紙の本
むやみには薦められないけど、確かに超絶ミステリ、かも?
2003/04/29 00:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いきなり最初に「冒頭の一行で、内外名作ミステリのすべての真相を明かしていますので、未読のミステリを残しているかたは二行目からお読みください」なんて書かれていて、なんじゃこりゃ!? っと思いましたが、さて、冒頭の一行に何が書かれていたのでしょう?(^^;)。
内容は、ミステリアス学園のミステリ研究会を舞台にした事件簿…かな?
全7話で、7人の部員が一人、また一人と死んでゆきます。つまり最後に残ったのが犯人! って、そんな単純なハナシではないんです、もちろん。
カバー見返しに「あなたが犯人でないことを願っています」なんて書かれてたりもするしなあ……クワバラクワバラ(って死語か?)。
現実と虚構の世界が、入れ子細工のようにからまりあって…で、結局、これは現実なのか、それともミス研の誰かが書いた小説なのか…メタミステリってヤツでしょうか?
このラストは確かに今までなかったかもしれないけど、どうなんでしょうねぇ…。うーん。むやみに人には薦められないかも(^^;)。面白がってくれる人もいるだろうけど、怒る人もいそうな気がするから。
各話のタイトルが「本格ミステリの定義」「嵐の山荘」「密室講義」「意外な犯人」などとなっていて、新入部員でミステリ初心者の湾田乱人(わんだらんど)くんにミステリについての講義をする、って内容が加味されていて、ミステリの歴史や分類のお勉強にもなる、というのがなんとなく鯨さんらしい設定。
各年代別にどんな作家が登場し、どんな作品が書かれて来たのか、など、けっこうお勉強になりますね。
「鯨流超絶ミステリ」だそうですので、心してお読みください。
いや、私は薦めてるわけじゃないよ。でも、こんな犯人は今までなかったよ、確かに。
ね、気になるでしょう?
あとはご自由に、と申し上げておきます。はい。
初出「うたたね日記・読書編」
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「本格ミステリって、なんですか?」
私も知りたい。人それぞれの定義があり、それを容認するも否定するも人それぞれ。
そんな疑問を持つ初心者の方、
数多く読んでも疑問を持つマニアの方。
この作品はオススメです。密室講義、アリバイ講義などがあり満足して頂けます。
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一言で言えば「よくこんなの書いたなぁ」といった所。どうだろう、1/3くらい呆れて、2/3くらい称讃の気持ちで。やはり鯨統一郎は、当たれば大きい。でも普段は三振ばかり、で目が離せない。
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短編かと思うと実はそれは次の短編の中の○○○であったり。でも最後は?な感じで・・・微妙です。ネタばれになるから書けないけど。
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すごい作品があったものだ。
ミステリといえば、誰の名前を挙げるか?
色々な人の名前が出てくると思う。
ここで固有名詞を上げるとあほらしいほど長くなるので割愛するが、私くらいの読者であっても数十人単位で出てくる。もしかすると百人くらい出てくるのかもしれない・・・。
そんな長い歴史を持つミステリの歴史を一冊の本にそしてミステリにしてしまった意欲作。
この本を読めば、日本ミステリの流れと大まかな作家名は全てわかるという一品。
ただし、ミステリ部分は簡単に出来ており、どちらかといえば読みやすいトリビア本になっている。
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たくさんのミステリ講義が読めるところがよかった。ミステリの歴史や、トリックの分類など、読んでいると古典ミステリが読みたくなってくる。全然読んでないけど。ストーリーもとても凝っていて面白かったし、オチも嫌いじゃない。こういうのが許せるようになったってことかな。
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一行目で全てのミステリのトリックを暴くおまけつき。詳しくは書きづらいが、ある大学のミステリ研をめぐる物語。唐突な進行とエンディングはもどかしかったが、軽く読むメタ・ミステリには良いかも。
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ためになるミステリ講義があり、ミステリ初心者にはうってつけかな。ある程度読み込んでる人にも楽しめるのではなかろうか。しかしこの結末は好き嫌い分かれそう、というか実際分かれまくってるね。私はバイミステリ(というかただの節操なし)なので、楽しめたけれど。うーん、こういう考えは盲点だったわ。カバー折り返しの言葉にもなるほど。私が犯人じゃなくって良かった(笑)。
ところで私の誕生日……初めて指紋が殺人事件の捜査に導入された日だったのですね。知らなかった~。
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まるで、大学の講義のよう。「ミステリーとは何か」ということを学ぶことができるのが大きな特徴だろう。
ちょっと不思議な感じのするメタミステリー。
皆様が犯人になりませんように(笑)。。。
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前半の一編一遍は謎の提示・解決とも面白く読めます。ミステリマニアならニヤリとしながら読めるんじゃないでしょうか。
私は偏ったマニアなので、半分くらいしかニヤリとできなかったんですけど。
全体の流れのラストは、読み始めてすぐに想像することができ、想像したラストがまんま出てきましたね。
その点、推理小説としては、どんでんがえしがないつまらない作品かもしれない。
けど。
たぶんこの作品はそこに焦点があるわけではないのですよね。
本格を好きな人・本格を書いている人は、たいていのひとが「本格とはなにか」とか、「本格の意義」みたいなものを考えていて、何人かの人はそれを本にしている。東野圭吾の『名探偵の掟』とか。
それぞれ形はぜんぜん違うけど、これもそういう類の本なんじゃないかなあ。
だから、とらえかたは人それぞれ、ですよね。
わたしは本格、好きですよ。
本格はさー、ファンタジーだよね。本の中だけで、だからこそ許されるものだと思うんだけどな。ありえないシチュエーションも、推理のこねくりも、パズルも、あざやかな結末も。
それがいいんだってば!
ところで、最後のほうに、作家図が載ってるんですよ。これ、けっこう面白いです。
自分がどこら辺の趣味なのかがわかりますよ。この本を読むような人はすでにわかってそうだけど。
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ミステリアス学園のミステリ研究会の7人の部員達が次々と死んでいく。意外な犯人とは?
一話完結の形ですが、入れ子のように次の話で前の話を部員の書いている小説として取り込んでいます。その中でミステリーの歴史や本格の定義などが語られているのですが、雑食の私としましてはそんなにジャンル分けにこだわらなくとも・・・と思ってしまうのです。
子どもの頃読んでいたのが、ホームズ派は本格マニアになりルパン派は冒険やサスペンスにも興味を持つというのは、なんだかそれっぽく感じられましたし、キャラ萌え(私的にはキャラ読みという表現を推奨)なんて言葉がちらりと出てきたのが嬉しかったです。
ただ、内容的には今一つ。本格を語るにはだいぶ寂しい中身でしたね。絶倫(?)部長が御老人って・・・特に最終話は「意外な犯人」と銘打っておきながらありきたりな手法でつまらなかったです。
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初、鯨統一郎。当たり。久々にヒット。
メタミステリだね。こう云うのは大好き。ただ、少しオチにキレが足りないけど。
二転、三転ところころ結末が転がっていく。転がりすぎて読者を置いていく作品もあるが、これはそうではなかったかな。
抜粋。
「いいえ。ぼくは何もやっていません。ただ、本格ミステリを好きになり始めただけですよ」
「本格ミステリ? なんだそれは」
「美しい物語です」
裏表紙にも抜き出されていた台詞。素敵過ぎる。
ただ、この会話も好きだけど、やっぱり、忠告文と最初の一行に煽られた。本屋で見かけて、ぺらってめくって、忠告文と最初の一行を読んですぐにレジに持っていたくらいに。
03.03.27
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あとがきで乾くるみが指摘しているようにこのパターンの犯人は既に使われてしまっている。それだけに読後感に驚きが少なかったのは事実。逆に推理小説論として読んでしまった方が面白いのかも。話が進むにつれてどんどん人が少なくなっていくのは「そして誰もいなくなった」的。挿絵の影の人姿はどこかで見たことがあるような、ないような。
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普通の入れ子細工の作品でも結構
楽しめたと思うのですが、ラストの
話が少し(?)かな・・・
鯨先生らしい面白い作品です!
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ミステリについての分析、ミステリの歴史など、なかなかおもしろく勉強になった。
ミステリ論かと思って読んでいたら、この作品自体がミステリだった。
最初の方の次々事件が起こるあたりはおもしろかったけど、ラストは…うーん、どうだろう。