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紙の本
大作家といえども投書の結果が気になるものらしい。
2003/05/07 22:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞や雑誌に掲載されたエッセイをまとめたものであるが、このなかで最も印象に残ったのは「図書券」という作品だった。
三菱重工業長崎造船所が世界最高級の豪華客船「クリスタル・ハーモニー号」を建造していると世間に知らしめたのは、皮肉なことに火災事故のニュースであった。
この火災事故から長崎の町は活気がなく、沈んだようであると聞いた吉村 昭氏は「戦艦武蔵」などの取材でお世話になったなった長崎の人々のためにと考え、地元の長崎新聞に激励の投書をするのである。
まさか、名前の売れた作家が投書をしてくるなどとは思いもしない新聞社は半信半疑であり、吉村氏は吉村氏でもしかしてこの投稿原稿が没になったのではないかと不安だったらしい。大作家といえどもハラハラドキドキするのかと、少々おかしかった。
後日、新聞社から投書の謝礼にと千円分の図書券が送られてきたそうであるが、なんとも微笑ましい結末だった。
「編集者という滝にうたれて」というインタビューを文章にしたものもあるが、吉村氏が編集者や取材に応じてくれた人々と真摯な人間関係を維持しているのがわかり、この作家の作品を読みつづけてきて良かったと安心感を抱けるエッセイ集でした。
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