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紙の本
生きた言葉を引き出す
2004/07/06 16:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:後藤和智 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「Newtype」誌に連載されている「林原めぐみの愛たくて逢いたくて…」の書籍化第2弾である。林原氏は《1巻目よりもいい意味で力が抜けた感じです》(「VOICE NEWTYPE」第4号)と語っているが、氏の言うとおり、本書は対談本でありながら、実にほっとした気分にさせられる。
本書の内容に関して云々するのは難しい。しかし一つだけいえることは、林原氏は相手の言葉を引き出すのがうまい、ということである。氏は、相手の言葉を正面から受け止めて、それに対してできるだけよい受け答えをしようとしている。また、過度に論争的にならず、あるいは過剰に親密になろうともせず、適度に距離をとって、なおかつ読者の期待にも応えてくれるというのは、林原氏の人間性のなせる業だと思う。
林原氏には『なんとかなるなる』(角川スニーカー文庫)などといった著作があるし、自分が歌う歌の作詞もしている。しかし本書は、それらとはまた違った林原氏の魅力を際立たせている。林原氏は対談したときの空気をそのまま伝えたいと考えているようだが、実際に対談に居合わせていない読者にとっても、それが十分に伝わる内容ではないかと思われる。
また、本書は、前著と同様、写真集としても楽しめる。そこには、文章だけでは伝わらないものがあるし、林原氏が直接デザインに関わったかどうかは知らないが、写真ページのデザインにも本書の魅力が感じられる。
そして本書が前著と違うのは、第一にエッセイとして本書の企画で湯布院に行ったときのことが書かれていること。これは、「食べる声優・林原めぐみ」という、ファンにはあまりにも有名な林原氏の一面が現れている。第二に、書籍に収録していない連載のダイジェスト版が収録されていて、資料としても参考になる。
林原氏はまえがきで《人生の参考に…なんていうつもりはないけれど、ちょっとした刺激になればいいなあと思っています》と書いているが、本書はむしろ、生活の中でちょっと違った気分に浸りたいときに読みたい本である。
最後に。
本書にも登場しており、林原氏とは親密な仲だったシンガーソングライターの岡崎律子氏が、今年5月5日、敗血症性ショックで亡くなられた。読者の一人として、ご冥福をお祈りする。
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