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紙の本

多分毎年は刊行されないいかにも阪神らしいミステリ・アンソロジー

2003/06/03 00:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

一九八五年、私は兵庫県に住んでいた。
連日TVや新聞で伝えられる阪神タイガースの活躍に、
「今年のタイガースは強いんだなぁ」と目をみはったが、
それにも増して驚いたのは、周囲の反応だった。
商店街では「六甲おろし」が頻繁に流れ、
帽子やTシャツなどのキャラクターグッズを、町で目にするようになった。
変わったのは町だけではなかった。今まで野球の話をした事がなかった級友が、
「デパートで選手のサイン会があったから、行ってきてん(きたんだ)」。
と、唐突にサイン付き団扇を持ってきた。
「あ、あなたっていつからタイガースファンだったの?」と聞きたかった
のだが、周囲の友達と彼女との熱き猛虎談義が始まってしまった。
阪神がおとなしい彼女を変えたのか。それとも、もともと彼女が持っていた面を
阪神が引き出したのか。答えがわからぬままに、私は兵庫県を離れて
しまった。

有栖川有栖、北村薫、黒崎緑、小森健太朗、白峰良介、E・D・ホック、
いしいひさいち(敬称略)。本書に参加している作家の作品を、私はいくつか
読んでいる。だから、「この人はこういうタイプの物語をよく書く人だ」とか、
「この人はこういう書き方をする人だ」など、作家の嗜好をある程度
つかんだつもりになっていた。でも、それは甘かった。
冒頭、逢坂剛氏の『魁!男塾』の江田島平八氏を思わせるタイトルの序文
「阪神タイガースは、絶対優勝するのである!」で、私は「ええっ!」と
声を上げそうになり、あわてて口を押さえた。
徹底して感情を表に出さない悪徳刑事・禿鷹を主人公にしたシリーズの著者、
逢坂氏が、こんなに熱く語る人だったとは!
興奮がおさまらないうちに読んだ二作目も、やはり意外の一語に尽きる。
私は、北村薫氏の最新作『街の灯』を読んで、「端正な文章を書く
真面目な彼こそ、昭和の語り部にふさわしい!」と日々その思いを強く
していた。
ところが、収録作「五人の王と昇天する男達の謎」では、
舞台を煉獄に設定し、登場人物は他の作家の探偵である。この
設定だけでも意外だが、更に、登場人物達は、これでもか、
これでもか、と駄洒落を繰り出している。
それも、かなり、ベタである。
今まで私が北村&逢坂両名に対して抱いていたイメージは、この一冊で
どんがらがっしゃんと崩れ落ちた。
いや、人間は奥が深い。

やや気を取り直した私は、
「学友のみならず、作家の意外な一面まで引き出してしまうとは。
ううむ、やはり阪神タイガースは、ただの虎ではない」と思った。
そして、はた、と疑問が浮かんだ。
なぜ、よりによって今年、それも初めての、阪神タイガース熱烈
応援ミステリ・アンソロジーが刊行されたのだろう? これは単なる偶然か?
それとも阪神の好調を予測して、刊行されたのか?
はたまた、小森作品のタイトル(「一九八五年の言霊」)ではないけれど、
本書が現在の阪神の好調を呼び寄せる言霊となったのか?

うんうん唸っても、どうも私には「?」を「!」に変換できそうな理由が
見つからない。いや、待てよ。普通人の私などより、
きっと、日頃「?」に親しんでいるミステリ作家達の方が、こういう
事態に慣れている。きっと彼等ならば、この謎を見事に解き明かしてくれるに
違いない。あふれんばかりのタイガースへの愛情と、優勝への切なる願いを
抱いている彼等ならば、もう既に、アイデアが浮かんでいるかもしれない。
もし、そんな本ができるのなら、また是非読みたい。
楽しんで書いている作家達を見たいし、作家達が愛するタイガースを
どんな風に料理するのかも、興味津々だからだ。

一冊のみの面白さに留まらず、新たな謎を作り出し、次に興味をつなぐなんて、
さすが、ミステリー・アンソロジー。
え、そこまで深く考えてませんって?

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