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紙の本

子ども達の手記が心を打つ。もう誰も働きすぎで死ぬことのない社会が来ることを願いつつ

2003/04/15 19:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pipi姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 過酷な勤務によって鬱病を発症したわたしの友人が、二か月近く前に自殺した。その彼に、本書の冒頭に掲載されている小学1年生の日記を読んでほしかった。そして思いとどまってほしかった。悔しさに歯ぎしりする思いだ。

 おとうさんは、わたしと、おかあさんとおにいちゃんをおいて、しんでしまった。じゅん子が一歳のときに、てんごくにいってしまった。……(中略)……
じゅん子は、おかいものにいくとき、おとうさんとちいさい女の子がいっしょにてをつないでいるのをみたの。そうするとこころの中でこうおもうの。
「なんでおとうさんしんでしまったの」っておもうの。
 かみさま、どうかおとうさんをかえして下さい。おねがいします。もしおとうさんがかえってきたら、だっこやおんぶや、かた車などをしてもらいたいです。

 まだ「過労自殺」という言葉もなかった1985年に、飯島盛さんは働きすぎの心労から、命を絶った。遺された妻は、夫の死後5年近くが経とうとするとき、偶然「過労死110番」の存在を知った。それは、長野県の労働組合が設置した相談窓口だった。本書は、過労死110番にすがるように訴えた妻が、その後、弁護士や労組の支援を得て10年に及ぶ苦しい闘いをやりぬき、ついに夫の死を労災として裁判で認めさせた、その記録である。

労働基準監督署に労災申請を出したときから、家族の闘いは始まる。マスコミの取材が殺到して、会社は手のひらを返したような冷たい態度を見せ、遺児達は記者の取材攻勢におびえる。遺族であり原告である飯島千恵子さんが、その苦しさに負けずに、またときに支援者たちとの楽しい思い出を織り上げながら過ごした10年の日々が綴られている。感動するのは、子どもたちの成長ぶりだ。父を亡くし、マスコミに怯えた彼らが、いつのまにか成長し、裁判を自分達なりに受け止め、一生懸命生きていく。

 本作は、裁判資料があまり掲載されていない、また亡くなった飯島盛さんの生没年がきちんと書かれていないので享年がわからない、などの不満点はあるが、子ども達の日記や作文をふんだんに盛り込み、感動的な手記となっている。

死んでしまってからいくら労災が認められても、会社に謝ってもらっても、亡くなった人は帰ってこない。遺族の無念を思うとき、著者たちの闘いが、過労死・過労自殺をなくす大きな歯止めになれば、と心から願う。

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