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紙の本
刻々と変わる情勢によって、人々はどう変わるのか。そして変わらないものは…。
2005/02/15 16:02
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投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1998年のクーデター。いくらテレビで報道されようとも、私たちにとっては、“どこか遠い国のこと”以外のなにものでもない。初めてリアルタイムでみた湾岸戦争の映像が、ゲームや映画に比べて迫力に欠けていた、とそう思ったときからきっと、“何か”を失ってしまったんじゃないだろうか、と思ったりもしたのだけれど、でも本書を読んで、本当はそんなモノ、私たち日本人は最初っから持ってなかったんだな、と実感したのでした。
物語の主人公・法子は経営コンサルタントとして経営の芳しくないジャカルタの大きなホテルへと赴きます。彼女の胸にあるのはただひとつ、優柔不断な男のこと。そして、その男の呪縛から逃れられない自分のこと…。そんな中、学生時代の友人で留学生だったラハルディと再会。彼女の心は少しずつ、これまでとは違う方向へ向いていきます。
面積は多少違っても、同じ“島国”であると思われるインドネシア。でも、決定的な違いがあるんですね。それは、インドネシアが多民族国家である、ということ。おなじ“インドネシア人”でも、ジャワ人、スンダ人など土着の人たち、そしてマレー人、インド人、中国人とさまざま(だいたい27種族に大別されるようです)。同じ国に住む同じ国籍を有する人たちなのに、生活様式はまったく違うことが当たり前だったりします。
ストーリーとしては、実は苦手な恋愛モノだったりして(笑)。でも、それ以上のモノがここにはある。彼女の心の揺れや悩みが、燃えるジャカルタで少しずつ変わっていくところは面白かったです。そして、現地の人たちにとても感情を動かされました。ホテルの支配人(ジャワ人)、そのホテルで働く日本人営業マン、ホテルの要職に就く華人(華僑)、日本に留学していた華僑のラハルディ、日本料理店の女将とその娘(日本人)など、あのクーデターで、それぞれが何を考え、どう行動したか、といったところが興味深かった。基本的には女性のために書かれたような作品ですが、男性もきっと、思うことがあるんじゃないかと。いろいろ考えさせられますよ。
紫微の乱読部屋
紙の本
著者コメント
2003/04/20 03:15
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投稿者:松村美香 - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドネシアのスハルト政権崩壊後、私はODAによる緊急支援物資のモニタリング調査に従事していました。調査報告書は事務的で、事実の羅列と数値情報を求められていました。一方で、現実社会は生き物のように熱を持って人々の生活を揺さぶっていました。そして、「もっと、別の形で表現したい」と強く思うようになったのです。本著は、環境の動物である人間が混乱社会でどう生きようとしているのかを、娯楽エンターテイメントとして描いいます。暴動の激しさと登場人物の心の動きをスピード感のある文章で感じ取って頂けたらと思います。
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