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紙の本
さまざまな着想、続編を希望
2003/01/16 05:24
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投稿者:貫田 勇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新たな「鬼」の概念を打ち立てつつ、殺人事件から始まった物語はさまざまな人々を巻き込みながら進んでいきます。色々なアイデアが随所に盛り込んであって読み応えのある本です。
一つ残念なのは登場人物が多く個々のキャラクターがうまく立ちきらないままに終わってしまった感があるところです。しかしクライマックスも読みようによってははっきりと結論が出ていないですし、この話で使われたアイデアの数々をさらに展開するためにもここは続編が出てくるのを期待、というところでしょうか。
紙の本
この作品で一気にブレークか?
2003/01/12 10:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:霜鞍 佳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『黒い林檎』以来、待ちに待った鐸木能光の新作である。実は私は、この作品を3度、違う形で読んでいる。最初は文藝ネットから100部限定で発表された限定本。次は、この正式版が出版される前に『鬼族』公式サイト(!)で公開された無料立ち読み版(出だし100枚程度のPDF)、そしていよいよ発売となったこの正式書籍版である。
限定本は約300枚だったが、今回発表された正式版では600枚を超え、倍以上のスケールに成長している。内容の完成度は倍以上に高められた感がある。
出だしだけ読むと、ハリウッド映画のような純粋なホラーエンターテインメントなのかと思う人もいるだろうが、鐸木作品の常で、読後には深い印象が残る。『黒い林檎』もそうだった。息もつかせぬ力でぐいぐい読み進まされるが、読み終わった後は、哲学的とも言えるテーマを突きつけられ、しばらくの間、独特の充足感、心地よい疲労に包まれるのだ。
あまたの娯楽小説とは違うものを常に追い求める作者の志に拍手を送りたい。
文芸の危機、小説の不振が言われてすでに長いが、このような質の高い作品が出てくる間は、まだ日本の出版界も死んではいないなと思わされ、少しだけ安堵できる思いだ。
鐸木能光の作品は、純粋なミステリー(俗に「本格」などと称される作品群)とは違うし、ハードボイルドやホラーといった従来の娯楽ジャンルにもくくれないものが多く、今まで不遇な扱いを受けていたが、本好きを自称する人たちには、そろそろこの作家の存在に気づいてほしいものだ。
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