紙の本
ありふれた“内面”たちがかたちづくる小さな空間
2004/01/24 00:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
書棚拝見、といった類の写真を見るのが、昔から好きだった。著名人であれ無名人であれ、誰かが、少なくとも一度は手に取り、目を通し、もしかしたら高揚し涙したかもしれず、沈思し玩味したかもしれない、そういった書物が整然と、あるいは雑然と、ただそこに並べられ重なりあっているだけの、しかし当の本人は不在の、写真を眺めているうち、なぜかしら、けっして足を踏み入れたり、視線をそよがせることのかなわぬ、他人の“内面”に入り込んだような気にさせられる。それは書物だけのことではなくて、机であれベッドであれ、衣類や雑貨や電気器具であれ、はたまた灰皿や屑カゴやマネキンであれ、およそ不在の主との“関係”の痕跡を色濃くとどめた“物”たちのつくりあげる、動かし難い不動の配列そのものが、確固たる“内面”を、ひっそりとそこに立ち上げている。都築響一さんが“スタイル”と言うのは、そのような、どこにでもあって、ありふれた“内面”たちがかたちづくる、小さな空間のことだ。
投稿元:
レビューを見る
都筑響一さんの写真集。東京って街に暮らす人たちの部屋が永遠と最後まで続いていく写真集。人が映っていないのに、人が映った写真よりも圧倒的なリアリズムがある。その人がそこにいるような世界。僕がこの本を買った時には1万円以上したものが、サイズが小さくなって安くなってる。1/10以下だよ、う〜ん。なんか悲しいけどこの写真集に出会えてからの今までを考えたら安いものなのかな?…やっぱ納得いかない気。
投稿元:
レビューを見る
何度見ても飽きない。
こんな部屋に住みたいと思う。
部屋しか写ってないから面白くない人は面白くないかも
投稿元:
レビューを見る
人の家を覗き見するのっておもしろい。そういえば私は雑誌の企画「バッグの中身を見せてください」なども大好きだ。
投稿元:
レビューを見る
たとえばインテリア雑誌に載っているような、ハイセンス(に見える)部屋などが持ち得ないリアリティ、面白さがある。
投稿元:
レビューを見る
雑誌などに載っている小奇麗な部屋よりも、本が散乱し灰皿には吸殻があふれているこれらの部屋の方が見ていて楽しい。この企画に是非参加したかった…。
投稿元:
レビューを見る
ちょっと前の時代の風景になりつつあります。現代のリアルトーキョーを写したものだったのに。知らんひとんちの本棚に自分の好きな本を見つけるのはとても楽しい。
我が家にはこの本が三冊あって、父のはこのちくま文庫、あたしのは京都書院の文庫版と、でかいのの普及版。でかいのには解説が二ヶ国語。
投稿元:
レビューを見る
壁から本が生えてくる大学教授とその妻の部屋。
後輩のことなど考えずに壁に石膏をぬりたくる美大学生の寮。
膨大な量のレコードとCDコレクションで床が抜け落ちかけている音楽評論家の部屋。
平日は家に帰って寝るだけな為インテリアはすっかり娘と嫁中心のアットホームなグラフックデザイナーの一戸建て。
写真には写ってないはずの住人の顔がありありと浮かぶ写真集。
投稿元:
レビューを見る
93年に出されたものの文庫版です。TOKYOで暮らす人々の部屋の写真集です。インテリア雑誌よりもこういう写真を見る方が、生活観があっていいです。
投稿元:
レビューを見る
都築響一を好きになったきっかけとなった本。私もこーいう生々しい写真を撮っていきたい、と学生の時思った。
投稿元:
レビューを見る
正にカオス。
大学の研究室でよく眺めていた。
すっきり綺麗で生活感のないインテリアやデザインが都市を蔓延ってますけど、本当の人間臭さって何だろうと考えさせられた本。眺めてるだけでも楽しい。オススメです。
投稿元:
レビューを見る
穴が開くほど見つめた写真集。学生時代、吉祥寺のヴィレッジ ヴァンガードで購入。その時点でなんだか甘酸っぱい思い出。
中身は90年代前半のトーキョースタイル!ボロい(失礼)アパートメントや寮や長屋の中身を覗き込むドキドキ感。オモチャが入ったブリキ缶をひっくり返したようなワクワク感。雑多ながらも一貫して漂うあたたかさとノスタルジー。尖った若者たちの生活を想像しながら、にまにまとトリップできそうな一冊です。
投稿元:
レビューを見る
普通の人の、普通の部屋の写真。
驚くほど散らかった部屋もある。
生活感丸出しの部屋ばかりで、「なんか変な物置いてないかな?」と写真の隅まで気になっちゃう。そんな本。
投稿元:
レビューを見る
これは良い。東京で、主に狭い部屋で工夫したり散らかしたりしながら、自分なりに物に囲まれて生活している、普通の若い人達の下宿が写真でたくさん載っている。それにしてもごちゃごちゃした家が多い。連帯感さえ沸いてくる。
投稿元:
レビューを見る
今は無き、京都書院より出てた外国人向けリアル日本人ライフスタイル写真集の文庫復活版。本当は、大判で味わいたいものですが・・・・・