紙の本
これは連ドラ原作か?
2003/04/19 15:09
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投稿者:ぼこにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作『それでも、警官は微笑う』が結構よかっただけに落胆。
一人称スタイルが悪いとは言わないが主人公のワカモノっぽい(それも大人による「多分若い奴らってこういう言葉遣いなんだろ」という乏しい想像力の産物)語り口は痛快というよりは不快で読みづらいだけ。もっともこの辺は好き好きであろう。私は嫌いだが。
前の作品ばかり引き合いに出すのもなんだが、癖のない文章と比較的直球勝負のキャラクターに戻って貰いたい。
脇役にいくらか個性の強い人物を配してがんばっているものの、生かし切れていないので不発というかムダな印象。それに個性が強いといっても性格によるものではなくて情況的なユニークさに過ぎない。主人公も含め人物造形に、深みというか奥行きが感じられないのだ。それともシリーズ化を当て込んでわざと露出を押さえているのか? 違うと思うが、万一そうだとしても、事件の動機が説得力に欠けるとか、謎解きの方法が違法だとか(警察物でなければいいのか?)、どうも弱点が目立つ。
総じて連続ドラマの原作向きと見た。でも次の作品に期待。
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警官シリーズより先にこっちを読んでしまいました…(だってこっちしか図書館になかったんだもん…)
いやぁ消防士って大変だなぁ…警察ってこんなに理不尽なのかぁ…入国警備官って仕事があるんだぁ…っていうか麻取って警察の機関じゃないんだぁ…。…という非常に頭の悪そうな…悪い自分がいました(笑)。もう途中でかなりめ組の大吾とだぶっちゃってだぶっちゃって。特に主人公の雄大。め組の大吾をドラマ化するならこっちをドラマ化すりゃ良かったのに…無理だけど。映像化できないのが多いよな…小説って…鉱物シリーズとか映像化したら絶対面白いのに…絶ッッ対無理だけど(笑)。
好きなキャラは雄大と小坂と裕二。あとは豪胆なママと黒水母王子様な守も好きかな。でも思わず泣けたのが富さんの台詞…ちきしょう泣かせるぜ富さん!!最後の最後でアタイ…アンタが好きになっちまったよ!!
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消防士は凄いな、と思った作品。
自分の叔父は消防士ですが、彼は雄大の憧れる現場に出ない役職です(笑)
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消防士の活躍を通して、人生と職業、人の死について考えさせられる。職業は人生そのものではないが、誇れる職業を持たないことは不幸なことなのだろう。重いテーマが独特の軽妙なタッチで描かれている。ちなみに、鎮火報とは、消防車が消火を完了して帰るときに鳴らす「カンカンカンーン」という鐘のことだそうです。人生と職業の関係が不安定な人にオススメ。
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(仕事以外)やる気のない元ヤンキー消防士・雄大が消火活動に当たった現場にいたのは不法滞在の外国人グループ、放火の疑いが高いとされたその事件の真相は……
出てくる登場人物がどれも魅力的な人物ばかりです。さくさくと一気に読む事が出来ると思います。警察や消防などの組織物に目が無い方は是非一度日明恩さんの小説を読んでみて下さい。個人的なお気に入りはやっぱり雄大と兄貴と星野で(笑)
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面白かったです。
主人公は大山雄大。彼の目線で、というか彼の一人称で語られます。
あ、これは消防士の話です。消防士の側から見ていく、社会サスペンス? 不法滞在や在日の問題を絡めています。
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そこはかとなく「め×の大吾」臭がただよわなくも無い消防士小説。
いちおう主人公は、野生のカンだけ突出した消防士だし、一緒に組んで働く周囲の消防士たちにはおやっさんもいるし、ちゃんと甘粕+神田恵÷2みたいなライバルもいるし。苦笑。しかし主人公が大吾と違ってやる気がまったくないし、火事を消火するより不法滞在する外国人や入国管理官がらみの犯罪話になるので、そのへんが違うのか。主人公の友人たちが、暗い過去のあるクレバーな幼馴染とか、ヒッキー兼ハッカーの美形中年とかと言うあたりは、通り越してまんが的な設定だと思いました。
とりあえず続編の『埋み火』は読んでみます。
それくらいには面白かった。よし。
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消防士もの。今まで気付けていなかった、それこそ「当たり前」くらいに感じていたことの裏側を垣間見たような気持ち。勉強になったこともいっぱいあるし、とても面白かった。
最後ね、ちょっと泣けた。温かくて、ほんとに温かくて、命っていうのは自分だけのものじゃないんだなって強く思えた。あたしにも、何があっても死んで欲しくない人っている。あたしも誰かに、そう想ってもらえているのかな。
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主人公の独白がちょっとくどいと思ったけど、
それを除けばほぼ満足。
小坂の結果は残念だったけどそれも一つの選択だと思う。
その残念な結果のもやもやは、ラストの仁藤でカバーしており
希望の残る終わり方をしたのでホッとした。
全体としては、中だるみする感もあったが
ラスト(自殺志願者説得〜)の盛り上がりは勢いがあって好きだ◎
あとはキャラクターの作りが丁寧だった。
漆黒の中年ヒッキー守や悪友の裕二は、まァどっちでもいい。
良かったのは消防隊の面々だ。
「みんな」のオヤジ・藤田口うるさい富岡(※彼のラストの愛ある文句は、ぐッときた!泣)、
特攻隊長・生田の兄貴に、元・自衛隊員星野(※寡黙!素敵!)。
主人公の成長を暖かく(?)見守りつつ、仕事に情熱をかける【仲間達】ってのが素敵だった。
消防士の話なだけに、熱い人間達の熱い話だった。
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正直、『鎮火報』の意味をこの本を読むまで知らなかった・・・
消防士さんのお話は、初めて読んだけど、秘密のヴェールを覗いてしまった・・・
そんな感じ!?
「それでも、警官は微笑う」と登場人物がリンクしていて、これもまた面白い。
でも、最後はちょっと切ない・・・
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消防士主人公のやる気のなさと、実はかなりの面倒見のよさ、そして強面な外見、どれも魅力的。
マガリは文庫で購入。
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若い消防士の雄大の仕事に対するジレンマや焦りがうまく描かれていた。仕事仲間がいい奴ばかりで、こんな人達ばかりなら、消防士になってもいいなぁと思ってしまった。レスキューサイボーグ仁藤や不思議な中年ヒッキー守の今後も知りたい。
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鎮火報って、消火が終わって帰る時に鳴らす「カンカンカン」サイレンの事だそうだ。女性の作家さんだからか?人物の細かな感情表現が小説の世界へと誘ってくれた。人物描写が緻密で、主人公の消防への心の思い(ヒダ)が、事件(消火活動)に関わる人達との関わりから、じょじょに変化していく様子がよかった。
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図体はでかく、不良からの成りあがりで腕っぷしにも自信がある大山雄大(本名:たけひろ、あだ名:ゆうだい)だったが、人様の命を助けたい!という熱い気持ちで消防士になったわけでは決してない。安定した生活を求める為に消防士になった。今は現場に出ているが、いずれは9時5時の内勤に!・・・それが目標なのだ。しかしながらここのところ、雄大のいる赤羽台消防出張所の管轄内で、不審な火災が連続して起こる。いずれも入管法違反外国人を摘発する現場で、外国人を摘発した後に火事は発生していたのだ。
まず、消防士を題材にした小説を初めて読んだが、初めて知ることがとにかく多かった。タイトルになっている鎮火報(=消防士が無事に火を消した後に鳴らすサイレン)すら知らなかった。3日に1日サイクルの出勤や自炊に関しては、聞いたことあるかなぁくらい。入管の仕事についても同様。小坂のジレンマは、わかるようなわからないような。でもやっぱり、違う方法をとるべきだったと思う。彼を助けないという選択をした主人公は少し意外だった。
元々別に熱い気持ちがあるわけではない雄大だったが、口ではなんだかんだと文句を言いながらも、この過酷な世界で結局は一生懸命に仕事をし、人の命を救い、そして少しずつこの仕事に誇りをもっていく。口も悪いので、一見すごく軽い人物のように感じてしまうのだけれど、結局は”イイ奴”な主人公・雄大。その雄大と同じチームの藤田のオヤジや他の消防員たち。雄大の昔からのダチの裕二や、雄大に情報提供してくれる中年ひきこもりで水母のように跡形もなく死にたい願望が強い楠目守(くずめまもる)。いい歳なのに息子の目から見てもイイ女の雄大の母・民子や、消火活動中に死亡した父。そして雄大が消防士になるきっかけを作った人物・仁藤。気になるキャラがたくさん出てくるし、特に守に関しては「あの人」の正体等、謎なことだらけなので、続編は是非読みたいと思う。
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日明恩の新刊「ロード&ゴー」が、鎮火報のシリーズということなので、予習をかねて再読。
人を救い、人の人生の一端に影響をあたえる。
他の人の生死とか、生き方とか、そういうことに関わることの責任をどうはたすか。
そもそも、そこに責任は発生するのか。
人の人生を左右する可能性のある職業であることを、つい真剣に考えてしまう主人公はすごい。
私の仕事だって、人の人生を左右するもの。
子どものころの経験を、31歳になっても引きずってる仁藤要のような人はいっぱいいると思う。
自分の仕事の重大さを、もう一度かみしめることができた。
重いテーマをいくつも扱っているというのに、読後感は軽やか。
なんとなく有川浩を思わせる軽快な文章で(いや、有川浩の方が後から出てきたけど)、主人公は語るけど説教くさくなくて、軽妙で楽しい。
登場人物も個性豊かで、本当に日明恩、いいなぁ・・・