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地方が変わる、日本を変える 全国知事リレー講座 No.3 みんなのレビュー
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紙の本
おまかせ民主主義
2007/03/25 11:01
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都の立命館大学で行なわれた、全国47都道府県の知事が週替わりで学生に講義する「全国知事リレー講座」。こんなユニークな授業を再録したシリーズの1冊です(全7巻)。
その『地方が変わる、日本を変える—全国知事リレー講座(No.3)』から浅野史郎宮城県知事(当時)の発言の一部を引用します(109-110頁)。
《 民主主義と聞いて何を思い出しますか。ちょっと連想ゲームをしてみてください。「多数決」「平等」「自由」こんなところでしょうか。しかし、民主主義というのは、実はこういうことです。
歴史で「マグナ・カルタ」を習いませんでしたか。イギリスの王様が狐狩りをするお金がないからと言って、勝手に国民に税金をかけた。それに対して、「そんな王様の横暴は許さない」と、国民は議会をつくりました。そこで、税金を取るためにはきちんとした法律の根拠がなくてはいけない、ということになりました。それで、国民や議会の権利を認めさせる契約を王様と結んだのです。その契約が「マグナ・カルタ」です。
これがまさに民主主義です。民主主義というのは、税金の使われ方の問題です。それに、国民が関与する、かかわるということなんです。私はかかわるという意味で「コミットメント」という言葉がぴったりだと思い、使っています。自分のこととしてかかわるということです。税金の使われ方に関心を持つというところから、民主主義が始まるわけです。》
恥ずかしながら中学校の社会科で習ったはずの「マグナ・カルタ」に関しての知識もあやふやでした。「たしか年号だけは暗記したよなあ」という感じです。そして、その年号さえ綺麗さっぱりと忘れてしまいました。
「民主主義というのは、税金の使われ方の問題です」という浅野史郎さんの発言はまさに「目からウロコ」でした! なるほど民主主義って、そういうことだったんだ! 「怜悧なファイター」浅野史郎の「ものごとの本質を表現する力」に脱帽です。
引用部分の直前に浅野史郎さんは次のようなことも述べています。
《 実は、今日お話ししたことは、すべて「ほんものの民主主義を育てよう」ということにつながっています。「ほんものの民主主義」の反対語は「おまかせ民主主義」です。》
「おまかせ民主主義」というフレーズにも脱帽です! まさに、いま多くの人(私自身を含む)にとって、「民主主義」は「おまかせ民主主義」に堕しているのではないでしょうか。つまり「ほんものの民主主義」にはなっていない。
考えてみれば当たり前のことですね。どこかの誰か、”政治家の先生”や”お役人”に「おまかせ」していれば「いいようにしてくれる」なんて都合がいい話があるわけがありません。世の中、そんなに甘くはない。自分たちの暮らす社会をより良いものにしようと思ったら、「自分のこととしてかかわる」ことが絶対に必要であるはずです。
「税金」というのも冷静に考えれば物凄いシステムです。人様が汗水たらして稼いだお金の一部を「権力者」が強制的に徴収する。この「強権」に反抗することは絶対に許されず、下手に抵抗しようものなら「犯罪者」とみなされる。そして重罰を受けなければならない。
こうやって無理無体に「取られた」税金なのだから、その使い道に関しては徹底的に「コミットメント」していかなければなりませんね。私(喜八)はこれまで「税金の使われ方」に無関心すぎたようです。「ほんものの民主主義」とは無縁の衆だったわけです。
はい、素直に反省します。過去の自分は「ほんものの民主主義」を育てる努力を放棄していました(スミマセン)。でも、今後はそうは行きませんよ! 我々が納めた税金の使われ方をじっくりと監視して、おかしいことはおかしいと注文をつける権利を行使していくことにします。齢《よわい》47歳にして、ようやく私も民主主義に目覚めました!
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