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ウォーター・ウォーズ 水の私有化、汚染そして利益をめぐって みんなのレビュー

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紙の本

進行中の水戦争の実態を暴き、水の独占から水の民主主義への転換を提唱(前篇)

2003/04/01 12:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小林浩 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 断言しておくと、本書は先に刊行された『バイオパイラシー』(緑風出版)とあわせ、現代人必読である。21世紀は「水資源をめぐる争いの世紀」である。これまでクレアの『世界資源戦争』(広済堂出版、2002年)やド・ヴィリエの『ウォーター 世界水戦争』(共同通信社、2002年)などを読んですでに知識のある方も、はじめて読む方にもお奨めしたい。水をめぐる話題は、身近なものから、規模が大きすぎてなかなか認識できない問題まで、現代人の生活全体を覆い、かつ支えている。例えば近年では日本の多くの家庭が、水道水ではなくミネラル・ウォーターを飲料水として常用しはじめていると思われるが、そもそも15年ほど前までなら、まだ「何で水にお金を払わなければならないんだ」という認識が強かったろう。今や世界的に水ビジネスは急成長しており、もはや後戻りができない地点に現代人は立っているということを、本書は様々な国際情勢の分析を通じて教えている。水資源確保に打撃を与える環境問題や政治的経済的な利害をめぐる諸問題を論じ合うために、先月(2003年3月)に京都で行われた「世界水フォーラム」は、実に重大な意義を持つ国際会議だった。しかしその重大性は、米英とその同盟国(間違いなく日本もその「一味」である)によるイラクへの武力行使の開始によって、すっかりマス・メディアの報道では後景に退いてしまった。182の国や地域から24,000名もの参加登録者がいたことや、新たな声明文が発表されたことは「大きなニュース」としては扱われなかった。ともすると今回のフォーラムがすでに「三回目」であることすら、知らない人がいるかもしれない。詳しくはフォーラムのウェブサイトで見ていただくとして、関心がある人もない人も、シヴァが本書で警告した「水戦争」とは無関係ではいられないということだけは知っておく必要がある。

後篇へ続く

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紙の本

進行中の水戦争の実態を暴き、水の独占から水の民主主義への転換を提唱(後篇)

2003/04/01 12:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小林浩 - この投稿者のレビュー一覧を見る

前篇より続く

 あらゆる社会で水文化の対立が起きている、とシヴァは指摘する。水を大自然の賜物として共有するか、商品化して私有化するか。「水をめぐるパラダイム戦争は東西南北のあらゆる社会で起こって」おり、「その意味において、水戦争はグローバルな戦争」である、と。この水戦争はすでに始まっているものの、多くの場合、民族紛争や宗教戦争に「すりかえられて」しまっているという。シヴァは母国であるインドにおける水資源の濫用と環境破壊による資源の枯渇、「認可」された企業による乱開発の問題に触れ、その惨澹たる悪循環を淡々と報告することから始める。伐採やモノカルチャー(単一栽培)による森林の破壊と、鉱物資源の果てしない採掘による大地の破壊は、自然の元来有する保水システムを解体し、ダムや井戸の間違った建設による水支配は人々を利害で対立させるばかりかかえって水を枯らし、化石燃料の大量消費は、異常気象を巻き起こす。軍は乱開発企業を保護して、地元の原住民を文字通り「排除」したり殺害したり、反対運動を鎮圧したりする。利益のために環境と地域伝統を破壊し続ける企業はたいてい、国際的な経済機関、たとえばWTOやIMF、世界銀行などから「お墨付き」をもらっており、全世界で大手を振って生態系を荒らしていく。ガンジーの次の印象的な言葉が本書に引用されている、「地球は皆の必要には充分だが一握りの欲張りには不充分である」という。シヴァはさらにこう述べる、「欲望に特権が与えられ、保護され、欲望の経済が私たちの生き方と死に方を左右するのであれば、私たちの種が生き残ることはできない」と。この本は怒りの書であるとともに、水資源を枯らさないための持続可能な社会の根本理念を提示した思想書である。水をめぐる争いは、経済問題であり、環境問題であり、国際政治問題であり、地域問題であり、民族問題であり、食糧問題であると同時に、すぐれて人間の思想的問題の根幹をなしているのだ、と言えよう。

連載書評コラム「小林浩の人文レジ前」2003年4月1日分より。

(小林浩/人文書コーディネーター・「本」のメルマガ編集同人)

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2007/01/29 06:08

投稿元:ブクログ

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2011/06/16 14:43

投稿元:ブクログ

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