紙の本
余韻はない
2012/09/05 18:09
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投稿者:いたちたち - この投稿者のレビュー一覧を見る
井上荒野の小説の傍若無人さはいっそ男性的だと思う。
ここまでふてぶてしく外してくれると爽快だ。
起承転結とか筋道とか、そういうものは期待してはいけない。
唐突な幕開け、読者を置いてけぼりにして平気な幕切れ。余韻などない。
この人の小説で好きなものは長編と短編とを合わせてもそれほどないにも関わらず、読み続けなければならないと思わせるような異物が、いつでも心の底に残る。
この作品集では最後に収録された『ビストロ・チェリィの蟹』がひっかかった。おいしいソースの鶏のガラニエと、冷蔵庫に預かってしまった松葉蟹。小さく不快で、奥行きがある。
解説は江國香織節全開の江國香織。
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なんだかよく分からないなあ、というのが正直な感想。山場も起承転結もオチもないような。登場人物のそれぞれを覚えるのも大変だった。
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無性に不安になる。どうしていいかわからず読み進めていくと、え?そこで?みたいに、突然終わって、ほんとうに、どうしたらいいの?
という感じの本。もうどうしよう。
でも好きです。
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どこかの雑誌の対談で、御本人が、
「荒野(アレノ)は本名なんです」と言っていた記憶がある。
女の子にこの名前をつけるご両親から生まれたこの人は、
きっと人と違う感性の持ち主なんだろう。
とはいえ、この短編集はあまりにも曖昧な流れで、
どれもそれほど印象に残る話ではなかった。
曖昧さは嫌いではないが、
特に話に高揚もなく始まって終わるという感じ。
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第一回フェミナ賞を受賞したデビュー作『わたしのヌレエフ』を含む5篇を収録した短篇集。
ほぼ十年ぶりに姿を現した一風変わった同級生は、やっぱり今でも変わっていてなんとなく振り回されてしまう――『グラジオラスの耳』。離婚後に一人で住む賃貸の一軒家を、ひと回りも年下の美大生Rと一緒に探す――『暗い花柄』。太極拳教室に通う夏子と不思議な弟夏彦の話――『わたしのヌレエフ』。"B"に集まる仲間の一人、楽天ちゃんが死んだ――『楽天ちゃん追悼』。午後6時に開店する洋食店で、ある少年が来るのを心待ちにしている「彼」の話――『ビストロ・チェリイの蟹』。
読んでいるとたまに、いつの誰の話なのかわからなくなるときがあったが、読み終えてみると「ああ、そういうことか」とわかる。表現があまり直接的ではないので、文脈や会話から推し量りながら自分で解釈していくという能動的読書が必要だった。居心地はそんなに良くないのになぜかその場を離れたくないような、大好きでもないけどなんだか嫌いにはなれないような、微妙な雰囲気に包まれる。この不思議な「魅力」とも言えそうな感覚は、受け入れられない人とクセになる人に分かれるかもしれない。わたしはどちらでもないけれど。最後の『ビストロ・チェリイの蟹』が一番好きだと思った。(2005.3.31)
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処女作の「わたしのヌレエフ」と表題作のみ読んでみた。
破格な構成ははじめからだったんだなとわかる。しかし、この時点では、「だからどうした」というような訳のわからない印象が否めない。表題作は、主人公の女友達二人、それぞれの男女関係についての「相談」を軸に、話が進むのだが、そこには何か進展があったり、物語的解決があったり、あるいは好奇心を誘うような秘密すらあるわけでない。この本を出してから10年間沈黙するのだが、その間に見えないところで小説修行を続けていたのだろうか。
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途中で断念。
よくわからない短編集でした。
タイトルの「グラジオラスの耳」だけは何とか読みきったけど、以降の作品はさっぱり分からなかった。
こういうよく分からないってのが作風なんだろうか。
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短編集
ぼんやりするする読んじゃった
らしいといえばらしい
不倫とかなんとか、女の人たち大変そう