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独特な雰囲気が漂う、警察が介入しないミステリー。火夜という魅力的な娘が失踪したころから話ははじまる。視線はよくかわるが、違和は感じない。むしろ、それが謎の部分への興味が大きくなる。しかし、この話は謎解きが主ではない。実際、探偵(たち?)も警察が目くじら立てそうな行動をさっぱりやってしまう。
様々な個性的な登場人物が出てくるが、心情は細かく細かく描写されたりはしない。だから、余計に興味がわくのだ。事件の結末は何を言ってもネタバレになるため触れないが、この作品が持つ奇妙な雰囲気は変わることはない。
また、事件とは関係ないところの謎解きも、個性的で私の好みだった。探偵ではない職業探偵なんて、滅多に居ないだろう。
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少女と庭と探偵と。スキなアイテムばかりなので手にとったのですが・・・うーーん。謎は深まるばかり。事件は全貌が明らかにならないまま死体だけが増えてゆく。なんか納得できません。描写が少なくてイメージが紡ぎにくいのもその一端を担っているのかも。
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ねむりねずみではちょっと影の薄かった気のする今泉ですが、今回は主役(多分)。少し篭った様な、それでいてどこか清清しい様な不思議な話。
とても綺麗だった。
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小函を抱えて今泉探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。燃える火に夜、人を魅惑せずにはいない謎めいた娘だ。函の中身を見て只事ではないと諒解した今泉は、助手山本公彦と共に火夜の行方を追う。やがて探偵は、死を招き寄せるあやかしの庭へ…。周到な伏線と丹念に組み立てられた物語世界、目の離せない場面展開がこたえられない傑作ミステリ。
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「火夜」という変わった名前を持つ少女を取り巻く事件。なんとなく雰囲気が暗い。読み終えたあとどんと残るものがある。
07/10/21
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★あらすじ★謎めいた美少女・火夜の行方を追って、今泉探偵と助手の山本少年は花の咲き乱れる庭園へ足を踏み入れる…
★感想★舞台設定、火夜や真波といった登場人物、話の展開とすべてがツボ。それだけに、真相が語られていく過程は衝撃でした。でも「こんな愛し方もないとは言い切れない」とも思ってしまいました。後に梨園シリーズで活躍する今泉&山本君にこんな事情があったとは…
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ガラスでできているような文章。もろくて、いびつで、とがっているのに、たまらなくきれいで泣きそうになる。
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行方不明になった謎の少女火夜。送られてきた小指をきっかけに探偵今泉が行方を追い別世界のような庭へたどりつく。シリーズもの。
桜姫を読んでからこちらを読んだので、今泉や山本君のイメージにややギャップがありました。しかしシリーズの時系列ではこの作品が一番最初なので、ここから始まったわけですね。決してハッピーエンドなどではなく暗いです。ただあとがきにもありましたが、なぜか破滅へ向かう登場人物たちが魅力的にみえる時があります。本当はそうなりたいのに周囲の目などを気にしてなれない所。そこへ彼女達がいるからかもしれない。
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帯買いしてみた。ちょっと壊れ気味の奔放な少女が犯罪で闇社会なおっさんダメなチンピラ偏屈じいさん対照的な娘に事件で父親と?に花いっぱいvvv…という少女崇拝テンプレありったけ盛り合わせたら胸焼けしました、という感じ。いや基本嫌いじゃないんですが、スイーツ系は作者のキャラへのドリームが過ぎるときついなあ。盛り込みすぎて段々時系列も理論も訳わからなくなっていきます。蘭て漢字、何画あると思ってるんだ。
この手の設定で強引に押し通した例が「ローズガーデン」、ドリーム捨てた例が「果てしなき乾き」ってとこですか。少女に夢見すぎだろう…それでこその少女崇拝ですが。
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近藤さんのミステリーは女性ならではの感覚で書かれているな、
と常々思っていますが、これもそうですね。
異常、とも思える恋愛心理が
でもどこかありえそうな既視感を持って私に迫ってきます。
こういう理屈をこねた殺人の動機は
とても若く、自己愛そのものに見え、
だからこそとても近しい。
自分の中学・高校といった頃のなんにでも理屈をつけ、
『自分』と『他人』というものを明確にしたがっているのに、
どこかで他者による同意を求めてあがいていた自分を
無理矢理思い出させてくれますね。
…なので全然楽しくはないんですけど、
自戒も込めて読み返してしまう本です。
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(内容)
小函を抱えて今泉探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。燃える火に夜、人を魅惑せずにはいない謎めいた娘だ。函の中身を見て只事ではないと諒解した今泉は、助手山本公彦と共に火夜の行方を追う。やがて探偵は、死を招き寄せるあやかしの庭へ…。周到な伏線と丹念に組み立てられた物語世界、目の離せない場面展開がこたえられない傑作ミステリ。
ミステリだとあまり思ってません。
恋愛小説だと思ってます。
すごい好きー。
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サクリファイスはグッとくる文句なく、堪らない名作でした。
当然、その作者の他の作品を読みたくなるのは当たり前。
...が。うーん...。40歳を近くに控えたオッさんが読むには
少々難しい内容だったかも。2人の少女のナイーブで
壊れやすい感情や心情を理解、共有するのはさすがに苦しい。
とは言え、単純にストーリーを追うだけでも楽しめるくらいの
優れた作品。やはり作家さんの力量が素晴らしい。
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2009/05/10読了
小泉&山本少年シリーズ第一弾!歌舞伎シリーズとだいぶ2人の雰囲気が違う。
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強烈なヒロイン、火夜(かや)を廻るミステリー。
庭にひきつけられ、庭の中で閉じられたような世界の中で、現実感のない美しさでつづられている。
ミステリーとしては、それってあり?って思わないでもないが。
「凍える島」でもそうだったけど、近藤史恵は情熱を冷ややかに書く作家だと思う。
そして、それはこの「ガーデン」において特に顕著であり、凝縮されていると思う。
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「プロトンの中の孤独」から入って、色々な著作を読み漁っていると、この方の書くものの雰囲気の幅の広さに驚きます。でも、たぶん、ろ過して粋の部分を集めるときっと同じものが描かれているのだなとは思うのですが。
この作品は、若かりし近藤史恵さんが若い感性で書いたものということで、不思議な雰囲気を持っていて、詞的な表現や、奇抜な言い回しが随所に溢れています。
ミステリって何なのか、僕にはまだよくわかっていないのですが、全てが不可解なまま、なんだか奥歯に物が挟まったような感じでずっと物語は進んで、そして収束します。
僕は近藤史恵さんの書くものの綻びの無さ、のようなところがすごく好きなのですが、本作はそういう感じでもなくて、秘密があること、謎があることは知らされて、でもそれを最後まで語らず、それで読まされた、ような感じもします。
面白いといえば面白いし、キャラクタたちの独特の不思議さを楽しむのもいいかもしれません。
毛色は違いますが、間違いなく近藤史恵さんの持つ独特の何か、は味わえる本ではあると思います。