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紙の本
弱い者を食い物にする、私たちの現実・リアルワールド
2003/06/13 11:58
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投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生の十四子は、仮名を好んで使うことでささやかな防御とし、傷付かぬためのクッションにしていた。彼女の隣の家から、ある日何かが壊れる物音がする。それは彼女と友人達を、平穏な日常と決別させる契機となる音なのだが、そのときの彼女には知る由も無いのであった。
個性的な女子高生4人が、それぞれの人生をまじめに悩みながらも、身近に起こった大事件に非日常の魅力をおぼえ、惹かれていく様子が描かれている。物語の常ながら、浅い思慮で起こした無軌道な行為は、その代償として彼女らに一生消えぬ精神外傷を負わせてしまう。それさえも受け入れて立ち上がる、力強い少女の成長記とも読める。
ただ、少女達の描写が生き生きとして素晴らしいがゆえに、事件を起こした張本人の少年「ミミズ」がいかにもダメ男で、心理描写も浅くがっかり&うんざりしてしまう。ミミズと少女の一人との同行は衝動的で唐突で、とても共感することが出来ない。少女の気持ちも私にはさっぱりわからない。ゆえに、ミミズという愚かで薄っぺらい触媒無しで、普段の少女達の心の内奥をもっと描写して欲しかったように思う。でも、これくらいの命のやり取りでもしなければ、厚いヴェールで隠しおおせている彼女らの本質というものは、永遠に明らかにならなかったのかもしれない。事件さえなければ、彼女らは少女を演じ続けたのだろうか、それともミミズがいなくとも、いつかは張りつめた糸が切れるがごとく、カタストロフがやってきたのであろうか…。
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