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スターダストメモリーズ (バーズコミックスデラックス) みんなのレビュー
- 星野 之宣
- 税込価格:968円(8pt)
- 出版社:幻冬舎コミックス
- 発行年月:2003.2
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コミック
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紙の本
人物造形にかなり難はあるが、壮大な時間と空間を背景にした物語は堪能できた
2005/01/17 08:25
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投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
1977年に「人類は広大な宇宙でひとりじゃない」という謳い文句の映画「未知との遭遇」が登場した時、地球人との交流を求めて彼方から到来する友好的生命体がきっと存在するはずだと胸躍ったものです。
しかし79年にはこの異星間交流の夢に冷や水を浴びせる映画「エイリアン」が現れました。「あなたの悲鳴は広大な宇宙では誰にも聞こえない」というコピー通りの背筋が凍る恐怖を味わったものです。
さて、この「スターダストメモリーズ」はまさに後者に属する恐怖に満ちたハードSF短編集です。登場するあまたの異星生命体は理屈が通じる相手ではありません。広大な宇宙を行く人類にとって彼らは通り魔のようです。道を歩いているだけである日突然命を絶たれてしまう理不尽な恐怖です。
星野之宣は乾いた筆致で、異星生命体の外見と行動の醜さを仮借ないまでに描きます。数々の奇妙な生命体を、疑似科学的理屈づけで私たち読者に提示する力量はなかなかです。
物語の時間と空間を気の遠くなるほど壮大な規模で設定する腕前にも感服しました。
一方で、異星生命体と対峙する地球人の描き方は少々紋切り型です。激しい苦悩も緻密な計算もなく、多面的な存在としての人間が描かれていません。
「ウラシマ効果」のガイがロケット実験に参加した際の思惑はあまりに浅薄すぎて、この程度の計画でこうした壮大な事業に果たして参加するのだろうかと訝しく感じます。
「メリーステラ号の謎」のガストンも無能で独善的な点ばかりが強調されて、船長の器にはハナから見えません。短編集であるから分かりやすく人物造形をしなければならないとはいえ、その描き方は魅力に欠けます。
そうした中でも私のお気に入りは「セス・アイボリーの21日」。手塚治虫の「火の鳥/異形編」の八百比丘尼のお話に通じるところもあって、複数の世代にわたって一人の人物が生きるという、読む者を惑乱させる物語を巧みに見せてくれます。
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