苦痛と死を快楽とする者なのだ。こんな複雑な読後感を持ったのは久しぶりだ。

★が一つ足りないのはところどころ苦手なライトノベルを読んでいるような感じになるところがあって(文体や話の展開の仕方)ちょっと気になったので。でも傑作。シリーズ次作もすぐ読みたい。

2016/06/30 23:01

投稿元:ブクログ

本を閉じるとき、いま私は、望んで、この作品世界の「長い夏休み」をぶち壊しにしたんだな、という気持ちになる。物語を進めたのはジュールであり、その前に読み手であるわたしであるような。
わたし=読者は誰にでも感情移入ができるし、自己を重ねることができる。主人公として据えられたジュール(老ジュール、あるいは「父」をハックしたジュール)にも、海岸に押し寄せたランゴーニ・蜘蛛たちにも、世界で残虐を尽くしたゲストたちにも、はたまたそれぞれの視点を紡ぐ登場人物たちにも。その一方でAIたちは人、ゲスト、プレイヤー、の手を離れた楽園で暮らしていたのであって、わたしたちが同一化することを拒んでいるようにも思える。「物語の登場人物は一ページめが捲られたその瞬間に、記憶を持つ。過去を所有する」の文が印象深い。

2011/08/13 19:18

投稿元:ブクログ

御茶の水のファミレスでほぼ終日集中して読了。外は爽やかな夏晴れだったのですが、本の中は実にクレイジー。
AIの住む完璧にプログラミングされた世界での仮想的な戦い・でしかないはずなのに、あまりに超絶なレベルの描写力に一気に読まされます。最初から飛ばしてるので途中で休めない。評判通りの凄惨さにこちらの神経も疲弊しますが、この危うさに抗えない。作者曰く表現としての「苦痛」は読み手の心を揺さぶるのだそうで、悪趣味というよりは確信犯的なのですが、それにしても何を読んでるのか分からなくなる感覚。
夏の区界・大途絶・数値海岸・ドリフトグラス・・・イベントアイテムのネーミングに目眩する。疲れました。超傑作です。

19 件中 1 件~ 15 件を表示