投稿元:
レビューを見る
ヤクザの取り仕切る売り専の店でボーイとして働く「弘紀」。
彼は店に勤めて半月足らずで、売れっ子ボーイになっていた。しかし、彼のその実体は、捜査のためならどんな危険もいとわない、麻薬取締官・通称『マトリ』の桜井暁人だった。
そんな捜査中の暁人の魅力に虜になったのは、眼鏡をかけた冴えない男・小杉。しかし、Hになると突然、変貌し、超傲慢な狼へと変わるのだった。
そんな時、密売組織のボスが動き出した。現場へ駆けつけた暁人だったが、一人の麻薬中毒者の暴走により、逆に暁人がピンチに陥ってしまう。
そこに駆けつけたのが小杉で、実は小杉はやり手検察官だったのだ。
その場は小杉の助けを借りて、何とか逃れることができたのだが、組織のボスには逃げられてしまった。何としてでもそのボスを捕まえようとする暁人には事情があって。
実は暁人の妹は、覚せい剤中毒になって死んでしまっていたのだった。暁人はその妹を救えなかった罪悪感から、密売組織を何としてでもつぶそうと手段を選ばずにいたのだった……
暁人の気持ちは痛いほどよくわかる。
結局、暁人は小杉の手を借りて、組織のボスを捕まえたんですが。
その後の、小杉の行動がよくなかった!
暁人に対して説教をするのはいい。暁人に危険なことをしてほしくない、という気持ちはよくわかる!
たださぁ……覚せい剤中毒者にも立ち直ろうとする人間がいる、なんてこと暁人は絶対にわかってたに違いない。
だって、暁人の妹は覚せい剤中毒で死んじゃったわけだし、暁人はもちろん、そんな妹を救いたいと思っていたのに違いないんだよ! それなのに、そっちの中毒になった人の気持ちがわからないなんてはずがないじゃないか! 頭でわかってるけど、心でわかってない的なことを小杉は言ったけど……本当は暁人だって心でわかってたんだと思うよ。ただ、受け入れるのに時間がかかっただけなんだよ。もうちょっと時間をおけば、暁人だってちゃんとわかったに違いない。
元も小杉としては「時間をおけば」なんて甘やかしたくなかったのかも知れないけど。
自分の気持ちばっかりを押し付ける説教ってよくないと思うんだよねー。
なんか、個人的にいらっとしました。わかんないけど。
でも、あれだけ、やって、やって、やりまくってる中に、これだけのテーマを書き込んでる作者さんはエライと思います。すごいなぁ……どうやってあのページ数に入れたのか、ちょっと不思議。