投稿元:
レビューを見る
昭和時代回想
ほぼ18年先輩のこの人と17年先輩の矢作俊彦の文章に影響され続けて早四半世紀。この二人だけでなく、教師や先輩に全共闘出身やらがいてこの世代の人達には否応もなく影響を受けてきた。スズキさんには就職の面接に会って落とされたし、一時は妖しげな塾講師に私淑しているに近い状態になったこともある。
人付き合いが苦手なくせに、世話好き、ぶっきらぼうに優先座席を譲るような人か、酒場で大きな顔をして、人の金で綺麗なお姉さんとタクシーに乗っているような人ばかりで、大人しく満員電車に乗っている人にはあったことが無い。
この人はぶっきらぼうな世話好きの方だと推察。青春について語れと言われて、語りたくないと言いながら、世代論は語らないと言いながら、結局、語ってくれる。勉強家なので、僕は大学でノートを借りるような感覚でこの人の書いた物を読む。
隣近所が無くなって、先生も親も型どおりに演じてみせるような環境で育ったので、大変ありがたい先人だ。
2002年、読了。
投稿元:
レビューを見る
内田樹先生が、関川氏の文章を意識してモノを書いているとどこかで書いておりましたが、その指摘のとおり、文章の組み立て、リズムが上手い。昭和の人間にはちょいとペーソスをそそる部分もありますが、その入れ方が絶妙w
投稿元:
レビューを見る
いわゆる団塊の世代にあたる著者からみた昭和の風景。
全共闘だの安保だのということからは無縁で、
友達、家族、家庭をぼんやりと眺めることで昭和の空気を感じさせてくれる。
昭和後半に生まれた身としては題材とされる人物・事件についての記憶が無いわけだが、まあ雰囲気は十分に感じられたかな。
投稿元:
レビューを見る
著者、関川夏央さん(1949~)の作品、ブクログ登録は2冊目。
本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
かつて、この国には「昭和」という時代があった。そして「戦後」や「高度成長」という風景も。敗戦後の発展途上国から自意識に悩む中進国、そして虚栄に踊る先進国へとつき進んだ数十年間。いま日本に生きるわれわれの大多数が生まれ育ってきた、あの長い昭和時代とは果たして何だったのか。希代の名文家が、過ぎ去った忘れ得ぬものたちへのほろ苦い思いを込めて描き出す珠玉のエッセイ集。
---引用終了